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ジャスティ、オーパ、セドグロ、スカイライン…先駆車シリーズ「国産CVT」【推し車】
現在は軽トラからハイパワー車まで広く使われている無段変速機「CVT」ですが、初期には耐久性の低さからトラブルの原因となったり、通常のAT車に比べて高価過ぎたりと、普及には結構なハードルがありました。
そうした黎明期にCVTの実用化へ挑み、発展し、あるいはそれっきりになったものも含め、「国産CVTの先駆車」で代表的な3台を紹介します。
スバル ジャスティ(初代・1987年・ECVT)
国産初のベルト式無段変速機を搭載
Vベルトと2つのプーリーを使い、変速比を無段階に変化させるCVTの歴史は意外と古く、1958年にはオランダのDAF(後にボルボが買収)で搭載車が発売された後も開発は続き、金属ベルトを使って電磁クラッチで駆動をON/OFFするCVTを世界で初搭載したのがスバル。
DAFの特許を受け継いだオランダのVDTと共同開発した「ECVT」は1987年にジャスティ(初代)、次いでレックス(3代目)へ搭載され、それまで他社と異なり昔ながらのオートクラッチ式MTに頼っていたスバルの軽/コンパクトへ、本格的なATMをもたらしました。
発進・停止時に電磁クラッチが「バコッ!」と音を立てて接続/解除を繰り返す違和感や耐久性に難はあったものの、走っている限りは変速ショックもないスムーズな走りは、まさに新時代のATを予感させるもので、後に日産にもNCVTとして供給されています。
- 最新「ジャスティ」中古車情報
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本日の在庫数 79台 平均価格 121万円 支払総額 60~205万円
トヨタ オーパ(2000年・スーパーCVT)
保守的なトヨタもついに採用へ踏み切り、一気に普及
スバルや日産、さらにダイハツもさまざまなベルト式CVTの独自開発を進めて市販車へ搭載していく中、国産車では保守的傾向が強かったトヨタもついに2000年に発売したオーパで初のCVT、「スーパーCVT」搭載車を発売しました。
オーパ自体、ハッチバックより少し全長が長いショートワゴン的なボディへ、シートスライド可能な後席で快適性の高さを求めるなど、CVT以外にも新時代の乗用車を模索する実験的な車種として登場しています。
しかし、日本国内で実験的な車種を担当するビスタ店ではなく、トヨペット店で販売されており、トヨタとしても成功してほしい車種だったようです。
実際にはかえって曖昧なコンセプトと思われたか、オーパの販売は好調と言えず一代限りで終わったものの、スーパーCVTの実用性を証明するには十分だったようで、国産コンパクトカーがCVTを当たり前のように採用するキッカケにはなりました。
日産 Y34セドリック/グロリア(1999年)・V35スカイライン350GT-8(2002年)
壮大な夢とロマンが露と消えた究極の「エクストロイドCVT」
それまでベルトとプーリーの組み合わせで、ある程度小排気量でパワーもソコソコな車種向きが当たり前と思われていたCVTに対し、ディスクとパワーローラーの組み合わせで大排気量ハイパワー車へ対応する初のCVTとして注目された日産の「エクストロイドCVT」。
まずY34セドリック/グロリアのVQ30DET搭載車に6速マニュアルモードつきで、次いでV35スカイラインのVQ35DE搭載車350GT-8へ、8速マニュアルモードつきで搭載されました。
しかしベース車より高価なうえ、日産でも7速ATが登場するなどステップATの多段化で十分緻密な変速ができるようになってしまい、期待された割にはそれっきり、自動車用CVTとしては全く聞かなくなってしまいます。
努力の方向性を誤った典型的な「先駆車」として、今では時々ネタ枠で紹介される程度になったものの、究極のCVTを目指した努力自体はは評価されるべきでしょう。
- 最新「スカイライン」中古車情報
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本日の在庫数 1472台 平均価格 425万円 支払総額 30~8,252万円
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...