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“走りのホンダ”の画期的発明!「超ロールーフのスポーツミニバン」ことホンダ 3・4代目オデッセイ【推し車】

「走りのミニバン、オデッセイ」を決定づけた3/4代目

「ホンダのスポーツミニバン」という印象を決定づけた、3代目オデッセイ アブソルート

「走りのスポーツミニバン」として今でも根強いファンの多いホンダ オデッセイですが、そのイメージを決定づけたのが思い切って全高を下げた超ロールーフ車の3代目と、その延長線上にある4代目でしょう。

上質なセダン並のプレミアム感と快適性、操縦性を3列シートミニバンで実現した初代、スポーツグレードを初設定した2代目に続き、ラグジュアリー性とスポーティさを両立し、さらに機械式立体駐車場での使用も容易にした都市型ミニバンでもあります。

これらはスペース効率に優れる一方、どうしてもボディが膨れがちで重量も過大になりがちなハイルーフミニバンには真似ができない部分で、MOBY編集部がAIに聞いた、「30~50代のクルマ好きが気になる名車」にも、当然のごとくノミネートされました。

超ロールーフ化によるスポーツミニバン化・3代目(2003年)

3代目オデッセイは同じK24Aエンジンで160馬力の通常版(左)と、200馬力のアブソルート(右)があった

2003年にオデッセイが3代目へモデルチェンジした時、大半のクルマ好きは「またホンダがミニバンの常識を破ってくれた!」と驚き、称賛し、あるいは呆れたものです。

その頃になると、ミニバンという乗り物は結局はスペース効率がもっとも優れた、FF車ベースの低床ハイルーフ車に行き着くものだとわかっていましたし、スポーティなロールーフ車(ストリームやウィッシュ)は、どちらかといえばステーションワゴンの代替車。

最高の快適性や車内空間が求められる大型ミニバンはハイルーフ一択…かと思いきや、新型オデッセイは先代より100mmほど下げてきた超ロールーフ車で、機械式立体駐車場のほとんどで通用する全高1,550mmに抑えたので都心部での使用もバッチリです!

エンジンはスポーティグレードの「アブソルート」では実に200馬力を発揮する、2.4L直4 DOHC i-VTECのK24Aに統一され、V6エンジンは廃止した代わりに走りへ全振りという姿勢は、「ミニバンってこれでいいのか?」と話題を呼ぶも、結果的には大正解。

それもこれも、ホンダではちゃんとハイルーフでスライドドアもあり、3.5リッターV6エンジン車は300馬力を発揮して重量級ボディをカバーする「エリシオン」を2004年に発売したからですね。

つまりライバルのトヨタ アルファードやエスティマ、日産 エルグランドに対し、走りを重視するユーザーにはオデッセイで、スペース効率を重視するユーザーにはエリシオンで役割を分けたので、オデッセイは走りに全振りできました。

そりゃ超ロールーフで車内は狭く、頭上スペースなど圧迫感を感じたとしても、それが嫌ならエリシオンがあるし、それでいいならオデッセイでライバルにはない走りを提供しますよ、というホンダの提案は、その頃はまだ「大正解」だったのです。

キープコンセプトも販売不振は時代の流れ・4代目(2008年)

4代目オデッセイをこの角度で見ると、3列シートミニバンにはとても見えず、できのよいスポーツセダンかスポーツワゴンのようだ

次の4代目も立派で空気抵抗だけでなく押し出し感も重視した、アグレッシブなフロントマスクを採用したほかは3代目からのキープコンセプトで、最初は売れました。

ホンダお得意の「車内スペースは前後でも稼げる」というコンセプトもあって、スペアタイヤ廃止(パンク修理キットで代替)、パッケージング変更により室内長を先代以上に長く取り、ハンドリングの気持ちよさや足回りの完成度はミニバンの枠を超えています。

ただ、2010年代になるといよいよミニバンはハイルーフ車しか売れなくなっていき、4代目オデッセイの販売は次第に苦戦、ならばハイルーフミニバンのエリシオンが好調かといえば、ホンダユーザーが求める走りのクオリティには今ひとつ。

ホンダの大型ミニバンはそうやって時代の変化による販売低迷に苦しみ、結果として2013年にはオデッセイとエリシオンを統合、走りもスペースも双方ある程度充実してスライドドアも儲けた、セミハイルーフ車の5代目オデッセイへと発展するのでした。

しかし、頭上スペースは少々卑屈とはいえ3列シートが問題なく使えて、後席にスライドドアではなくヒンジドアを採用した3/4代目オデッセイは、ハイルーフ車やスライドドアを好まない走り系ミニバンユーザーに今でも支持されています。

いずれフルハイブリッド車の設定、それに伴うバッテリースペースの確保まで考えれば、超ロールーフ車のままでは都合が悪かったかもしれませんが、30~50代のユーザー層にとっては、「3代目/4代目こそがもっともホンダらしいミニバン」と考える人は多そうです。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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