更新
タイヤ交換時のホイールバランス調整とは?自分で出来る?必要性から料金まで解説
目次
ホイールバランスとは?

ホイールの重心の均衡具合のこと
ホイールバランスとは、タイヤを組み付けた状態でホイールの重心の均衡具合がどうなっているのかを示したものです。
特に、高速度域における安定した走行をする上で必要不可欠なものとなっています。法定速度の上限が大体時速60km程度の一般道より、時速100kmで走る機会の多い高速道路では、ホイールバランスの重要性を実感しやすいです(詳しくは後述)。
少なくとタイヤ交換時には調整するのが一般的
ホイールにタイヤを装着する際には、ホイールバランスを調整するのが一般的です。
みなさんが新品タイヤ(あるいは中古タイヤ)を購入してホイールへ組み付ける際には、ほぼ間違いなく調整されています(しない場合は後述)。
世の多くの自動車オーナーが新たにタイヤを購入するのは、スタッドレスタイヤを購入した時か、車検で新たにタイヤを購入した時、または今使っているタイヤのスリップサインが見えてきたなどです。
タイヤを購入する理由が異なれどバランス取りは共通していますから、タイヤにとって必要不可欠な要素だとわかります。
ホイールバランスが取れていないとどんな症状が出る?
ハンドルがガタガタする(ジャダー現象)
ホイールバランスが取れていないタイヤを装着した車を一定速度以上で走らせると、ステアリングホイールが振動し始めます(ジャダー現象)。
一定速度、具体的には時速100km前後あたりです。つまり、ホイールバランスの取れていないタイヤで高速道路を走ると、この影響をもろに受けることになります。

ステアリングホイールが振動する状態で運転することは安全とは言い難いです。
しかし、時速60km前後ではこの症状はそれほど表れませんから、高速道路を走らない一般道・街乗り向け自動車のタイヤでバランス取りしなくてもよいという意見もあります。
ジャダー現象とは?CVTやクラッチ、ブレーキに要注意!原因と対策まとめ
タイヤが偏摩耗する
タイヤがブレた状態で動いているので、偏った摩耗をすることになります。
長距離移動を頻繁に繰り返さない限りタイヤはそう簡単に減るものではありませんが、タイヤは偏りなく均一に摩耗するのがベターです。
タイヤのスリップサインの見方と確認方法!溝がないと罰金も【冬・春前にチェック】
ホイールバランスの取り方
ホイールバランサーを使用して調整する
バランス取りには、基本ホイールバランサーを使用します。
ホイールバランサーはバランス取り専用に製造された機械です。ホイールを機械に固定し、その情報(ホイール外径・リム幅など)を入力すると、機械がホイールを回転させてバランスがどうなっているのかを教えてくれます。
バランサーの数値を見てバランスウェイトを貼る

©Роман Самсонов/stock.adobe.com
測定後、バランサーに数値が表示されます。この数値の単位はg(グラム)で、その分だけバランスウェイト(錘のようなもの)をリムの内側と外側に貼りつけます。
バランスウェイトを貼るべきリムの場所もバランサーが表示しますので、作業者はそれに従って貼り付けるだけで良いのです。
既に説明したようにバランスウェイトは両面テープでリムの内側に直接貼り付ける仕様となっています。ウェイト1つの重量は5gや10gです。
バランスウェイトを貼る前には、パーツクリーナーでリムの脱脂を行います。こうすることでバランスウェイトが確実に貼り付けられ、走行中にウェイトが外れる可能性も低くなります。
自分(DIY)でホイールバランスは取れる?
可能だが個人で行うのは現実的でない
DIYでホイールバランス取りをすることは難易度が高いです。
その理由の1つが、タイヤの着脱に使用するタイヤチェンジャーとホイールバランサーはどちらも高価ということ。
どちらも新品で購入するとなれば10万円以上かかりますし、機材そのものが大きく設置場所の問題も発生します。
やってもタイヤ組み替え交換くらいが無難
ホイールからタイヤを外して組み替えるのはDIYでも対処できる範囲です。1万円程度で購入できる手動タイヤチェンジャーが販売されていますし、ビード上げにパーツクリーナーとライターを使う裏技もあります。
とはいえ大きいホイールになればなるほど難易度は上がりますし、バランス取りを別で行う必要があるなど、効率的とは言い難いです。
タイヤの組み替えを業者に依頼するにしても自分でするにしても、新品タイヤ・中古タイヤに関わらず、必ずバランス取りを行いましょう。
タイヤチェンジャーの人気おすすめ6選|使い方とタイヤの組み替え方
ローテーション時にはバランス取りを
無駄なくタイヤを使うために前後のタイヤを入れ替える「ローテーション」というものがあります。
例えば前輪駆動の車ではフロントタイヤがリアタイヤよりも消耗速度が早いです。
そこでフロントタイヤとリアタイヤを入れ替えてタイヤを無駄なく使い切ろうというのが、ローテーションの狙いです。
ローテーションでタイヤだけ外して前後を入れ替えた場合にもバランス取りをしましょう。
また、車種にもよりますが、前後のホイールが同一サイズのものであれば、タイヤとホイールを外すことなくそのまま前後ローテーションすることで解決できます。
ホイールバランスを業者に依頼した時の料金

ホイールバランス取りはタイヤ交換とセットになった価格になっている場合があり、その場合の費用は2,000〜3,000円が相場となっています。
タイヤ交換とバランス取りが別メニューとなっている場合もあり、バランス取り単体での工賃相場は1,000円前後です。
車種によって費用が変化することもあるので、予算の兼ね合いがある人は事前に見積もりを依頼するようにしましょう。
オートバックスに依頼した時の料金は?
全国に店舗を展開するカー用品店のオートバックス。オートバックスはホイールバランス調整の工賃を1本あたり税込1,100円以上となっています。これはタイヤ・ホイール交換と同じ価格ですから、4本まとめて依頼した場合は税込8,800円以上の料金となります。
他店で購入したタイヤ・ホイールの交換は別料金で請求されるのが一般的ですので、その点が気になる方は依頼予定先の店舗へ事前に問い合わせるようにしましょう。
タイヤ館に依頼した時の料金は?
ブリヂストンタイヤの専門店であるタイヤ館は、ホイールバランス調整費用として2種類の料金体系を取っています。
ホイールバランス調整だけをする場合は1本あたり税込550円以上です。加えて、タイヤ・ホイールを車両から脱着する費用が1本あたり税込1,100円となっています。
以上を踏まえると、車両持ち込みでホイールバランス調整を依頼した場合に1本あたり税込1,650円以上で、4本なら税込6,600円以上の料金となります。
タイヤ交換時に持ち込みで依頼した時の料金は?
先の文章でも少し触れました通り、持ち込みでのホイールバランス調整はタイヤ・ホイール交換と同様に料金体系が少し高くなる場合が多々あります。
カー用品店やタイヤショップなどはタイヤ・ホイール交換を行う場合、自身のお店で購入されたタイヤの交換やホイールバランス調整の工賃は安く、反対に他所で購入したタイヤの持ち込みでの依頼に対しては比べて高くする傾向にあります。
なお、交通事故や脱輪などでホイールに大きな衝撃が伝わるとホイールバランスが崩れる可能性はありますが、アライメントが適切に調整された車にバランス調整されたタイヤ・ホイールを組んでおけば、頻繁にバランスを取る必要はありません。
ホイールバランスは取っておくに限る
していてもしていなくても運転できるので見落としがちですが、ホイールバランス調整はしておいたほうが良いです。
高速道路を安心して走ることができますし、何よりアライメントと同じでキッチリした状態にしておいたほうが運転手の気持ちも引き締まります。
タイヤは安くありませんがバランス取りは車両1台分でタイヤ1本くらいの値段ですから、それほど高くはありません。人も車も足元の整ったものがベストです。
タイヤの交換時期と料金相場
タイヤのホイールマッチングとは?
スローパンクチャの内容と対策とは?
- 執筆者プロフィール