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【サージタンクとは】車のどこにある?インマニとの構造は?

サージタンクとは?

エンジンの左側にある銀色の部分がサージタンクです。

日産 CA18DET エンジン 1988年

サージタンクとは、エンジン吸気側からスロットルまでの間に設けられたタンクのような広い空間のことで、エンジンに安定した空気を供給するために必要な空間です。
各気筒に均等に空気が取り入れられるようにする目的と、回転変動の際の出力特性を安定させる効果を持ちます。
よく誤解をされますが、空気を貯めておく場所ではないということです。

自然吸気エンジンでは、サージタンク内は、ほぼ負圧で空気が貯まる事はありません。
ターボエンジンでは、ターボが働いているときには正圧になりますが、基本的には自然吸気エンジンと同様の機能を果たします。

サージタンクは流体における工学一般で、ダム、水力発電、空調設備などにも使われる言葉で、空調設備ではプレナムチャンバーと呼ばれる場合もあります。

インテークマニホールドとは?

サージタンクからエンジンに向かって伸びるのがインテークマニホールド

日産 スカイライン FJ20E エンジン (2000RS搭載) 1981年

サージタンクで均一にされた空気をエンジンの各気筒に分配するための管をインテークマニホールド(略してインマニ)と言います。
太くければ、たくさんの空気を通すことができますが、空気の流速が遅くなってしまいますので、エンジンに応じた太さ、長さの設計が非常に重要となる部品です。

サージタンクを含め、強い圧力がかかるため、その多くは金属加工されたものが一般的でした。
しかし、現在では樹脂加工技術が向上し、高い強度と精度を備えたプラスチック製のサージタンク、インテークマニホールドが主流となりつつあります。

均等に空気を分配するサージタンク

空気の特性を知る

サージタンクとインマニが果たす機能を具体的に説明していきます。
まず、前提となるのが、「管を流れる空気などの流体は管が細くなると流速が上がる」ということと「空気には慣性が働く」ということです。
これらを前提に話を進めていきます。

サージタンクと容量

4サイクルエンジンは吸気、圧縮、膨張、排気と4つの行程に分けられます。
インテークマニホールド内では、それぞれの気筒で同時に異なる行程をしていますので、小さすぎるサージタンクでは各気筒のインテークマニホールド入り口付近での圧力の違いがお互いに影響し合い、適切な空気を吸入できない事態が発生してしまいます。
これを“吸気気筒干渉効果”と言います。

それを抑えるため、サージタンクは大きい方が各気筒への影響を少なくすることができます。
しかし、大きすぎるサージタンクでは、タンクの広がった部分で吸気流速が落ちてしまい、エンジン全体での吸気量が落ちてしまいます。

特に自然吸気エンジンでは、アクセルを踏んでも反応しない、レスポンスの悪いエンジンとなってしまうのです。
そのため、エンジンの排気量に応じたサージタンク容量を設定しなければなりません。

サージタンクは形状も重要

サージタンク内部の形状によっては、ある気筒だけ吸気量が多い、あるいは少ないといった現象も起きます。
そうなると、それぞれの気筒で出力出来るパワーが違うので、スムーズに回るエンジンにはなり得ません。
場合によっては、内部に隔壁を設けるなどして、抵抗を作ってまで各気筒に均一に分配できるよう設計される場合もあります。

インテークマニホールドの妙技

インマニ形状でエンジン性能を高める

空気には質量があるため、慣性が働きます。
つまり、空気の流れをせき止めても、空気は流れ続けるということです。

例を挙げると、エンジンが高回転時にアクセルオフにして、すぐにアクセルを踏んで再加速すると、車がグンと勢いよく加速するのを体感したことがあるのではないでしょうか。
減速から加速へ移るため、強い加速に感じるのですが、そのときには実際にエンジンパワーが上がっているのです。
エンジン高回転時の吸気速度は、大型台風並の秒速40m超。
その状態でアクセルを戻すと、スロットルバルブが閉じられ、それまで流れていた空気は行き場をなくしてしまいます。
そうすると空気はスロットルバルブ手前で玉突き衝突の様に圧縮されるのです。

そうしてできた圧縮された空気は、再加速をすることでエンジンに流れ込み、より大きな爆発となってパワーが上がるのです。
これはターボエンジンと同じ原理になります。

ナチュラルターボ

それを応用したのが“吸気慣性効果”と呼ばれるものです。
エンジン内に入りかけの空気が、インテークバルブが閉じてせき止められると、先の高回転から再加速した様に圧縮空気が作り出されます。
その圧縮空気が、次の吸気行程でちょうどエンジン内に入るようにインテークマニホールドの長さを調節すると、本来のエンジン以上のパワーを引き出せるのが吸気慣性効果です。

ただし、吸気慣性効果が働くのは一定以上の空気流速とインテークマニホールドの長さが一致した場合のみです。
そのため、回転数に応じて吸気経路長を変えることで、より広い回転数で吸気慣性効果を生み出すエンジンも開発されています。
これが可変長式インテークマニホールドと呼ばれるシステムです。

空気を最大限に活用するために

アルファロメオ GTA V6エンジン
Paulius Malinovskis Follow CC 表示 2.0 / CC BY 2.0
出典 : https://www.flickr.com/

普段あまり意識することのないサージタンクとインテークマニホールドについて説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

絶対的な出力が限られている自然吸気エンジンでは、特にサージタンクとインテークマニホールドの吸気設計が重要であると理解していただければ幸いです。
空気という、目には見えないものを操る機構なだけに、メーカーのこだわりが色濃く反映される箇所ではないでしょうか。

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この記事の執筆者
MOBY編集部

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