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乗れば良さがわかるし、何なら名車レベルなのに、なぜマイナーな存在になってしまったのかを考える~三菱 FTO(1994年)【推し車】
CMでの売りはなぜか学習型ATのINVECS-II
CMも当時の人気バンド、FLYING KIDSの「セクシーフレンド・シックスティーナイン」から、「かなりキテール カンジテール」というフレーズがなかなかノリノリでヤル気を感じさせるものでしたし、FTOに乗ったらカッコイイよね!と、素直に感じられるものでした。
ただしCMの途中で強調されるのは「世界初 INVECS-IIスポーツモードAT」。
現在ではパドルシフトなどに取って代わられる事が多いながらも、シフトレバーをマニュアルモードに切り替え、上下させてATでもシフトチェンジを積極的に行う「シーケンシャルセミAT」的なギミックに加え、ドライバーの癖を学習する機能つき。
まだ4速ATですら「わりと上等な多段AT」であり、安いクルマなら3速ATでもおかしくない時代ですから、「なんかすごいオートマ」であるINVECS-IIは確かに当時として先進のトランスミッションではありました。
ただ、それを5速MTで操ったら楽しそうなスポーツクーペに搭載するのはともかく、売りにしてしまうとなると…既にAT限定免許制度も始まっていて、新車販売のAT車シェアも高く、MTなんて年寄かマニアのワガママくらいに思われていた時代とはいえ、ミスマッチ。
それで「FTOはATで乗るクルマだ」というイメージがついたとも思えませんが、少なくとも他の大切な売り文句(200馬力V6!など)を語る機会は失われ、販売台数ではAT車の比率が高かったと言われますが、逆に言えばMT派からのウケがどうだったか気になります。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...