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軽自動車の自賠責保険は普通車と何が違うのか?還付手続きや保険料の金額も
自賠責保険とは
自賠責保険とはどのようなものか。国土交通省の「自賠責保険ポータルサイト」の説明は以下のとおりです。
自賠責保険(共済)は、交通事故による被害者を救済するため、加害者が負うべき経済的な負担を補てんすることにより、基本的な対人賠償を確保することを目的とし、原動機付自転車(原付)を含むすべての自動車に加入が義務付けられています。
なお、無保険車による事故、ひき逃げ事故の被害者に対しては、政府保障事業によって、救済が図られています。
http://www.mlit.go.jp/
あくまでも被害者の救済を目的とした制度ということがわかるでしょう。
一方で自賠責保険は強制保険とも呼ばれ、加入しないと法律により罰せられます。自動車やバイクを買うと、当然のように自賠責保険の支払いがついてきます。どうせ任意保険に入るのだから、入らなくてもいいんじゃないかと思われがちですが、当然そうはいきません。
自賠責保険について知ろう (国土交通省 自賠責保険ポータルサイト)
軽自動車と普通車 自賠責保険の保険料に金額差はある?
軽自動車と普通車で、自賠責保険に金額差はどの程度開くのか気になる方も多いでしょう。自賠責保険は損害保険各社が取り扱っていますが、全労済やJA共済が取り扱う「自賠責共済」も含め、内容は基本的に同じです。
ではその料金についてですが、維持費の安さで軽自動車の購入を検討されている方には普通車との差も気になります。
軽自動車と普通車の支払期間別金額(2017年現在)は以下の通りです。
契約期間 | 軽自動車 | 普通車 |
---|---|---|
48か月契約 | – | – |
37か月契約 | 35,610円 | 36,780円 |
36か月契約 | 34,820円 | 35,950円 |
25か月契約 | 25,880円 | 26,680円 |
24か月契約 | 25,070円 | 25,830円 |
13か月契約 | 15,960円 | 16,380円 |
12か月契約 | 15,130円 | 15,520円 |
表を見ると、意外なほど差がないことが見て取れます。事故による影響は軽自動車も普通車もあまり差がないということを考慮すると、妥当とも考えられます。
自賠責保険の補償内容
自賠責保険の補償内容に軽自動車と普通車の区別はありません。内容はおおむね以下のとおりです。
- 自賠責保険は被害者1人当たりの補償金額に上限が設定されています。被害者が複数の場合はその人数で割るのではなく、人数分をかけるかたちになります。物損への補償はなく、対人賠償のみが対象です。
- 主な補償内容(上限金額)は、障害による損害の補償が120万円、後遺障害による損害の補償が常時介護を要する場合(第1級)で4,000万円、死亡による損害の補償が3,000万円などで、治療費や逸失利益・慰謝料などが支払いの対象となります。
- 被害者が、加害者の加入している自賠責保険の保険会社に直接保険金を請求できることや、被害者が当面の出費のために仮渡金を請求できるなどの特徴があります。
不要になった保険料は還付(返金)してもらえる?
不要になった保険料は還付(返金)が可能です。
車検の対象となる車や250ccを超えるオートバイの場合は、車検証の有効期間を満たす自動車損害賠償保険証明書を提示しなければ車検の更新はできません。つまり、新車購入時は36カ月以上、それ以外では24カ月以上の自賠責保険に加入することが必要となります。
この期間中に自動車やバイクなどを廃車することになった場合、すでに支払った保険料を還付(返金)してもらうことができます。
不要になった保険料はいくら還付される?
保険料は、保険を解約した月の翌月からの加入期間分が返金されます。2017年時点の返金額はおおむね以下のとおりです
- 軽自動車:約900円×残り月数
- 普通車 :約960円×残り月数
解約した月とは、廃車した月ではなく保険会社に解約を申し込んだ月を指しますのでご注意ください。
還付にはどのような手続きが必要?
廃車手続きをしただけでは、自賠責保険の保険料は還付されません。加入している保険会社に対して解約の手続きをする必要があります。手続きには以下の書類が必要です。
- 自賠責保険(共済)証明書
- 契約者の印鑑(法人の契約者は法人印)
- 振込先となる銀行口座番号
- 契約者本人であることが確認できる確認書類(例: 運転免許証、健康保険証、印鑑登録してある実印と印鑑証明書 など)
- 登録事項等証明書等廃車したことを証する書類
手続きの細かい手順については加入している保険会社によって異なる場合があるので、各保険会社に確認する必要があります。
保険料還付の手続きはお早めに
保険料還付の手続きは、できるだけ早めに行うことをおすすめします。遅くなればそれだけ返金額が減るためです。廃車手続きを行っただけでは保険料が還付されないので、廃車の後は速やかに保険会社に連絡する必要があることもお忘れなく。
なお、自賠責保険はあくまで最低限の補償を行うものです。実際に事故が起きた場合、自賠責保険の補償内容では不足してしまいます。もしものために任意保険への加入することは不可欠といえます。任意保険はさまざまなタイプの商品が用意されているので、それぞれのカーライフに合った任意保険をお選びください。
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- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...