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ホイールアライメントとは?調整方法と料金、自分でできるかを解説

ホイールアライメントとは?必要性を解説

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「ホイールアライメント」とは、タイヤホイールの取り付け角度およびその調整作業を指す言葉です。「アライメント」とは「整列」「調整」を意味する英語であり、車は4本のタイヤそれぞれが適切な角度で取り付けられていることで本来の性能が発揮されます。

しかし足回り部品を交換した際や、事故によりサスペンションおよび車体に強い衝撃が加わった際、サスペンションブッシュの劣化などによりホイールの取付角度にズレが生じることがあります。

車体に対するホイールの水平取付角度を「トー(トゥ)」、垂直角度を「キャンバー」、前輪転舵軸の前後方向の傾きを「キャスター」といい、4輪のうちいずれかの角度が異状になると「車がまっすぐ走らない」「ハンドルがブレる」「タイヤが摩耗しやすい」「偏摩耗を起こす」などの症状が出がちです。

これらの角度を正常値に戻す作業を「アライメントを取る」といいます。ホイールアライメントは、車のを安全に走行させるうえで非常に重要な項目といえるでしょう。

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ホイールアライメントを調整するメリット

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操縦安定性の改善・ハンドリングの調整

アライメントのズレが原因でハンドリングに異状がある車は、調整し直すことでそれらの症状が解消します。また、わずかにズレたアライメントを正常値に戻してやることで、車はメーカーが設計したバランスのよい挙動に落ち着くようになります。

サーキット走行のような特殊環境では、タイヤの性能を引き出すためや操作性向上の目的で任意のアライメント値に調整される場合があります。

タイヤの異常摩耗防止

アライメントが極端にズレた状態では、路面に対してタイヤがスムーズに回転できないため摩耗が激しくなります。またタイヤの内側や外側だけが著しく摩耗する偏摩耗はアライメントのズレによって引き起こされている場合があります。アライメント値を適正に保つことで、これらタイヤの異常摩耗を防止できます。

燃費改善

アライメントがズレた状態では、それぞれのタイヤが異なる方向へ進もうとするためエネルギーロスが発生して燃費も悪化する傾向にあります。4本のタイヤが進む方向を揃えてやることで、アライメントのズレにより悪化していた燃費が正常に戻ります。

ホイールアライメントを調整するデメリット

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車によってはアライメント調整のメリットが少ない

アライメント調整(四輪トータルアライメント)は手間がかかる作業であるため、工賃は決して安くありません。とくに前輪のトー角しか調整できない車は、アライメント調整よりも安価に済む、「サイドスリップ調整」のみで問題なく走行できる場合があります。

四輪トータルアライメントは後輪に対する前輪の向きも調整できるため、燃費や走行安定性の観点では無意味とはいえません。しかし足回りを調整できる箇所が少ない車ほど、工賃が高額な四輪トータルアライメントの有用性は低くなります。

アライメント調整の効果が得られない車もある

事故によりボディが歪んだ車や、足回りのブッシュの寿命によってしっかりとサスペンションアームを保持できていない車は、アライメント調整の効果が得られない場合があります。

車体の歪みによるタイヤ位置のズレを補正するのもアライメントの役割ではあるものの、より正確なアライメント調整をするためには根本原因の解消が先決です。

公道で極端なアライメント値はデメリット

任意の数値にアライメント調整を行うことでハンドリングや回頭性能を調整できるものの、過度な設定は車の性能を落とすことになりかねません。

とくに後輪のトー角を過度にアウト側へ向けると車が曲がりやすくなるものの、減速時にスピンしやすくなります。また、過度なネガティブキャンバーはコーナリング時のタイヤグリップを高めますが、直進時は偏摩耗を引き起こす原因となってしまいます。

サーキット走行などの特殊環境で使う車でない限り、アライメントは一般的な数値に留めるようにしましょう。

ホイールアライメントの調整方法

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ホイールアライメント作業は、まず機器を用いてタイヤホイールの取付角度を計測し、サスペンションアームの取付位置を微調調整することでホイールの取付角度を変えます。車によってはトー、キャンバー、キャスターそれぞれの調整機構が連動している場合もあり、調整可能箇所が多いほど調整に手間がかかります。

より正確な調整をするには、正確にホイールの取付角度を計測できることが必須です。水準器などを用いてDIYでアライメント調整が行われる場合もありますが、より正確に調整するのであれば、専用のアライメントテスターを保有している業者に作業を依頼するのが確実です。

ただし高額なアライメントテスターは、どこのディーラーや整備工場にもあるわけではなく、外注依頼となる場合も少なくありません。タイヤショップや大型のカー用品店は多くの店舗にテスターを用意しています。アライメント調整作業には2〜3時間程度かかるため、依頼予定の店舗へは事前に電話予約を入れるようにしましょう。

ホイールアライメントの調整でかかる料金

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ホイールアライメント調整に掛かる料金は、多くの場合「計測基本料金」と「アライメント調整料金」に分かれており、調整箇所が多い車種ほど費用は高額になります。

計測基本料金は6,000円からの費用で行ってくれる店舗があるものの、平均的な価格は1万4,000円前後となります。アライメント調整料金は1箇所あたり2,000円前後が相場であり、1台ぶんの費用合計は2〜3万円程度となるのが一般的です。

なかには、車の大きさなどに応じて調整料込みで1〜2万円の一律料金としている店舗もあります。

アライメントのズレを見分ける方法はある?

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ごくわずかな角度ズレでも車に影響が出るため、アライメントの狂いを外観だけで判断するのは困難です。もっとも簡単な見分け方はステアリングセンターのズレと、車の直進性を確認する方法です。

まっすぐ走っていてもハンドルが左右のどちらかにズレている、あるいはハンドルとアクセルを一定にしても直進時に左右どちらかへと曲がっていく症状がある場合はアライメントがズレている可能性が高くなります。

ただし、ハンドルのセンターがズレていてもアライメント値は正常な場合があります。また、道路は路肩に向かって傾斜しているため、車道を走行中に左側に寄っていくのは正常ともいえます。

以上のような症状がある場合は、同時にタイヤの状態も確認してみましょう。運転に支障があるほどの異状が確認される場合は、タイヤが異常摩耗を起こしている可能性も高くなります。

ハンドリング異状に加えて、タイヤの内側か外側だけ摩耗が著しい場合や、横方向に毛羽立ったように摩耗しているならアライメントのズレはほぼ確実といえるでしょう。

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執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。
監修者プロフィール
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...

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