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キャンピングカー的に使ってわかった!軽トラックの意外なメリットや注意点!

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


近頃、車中泊用やキャンピングカーのベース車両としても、カスタムカーのベース車両としても軽トラック(軽トラ)への注目度や人気が上昇しているように感じる。

かくいう私も軽トラ用のカーゴボックスBoo3のアンバサダーに就任して以来、ダイハツ ハイゼットジャンボがメインの足となっている。

Boo3+ハイゼットジャンボは実際に使って便利なことは確かで、小回りが利くなどといった利便性の高さもさる事ながら、何故か運転していても意外に楽しく、これも意外と思われるかもしれないけど思いの外快適でもある。

そんなこともあって、他にもクルマは持っているのだけど、ついBoo3+ハイゼットジャンボの出番が多くなってしまっているような状況だ。

この2カ月で3500km弱と、まあまあ距離も走った。

そんな中で私の感じた軽トラの魅力や車中泊に利用する上での利点や注意点楽しい使い方や付き合い方などをご紹介したいと思う。

世界中に2車種しかない軽トラ

これまでもDRIMOの記事で度々書いていることだが、以前は軽自動車を製造するメーカー各社が各々軽トラを製造していた。

しかし、ホンダも撤退した現在、軽トラを製造しているメーカーはとうとうハイゼットのダイハツと、キャリイのスズキの2社のみとなってしまった。

軽自動車自体が日本にしかない規格であるから、軽トラを製造しているメーカーは世界中で2社のみということでもある。

ハイゼットとキャリイ以外にも、ピクシス、クリッパー、スクラム、ミニキャブ、サンバーなど色々あるじゃないかと思う人もいるかもしれないが、名前は色々あれど、そのどれもが現在はダイハツ ハイゼットかスズキ キャリイのOEMとなっている。

全部の名前をいちいち羅列するのも面倒なので、以降「ハイゼット」と「キャリイ」は他のブランドのOEM車両も含めたものとして話を進めることにする。

軽トラの荷台と積載量

それで、先ずは荷台のサイズについてだが、ダイハツにはハイゼットジャンボ、スズキにはスーパーキャリイというキャブ(運転席と助手席部分、キャビン)を延長したタイプがあり、それらはキャブを延長した分荷台のサイズが短くなっていて、各々の荷台の長さは違う(どちらもキャブの下に荷台が潜り込んでいるので、荷台のフロア長は外観よりずっと長い)のだが、普通のハイゼットとキャリイの荷台は、どちらも荷台長1,940mm、荷台フロア長2,030mm、荷台幅1,410mmでサイズが共通している。

どうやらこれが使用者の要望に適い、軽自動車の枠内で設定できる究極のサイズということのようだ。

そして、人が寝ることを想定して作られている訳ではないのだが、これは普通の体格の人なら二人が足を伸ばして無理なく並んで寝られるサイズでもある。

数字を見ただけでも結構大きいことはお分かりいただけると思うが、現在日本で正規販売されている唯一のピックアップトラックであるハイラックスの荷台とサイズを比較してみよう。

ハイラックスの荷台サイズは、諸元表を見ると荷台長1,520mm、荷台幅1,535mmとなっている。

長さは軽トラの荷台より40cm以上短い

かなり小柄な人でなければ真っ直ぐに向いて足を伸ばして寝ることはできない寸法だ。

幅は軽トラの方が12cm程度短いことになるのだが、ハイラックスの荷台には大きなホイールハウスの出っ張りがあり、その部分の床の幅は1105mmしかないようだ。

最大幅で床面積を計算しても軽トラの荷台の方がハイラックスの荷台より広いのだが、軽トラの荷台は全面フラットなため、2m近く全長の長いハイラックスより、軽トラの荷台の方が実質的にはさらにずっと広いことになる。

これは5人乗車できるダブルキャブ(現在日本でハイラックスはダブルキャブしか販売されていない)の荷台との比較だが、全長が軽トラより2.5m近く長く、全幅が2mを超える日本では正規販売されていないトヨタ タンドラのレギュラーキャブ(シングルキャブ)の荷台と比べても、荷台の長さは45cm程度しか変わらない。

そして、タンドラの荷台にはやはり大きなホイールハウスの出っ張りがある。

巨大なフルサイズのピックアップトラックの荷台と比較してもこれだ。

逆に言うと無駄っぽいところもピックアップトラックの魅力だったりもするのだが、軽トラは超がつくほど合理的なトラックということになる。

それで、軽トラの荷台に実際にどの程度の大きさの家(シェル)を積むことができるのか計算してみると、キャブにオーバーハングした部分を除いても最大で長さ:2.28m、幅:1.77m弱くらいまでの箱なら合法的に積める(※ 完全に固定したものではなく、積み降ろしのできる荷物扱いの場合)ことになる。

畳に例えたら2畳よりはずっと広く3畳よりは狭い床面積だが、キャブにオーバーハングしたバンクベッドをプラスすれば3畳より広くなってしまう。

そして、最大積載量は350kg

これもハイゼットとキャリイどちらにも共通している。

これだけの広さと重量の物を積める能力があるのなら、十分住むことのできる家を積載できることになる。

しかし、荷台が広いからと物を積み込み過ぎたり、載せた家の内装に凝り過ぎたりしてしまうと重量が嵩んでしまう。

荷台が広くてもボディーサイズは小さく、660ccの小さなエンジンを積んだクルマであることを忘れてはならない。

豪華な板張りの内装にしたり立派な家具を設えた結果、スピードが全然出なくなってしまったり、坂をまともに登れなくなったりしたなんてことも実際にあるようだ。

その程度ならまだ我慢で済むかもしれないし、反省材料にして改善することもできる。

ところが、それだけでは済まないこともある。

荷台が広いが故に油断をしていると過積載になってしまう可能性もあるのだ。

そうなると違法となるばかりか、事故の原因に繋がることでもあるので、積み過ぎには十分な注意が必要だ。

また、荷台が広くて350kgも積載できる能力があるとはいえ、軽トラは自重が700kgから1tにも満たない小さなクルマだ。

重心のズレによる悪影響は大きなクルマより受けやすい。

荷台に載せる荷物や家の総重量だけでなく、重量バランスを考えて積む必要もある

これも場合によっては横転などといった重大な事故に繋がることでもあるので、あまり大雑把にならずに、少し慎重になった方が良い。

前後に関しては、なるべく車両の中心、後軸より前に重心がくるように荷物を積むのが基本だ。

また、重心があまり高くならないような積み方をするのと、なるべく左右均等に重量がかかるように積むよう心掛けたい。

家を自作する場合も、これと同じようなことを心掛けて設計するとよいと思う。

意外な利点

軽自動車は車両自体の価格も低めで、燃費も良く、税金も安くて高速道路の料金も安い。

タイヤやバッテリーなどの比較的高価な消耗品の価格も安い。

非常に経済的だ。

この辺りまでは誰でも思いつくところだが、実際にハイゼットジャンボに乗るようになったら、まだまだ軽トラならではの利点が色々あることに気付いた。

上の写真のフロアマットはホームセンターのコメリのPV商品なのだけど、ハイゼットトラック(もちろん名前違いのOEMも含めた)専用品だ。

同様にキャリイ専用もある。

農家の味方のコメリの商品だけあって、泥が車内にこぼれ落ちにくい立ち上がり部分のある形状のフロアマットなのだが、海岸に行くことの多い私は砂を車内に持ち込んでしまうことが多いため、そんな私にとってもこれは非常にありがたい。

専用品だから当然サイズや形がぴったりで、汎用品とは使用感も大違いなのだけど、価格が非常に安い。

運転席用と助手席用があり、各々1枚¥998なのだが、2枚セットで購入すると¥1,900、「この品質でなんと2枚で¥1,900!(と通販番組のように叫びたくなってしまうような価格)」なのだ。

泥だらけの靴で軽トラに乗らなければならない人は多いから、需要は見込める製品だ。

しかし、車種がいくつもあって全ての専用品を作っていたら製造コストも在庫リスクも上がってしまう。

ところが、2車種しかなければコストもリスクも下げられる。

2車種しか存在しないこと自体は寂しいことではあるが、こんな価格で作ることができるのは、2車種しかないことによる恩恵なのではないかとも思う。

その他、ハイゼットジャンボに乗るようになってから色々物色していると、専用のアフターマーケットパーツのような物も結構豊富で、先程のフロアマットと同じような理屈なのか、案外価格も高くない物が多い。

結構いじる楽しみも多いクルマでもあるのだ。

お金のある大人の芸能人などが、嬉々として軽トラのカスタムを楽しんでいる理由が頷けるような気がしてきた。

軽トラの走行性能

スバルが自社でサンバーを作っていた頃(現在のサンバーはハイゼットのOEM)は、4気筒スーパーチャージャー付きエンジンなんてのもあったが、現在過給器付きエンジンの軽トラはなく、エンジンは全てターボやスーパーチャージャーが付いていない自然吸気 (NA)の3気筒エンジンだ。

パワフルとは言えないが、実際にハイゼットジャンボ(ビッグマイナーチェンジ前の2020年製の4AT)に乗ってみて、私は全く不足など感じていない

高速で普通に80km/hから100km/hの巡行が快適にでき、ジャンボはキャビン内も広いから長距離走行も全く問題などない。

設計の古い車齢13歳のクルマを車齢2歳のまだ初々しいクルマと比較するのは気の毒だが、私が前から持っているバモスのエンジンが唸って40km/hも出なくなってしまうような急坂も、全く普通に登ることができる。

ターボがあればなんて声もあるようだが、むしろこのボディーでこれ以上パワーがあってスピードが出てしまったら危険な感じさえするので、もう少しトルクがあってもよいとは思うが、パワーはこの程度で丁度いいように私は思う。

そして、軽トラに乗って目くじらを立てるより、心にゆとりを持った運転をする方がカッコイイとも思う。

ロールがどうのとか高速での横風の影響がどうのと言う人もいる。

私の場合は元々VANやトラックの運転に慣れてしまっているからそれも特になんとも思わないのだけど、乗用車にしか乗り慣れていない人にとっては気になる部分ではあるのかもしれない。

北か南の強風の吹く日の東京湾アクアラインでは確かにいつもよりしっかりハンドルを握っておく必要はある。

しかし、全てに優れているものなどないのだ。

慣れている身から言わせていただくと、「少なくとも私は山道も高速道路も全く普通に快適に走れます。多分山道では平均レベル以上です。軽トラに乗りたかったら慣れてください」が正直な意見だ。

それを受け入れられないなら乗用車に乗って、ご宿泊はホテルで、とも言いたくなってしまう。

軽トラの燃費

軽トラックの燃費はどうなのか、気になる人も多いと思う。

私の場合(Boo3を荷台に載せた4ATのハイゼットジャンボ)、愛知県と静岡県の信号もしばらくない平地の区間を速くもなく遅くもない速度で走っていた時の最高記録が20km/Lほど(特別省エネ運転を心掛けた訳でもない)で、山越えばかりしている悪条件の時が12km〜13km /L程度だ。

街中の渋滞も高速も郊外も山道も結構バランス良く混ざった3000km以上走った結果の平均値は15km〜16km/L程度。

走り方や積んでいる荷物の重さによって燃費は変わるので一概には言えないが、「もっと燃費いいと思った」という人もいるだろう。

ただ私は、好きな所を好きなように走っての燃費なので、十分満足している。

結論

感じ方は人によって違うので、ハイゼットジャンボを「誰もが快適に長距離の高速走行をできるクルマ」と私が断言することはできないし、私の意見のみが正しいなどとは決して思わない。

その上で私の見解を述べさせていただくと、スピードが全く出なくなろうとも、事故を起こしたり他人に多大な迷惑をかけるようなことにならなければ、軽トラの荷台に凝ったお家を建てるのも、それはその人の趣味だから構わない。

しかし、軽トラを車中泊仕様にするのなら、SNS映えを狙ったような内装に凝ったりするより、装備も材料も軽い物を選ぶなど、軽トラの身軽さを活かしたような使い方をするのが最も楽しいのではないかと私は思っている。

これが、デリボーイ、VW TYPE II、バネット(FRだった頃の)、キャラバンスーパーロング、バモス、そしてBoo3を荷台に載せたハイゼットジャンボなど、数種類の車中泊仕様車を乗り継いできたバン・トラックフリークを自認する私の現在の意見で、これからも愛車のBoo3+ハイゼットジャンボをより楽しく使えるようにしたいと考えている。

ライター:笠原 サタン

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執筆者プロフィール
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