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開けば高々と天を衝く!シザーズドアの車【推し車】

スーパーカーに多い跳ね上げ式ドアにはいくつかの方式がありますが、ドア前部を軸にして、ほぼ前方垂直に跳ね上げるのが、「シザーズドア」と呼ばれるものです。

開口部の大きさは通常のドアとあまり変わらず、乗降性の確保よりは、デザインや空力の都合上、あまりにも劣悪な後方視界によるバックのしにくさをカバーする目的で採用されました。

バックの時はドアを開けてサイドシルに腰掛け、後方確認しながらアクセルやブレーキ、ステアリングを操作するスタイルはスーパーカーでもさすがにかなり独特で、ランボルギーニ車を除けば採用例はごく少ないものです。

ランボルギーニ カウンタック

コンセプトカー止まりだったシザーズドアを市販車で初採用、1974年に発売されたのがカウンタックです。

限界まで低くコンパクトにまとめ、エンジンと分厚いサイドシルに囲まれて後方視界が劣悪なミッドシップスポーツをバックさせるには、身を乗り出して後方確認するための大きな開口部が必要でしたが、普通のドアヒンジをつけるスペースがありません。

さりとてガルウイングドアを採用すれば重たい上ヒンジで運動性が損なわれるため、数少ない選択肢として採用されたのが、シザーズドア。

このカウンタック以降、V12エンジンを搭載したランボルギーニ車の伝統となったシザーズドアは、ランボルギーニドアとも言われています。

ブガッティ EB110

ランボルギーニ以外ではあまり採用例のないシザーズドアですが、数少ない例外のひとつが1991年には発売されたブガッティEB110。

全体の印象はだいぶ異なるとはいえ、基本デザインにカウンタックと同じマルチェロ・ガンディーニが携わった影響が随所に見受けられ、シザーズドアの採用もその一環です。

フロントノーズへブガッティのアイコンである馬蹄形グリル(を模したエアインテーク)を採用するかで揉めた挙げ句にガンディーニは去ったものの、シザーズドアは残りました。

1995年に当時のブガッティが倒産したため短命に終わったものの、ル・マン24時間レースなどにも出場するなど、派手な印象を残しています。

ランボルギーニ カウンタックLPI800-4

カウンタック以降、ランボルギーニはV12エンジンを搭載するカウンタック後継のミッドシップスポーツへシザーズドアを採用し続け、ディアブロ、ムルシエラゴ、アヴェンタドールやその派生モデルへと、伝統は受け継がれていきました。

似たデザインでも、ガヤルドやウラカンといったV10エンジンのエントリーモデルは通常のヒンジドアだったのは大きな違い。

1971年のプロトタイプ発表から50周年を記念し、アヴェンタドールをベースに復刻されたカウンタックLPI800-4にも当然のごとくシザーズドアが採用され、近代的ハイブリッドスポーツでありながらも、「カウンタックらしさ」の演出に一役買っています。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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