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サージタンクとは?車のどこにある?インマニとの構造は?

インテークマニホールドの妙技

インマニ形状でエンジン性能を高める

空気には質量があるため、慣性が働きます。
つまり、空気の流れをせき止めても、空気は流れ続けるということです。

例を挙げると、エンジンが高回転時にアクセルオフにして、すぐにアクセルを踏んで再加速すると、車がグンと勢いよく加速するのを体感したことがあるのではないでしょうか。
減速から加速へ移るため、強い加速に感じるのですが、そのときには実際にエンジンパワーが上がっているのです。
エンジン高回転時の吸気速度は、大型台風並の秒速40m超。
その状態でアクセルを戻すと、スロットルバルブが閉じられ、それまで流れていた空気は行き場をなくしてしまいます。
そうすると空気はスロットルバルブ手前で玉突き衝突の様に圧縮されるのです。

そうしてできた圧縮された空気は、再加速をすることでエンジンに流れ込み、より大きな爆発となってパワーが上がるのです。
これはターボエンジンと同じ原理になります。

ナチュラルターボ

それを応用したのが“吸気慣性効果”と呼ばれるものです。
エンジン内に入りかけの空気が、インテークバルブが閉じてせき止められると、先の高回転から再加速した様に圧縮空気が作り出されます。
その圧縮空気が、次の吸気行程でちょうどエンジン内に入るようにインテークマニホールドの長さを調節すると、本来のエンジン以上のパワーを引き出せるのが吸気慣性効果です。

ただし、吸気慣性効果が働くのは一定以上の空気流速とインテークマニホールドの長さが一致した場合のみです。
そのため、回転数に応じて吸気経路長を変えることで、より広い回転数で吸気慣性効果を生み出すエンジンも開発されています。
これが可変長式インテークマニホールドと呼ばれるシステムです。

空気を最大限に活用するために

アルファロメオ GTA V6エンジン
Paulius Malinovskis Follow CC 表示 2.0 / CC BY 2.0
出典 : https://www.flickr.com/

普段あまり意識することのないサージタンクとインテークマニホールドについて説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

絶対的な出力が限られている自然吸気エンジンでは、特にサージタンクとインテークマニホールドの吸気設計が重要であると理解していただければ幸いです。
空気という、目には見えないものを操る機構なだけに、メーカーのこだわりが色濃く反映される箇所ではないでしょうか。

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MOBY編集部
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