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販売の「初代対決」では初代カローラに敗れたものの、ヨーロピアン大衆車路線のアッサリさが今は好ましいかも…初代日産 サニー【推し車】

初代対決!サニーはなぜカローラに敗れてしまったのか?

初代サニーの側面だが、下のバンを縮めたようなキャビンだとわかる

そんな帯に短し、タスキに長しだった国産大衆車へ1966年に意気揚々と登場したのが初代日産 サニー、初代トヨタ カローラです。

同時期デビューは他にもスバル1000(1966年発売)や車格の上がった2代目マツダ ファミリア(1967年発売)があったものの、販売面では実質的にサニーとカローラの一騎打ちとなりました。

まず1966年4月にサニーが発売されると、新しいA型エンジンの動力性能や、ヨーロッパ車にならったボディや足回りによる優れた走行性能を、手頃な価格で実現したのがウケて、発売5ヶ月で3万台以上のオーダーを集めます。

1965年の国内乗用車販売が59万台という時代ですし、後のように「新車効果」で最初だけ売れるわけでもなく、評判が評判を呼んで次第に売れていく時代ですから、半年足らずで前年の乗用車販売台数の5%以上を稼いだサニーは紛れもない大ヒット!

さらに販売台数が上昇していけば、戦前から大衆車の名門ブランドだった「ダットサン」にふさわしい王者の貫禄を見せるか…となりますが、1966年11月に初代カローラが発売されるとあっという間に販売の主役を奪われてしまいました。

その理由として、サニーを横目に急きょ100cc排気量を上げた1,100ccエンジンによる「プラス100ccの余裕」や、コストダウン策だったフロアシフト(※)が「かえってスポーティ」とウケた、メッキパーツ多用など内装もデラックス路線だったと言われています。

(※当時は複雑なリンク機構を要するコラムシフトの方が上等だとされていて、実際に初代カローラのフロアシフトもトラックのようにシフトレバーがミッション直結だった。)

トヨタとしてはあまりに貧相で不評だった初代パブリカや、技術的に凝りすぎた2代目コロナの失敗を繰り返さないよう、技術的冒険はせずにセールスポイントだけに集中したクルマづくりが的中した形です。

とはいえサニーが特に劣ったわけではなく、五十歩百歩どころか優れた面すらあったほどですが、強いて言えばわずか7ヶ月でも「カローラの方が新しい」と思われてしまったのと、これから販売が伸びるサニーの勢いをソックリ食われたのが、最大の原因かもしれません。

「新しいのも売ってるんですけど…」売れに売れ続けた“偉大すぎる初代”ホンダ 初代トゥデイ

執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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