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ワーゲンバスキャンピングカー改造記〜FRP補修に挑戦!〜

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


こんにちは、

キャンピングカー仕様のワーゲンバスで、バンライフをしているユウイチロウです。

僕は現在、1978年製のワーゲンバスに乗っているのですが、42年前の車ということもあり、あらゆるところにボロが出てきてきました。

そこで現在、このワーゲンバスの補修をDIYで挑戦しています。

今回は、錆びてボロボロだったリア部分の補修に挑戦します!

リア部分の現状

まずは、修理前のワーゲンバスのリア部分の現状が、どのようなものかをご紹介します。

こちらが右後ろのリア部分なのですが、前にこの車を所有していたオーナーがアルミテープで補修して以来、僕自身は一切手を触れずに過ごしてきました。

このアルミテープを剥がしたら、一体どうなっているのか知るのが怖く、見て見ぬ振りを貫き通してきたのです(笑)

補修を決心した今、長年の時を経て、とうとう開かずの扉が開かれます。

意を決して、ベリっと勢いよくアルミテープを剥がして行きます。

そして現れたのは…

物凄い量の錆!

覚悟はしていましたが、かなり病気は進行しているようです…

隣の部分のアルミテープも剥がして行きます。

こちらもなかなか危険な雰囲気が漂っています。

アルミテープを剥がすと、この通り!

ボディだと思い込んでいた部分は完全に崩れ落ち、大きな穴になっていました。

手を離すと、ブラブラ揺れ、いつ落ちてもおかしく無いような状態・・・。

以上が、今回補修するリア部分の現状です。

これを見て、こんなのが治るのか?と諦めそうになった心を奮い立たせて、なんとか回復できるよう取り組んでみることにしました。

補修工程の流れ

今回の補修は、FRP補修という方法を選択しました。

FRPとは、プラスチック樹脂にガラスの繊維を混ぜた物で、コストが安く加工しやすいという特徴があります。

溶接によって穴を塞ぐ方法もありましたが、コスト面と加工のしやすさから今回はFRP補修を選択しました。

補修工程の大まかな流れとしては、①錆び取り、②錆転換、③プライマーの塗布、④FRP樹脂の貼り付けという4つのステップです。

FRP補修に挑戦!

それではFRP補修に挑戦します!

先ほど紹介した4つのステップを、それぞれ詳しく解説していきます。

①錆び取り

この工程でしっかり錆を取らないと、また錆が進行してきてしまうため、ここで徹底的にサビを削り落とします。

電動やすり、サンダーなど、ありとあらゆる工具を駆使して削るのですが、これが一番時間のかかる工程です。

基本的に、クラシックカーの補修は、この錆び取り作業がほとんどというくらいなのです。

②錆転換

ほとんどの錆を削り落としたら、次は錆転換工程に移ります。

先ほど削った部分に錆転換剤を塗り、赤錆を黒錆へと転換させます。

赤錆は鉄を腐食させ、ボロボロにする特性を持つのですが、錆転換剤によって黒錆へ転換することで、表面に酸化膜ができて錆の進行を防いでくれます。

錆転換剤を塗って24時間経つと、写真のように錆部分が黒く変色します。

次に、表面についた余分な錆転換剤を落とすため、やすりでさらに削っていきます。

後からFRPを貼っていく部分を想定しながら、広い範囲をやすりで研磨していきます。

この時、次の工程で塗るプライマーが付着しやすいように、粗めのやすりで傷を付けながら研磨を行っていきます。

研磨を終えた後の補修部分は、上の写真のようになりました。

研磨前と比較すると、錆も取れて、生き残っている鉄の下地が現れました。(実は錆が若干残っていたので、この後もう一度錆び取りと錆転換を行いました)

長年進行していた錆を見た時はどうなることかと思いましたが、このあたりから補修に希望の光が見え始めました。

③プライマーの塗布

しっかり錆を取った後は、プライマーの塗布工程に移ります。

プライマーには、FPR樹脂がボディに付きやすくするための接着剤のような役割があります。

プライマーの薬剤を、ハケで全体に塗っていきます。

そして24時間乾かすと、上の写真のような状態に。

手で触ると表面がペタペタしていて、これがFRPが剥がれ落ちないようにしっかりと接着してくれるのです。

プライマーの塗布も終わり、最終工程FRP樹脂の貼り付け工程に移ります。

④FRP樹脂の貼り付け

FRP樹脂の貼り付けの前に、クリップ等で留めて大方のデザインを決めます。

この工程は仕上がりのデザインに大きく影響するため、非常に重要な工程です。

大きな穴が開いた部分を、どのようなデザインで直していくか決めるのは、経験や高い技術が必要となります。

今回は、師匠に手伝ってもらいながら、デザインを作成しました。

大きな穴の部分はパテを使って埋め、FRPを貼り付ける土台を作成します。

こちらの白い和紙のような物が、ガラスの繊維です。

これに樹脂を浸透させて固めることで、ボディの形を作ります。

そして、ガラス繊維を補修部分の形状に合うように切っていきます。

切ったガラス繊維に、ローラーを使用して樹脂を染み込ませていきます。

全体に満遍なくしっかり樹脂を染み込ませるのが、きれいに仕上げるコツです。

樹脂を染み込ませたFRP樹脂を、補修部分に貼り付け、形を作っていきます。

ローラーでボディの形状に合わせて、綺麗に貼り付けていきます。

事前にガラス繊維を適当な大きさに切っていたので、ぴったりと補修部分に張り付かせることができました。

最後に、脱泡ローラーでFRP樹脂の中の空気を抜いていきます。

中に空気が残ってしまうと剥がれる原因になるため、丁寧に空気を抜いていきます。

後は、放置して樹脂を硬化させ、余分な部分を削り落として完成です。

今回の補修を行った結果、下の写真のようになりました。

ご覧ください!錆びて大きな穴が開いていたボディが、FRPによってしっかりと補修されました!

手で叩いても、びくともしないほどガッチリと固まっています。

最初に錆だらけの状態を見たときは、どうなることかと思いましたが、今こうしてしっかりと補修することができました。

FRP補修に挑戦してみた感想

以上、今回はリア部分のFRP補修の様子を紹介いたしました。

FRP補修ってなんだ?の状態からスタートし、初めての経験でしたが、技術者の指導もあって、なんとか補修をすることができました。

補修の中で最も難しく感じたところは、補修部分の土台を作成し、デザインを決める工程でした。

これだけ大きな穴だと、元はどうなっていたのかを想像するのが非常に難しかったです。

元のデザインを想像しながら土台を作っていくには、多くの経験や技術が必要であることを改めて痛感しました。

今回は大きな穴だったので、難しくはありましたが、小さな穴であれば、デザイン作りに苦戦することもないため、初心者でも比較的挑戦しやすいと思います。

カー用品店にも補修キットが販売されているので、「FRP補修なんて無理…」と考えていた方も、今回の記事をきっかけに是非挑戦してみてください。

愛車を自分で補修できる技術が身につくと、愛車への愛着が深まるだけでなく、長く乗り続けることができるようになります。

僕も、錆の進行と上手に付き合いながら、この愛車に長く乗っていきたいと思っています。

今回の記事が、少しでも補修の挑戦に繋がれば幸いです。

今後の補修の予定

今後は今回紹介したFRP補修を、様々な部分に施していこうと思っています。

一通り、補修が終わった後には、自分の手でボディの全塗装に挑戦しようと考えています。

次回は、ボディの全塗装の様子を紹介できたらと考えています。

可愛らしいクリーム色のボディが、いったい何色に生まれ変わるのか、どうぞお楽しみに!

ライター:ユウイチロウ

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執筆者プロフィール
車旅情報Webマガジン「DRIMO」
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