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ボクはもっと車好きや家族と一緒に走りたかったな…マツダの最後になった車たち【推し車】
2020年代はまさに「自動車」という乗り物にとっての過渡期であり、電動化された新型車や自動車の最新技術がニュースや専門メディアで話題になる一方、ヒッソリと消えていくクルマや技術もあります。
しかしそれは自動車が発明されてから繰り返されてきた歴史でもあり、これまでにも「自動車」として、あるいはそのメーカーの販売戦略の都合上、最後になったクルマは数多くありました。
今回はそんな「最後になったクルマ」から、マツダの3台を紹介します。
マツダ最後のフルオリジナル軽乗用車
シャンテ(1976年4月販売終了)
戦前からオート三輪のメーカーだったマツダは商用車や軽自動車から4輪車へ参入し、1960年には軽乗用車R360クーペ、翌年には軽商用車B360を発売、順調にラインナップを増やします。
しかし1962年発売のキャロル(初代)は、360ccにしては少々凝り過ぎたエンジンが災いして終始アンダーパワーに悩まされ、マツダらしい起死回生策として、軽自動車用ロータリーを搭載した新型車シャンテを開発。
ところが「ロータリーの排気量は1.5倍に換算」という壁に直面してロータリー軽は断念、軽トラ用を水冷化した2気筒2ストエンジンも35馬力というスペックの割に吹け上がりは重く、当時の軽自動車最長のロングホイールベースなども評価されず、4年で販売終了。
後年、RE雨宮がロータリーシャンテをチューニングカーで実現するも、エンジンなどメカニズム面まで含めたマツダのフルオリジナル軽乗用車は、シャンテ以降作られていません。
最後のロータリースポーツ
RX-8(2012年6月生産終了・2013年4月販売終了)
「発電用ロータリーを搭載したレンジエクステンダーEVをマツダが、あるいはトヨタとマツダが共同で開発中」という話はかなり前からありますが、おそらくロータリーを起用する理由は振動や騒音面で有利、かつコンパクトに収まり部品点数も少ないため。
懸念される燃費の悪さは効率のよい回転数のみ使用し、さらにEVの航続距離を延長する補助発電機と割り切ればの話で、ロータリーサウンドを響かせつつ勢いよく発電したり、駆動系につないでタイヤを回すなど、燃費に影響する用途は考えにくいでしょう。
クルマ好きにとっては残念ですが、SKYACTIV-Rとも言われた新型ロータリーを積むピュアスポーツはついに登場せず、おそらくは観音開きの変則4ドアロータリークーペ、RX-8こそが「最後のロータリースポーツ」になる可能性が濃厚です。
- 最新「RX-8」中古車情報
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本日の在庫数 412台 平均価格 123万円 支払総額 32~538万円
マツダ最後のミニバン
プレマシー(3代目:2018年2月生産終了・同3月販売終了)
初代ボンゴ以来、1BOX商用車のレジャー用途を提案し続け、RVブームでも初代MPVがクロカン的な要素を持つFRベースミニバンとして注目された時期もあったマツダですが、バブル時代に築きかけた5チャンネル販売体制の失敗と、その後の経営危機が響きました。
ルーフ上に寝床を作れるオートフリートップでキャンパー需要を盛り上げたボンゴフレンディ(1995年発売)や、1.5L級コンパクトミニバンの可能性を探った初代プレマシー(1999年発売)と健闘はしたものの、ついにマツダのミニバンは主流になりえなかったのです。
そのため、販売好調なCXシリーズSUVに経営資源の集中を決め、CX-8など3列シートSUVを後継に消滅が決定、2018年に生産を終えた3代目プレマシーが、マツダ最後のミニバンとなりました。
- 最新「プレマシー」中古車情報
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本日の在庫数 374台 平均価格 59万円 支払総額 20~161万円
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...