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【バンパー】フロントバンパー・リアバンパーとは?交換修理や塗装などの費用
目次
自動車のフロントとリアに装着されている大きいパーツ
バンパーとは、自動車のフロント部分とリア部分に装着されるパーツです。左右のタイヤ幅くらいの大きさをしてます。
昔だと鉄製バンパーが装着された車種が存在していました。最近の自動車のバンパーは樹脂製品、具体的にはポリプロピレン製が主流です。
その他、FRPやカーボンファイバー製のバンパーも販売されていますが、ポリプロピレン製と比べると高額です。
樹脂パーツやラジエーター等を介してフェンダーへ組み合わされる
基本的にバンパーは取り外し可能なパーツです。バンパー周りにあるパーツを介してボディへ固定されています(車種によって違いがあります)。
そのパーツの1つがリテーナーと呼ばれる樹脂パーツです。リテーナーはボルト留めでフェンダーに取り付けられていて、リテーナー側とバンパー側にある爪をそれぞれかませることで装着できます。
その他、ラジエーターやヘッドライトにもバンパーを装着する箇所が用意されています。これらへの固定に使われるのはプラス・六角ボルトやファスナー(樹脂パーツ)などです。
素手で外せるところと工具で外すところと混ざっています。しかし特殊な工具は不要で、バンパー着脱の難易度はそれほど高くありません。
バンパーの役割は?
車体の保護が一般的な役割
車体を保護することがバンパーの役割です。多くの市販車はフロントエンジンですから、運転席前方つまりエンジンルームにはラジエーターやエンジンにバッテリーなど大切なものが搭載されています。それらを少しでも守ることがバンパーの役割です。
とは言いながらも大きな衝撃が発生する事故・クラッシュではエンジンさらにはボディフレーム自体が破損する可能性は高いです。
ちょっとした事故からラジエーターやクーラントを守る(エンジン冷却機能を守る)、どこかへ擦った時にボディが傷つかないようにするなどが主な役割と考えて良いでしょう。
自動車の空力にも影響する
車体保護に加え、車両の空力性能に影響を与えるパーツとしての役割があることも知っておきましょう。
とりわけ燃費性能が求められる昨今の傾向も関係して、バンパー形状を最適化することで燃費性能を少しでも高くする試みが、各自動車メーカーによって為されています。
空力はモータースポーツの世界で大切な要素の1つです。ショップやチームは、それぞれが考える理想的なダウンフォースを生み出すべくエアロを開発しています。そのうちの1つというわけです。
フロントバンパー、リアバンパーとはどこ?
フロントバンパー:エンジンルームに近い・ナンバープレート着脱可
多くの市販車はフロントエンジンですから、フロントバンパーはエンジンルームに近い位置にあります。先ほども説明したようにエンジンルームやボディの保護が目的となり、重大な任務を担っていると考えて良いでしょう。
視覚的にも自動車の「顔」ですから、フロントバンパーがきれいだと印象も良いです。
フロントバンパーに装着されるナンバープレートは、ただのボルト留めですので、リアのナンバープレートよりも簡単に外すことができます。
リアバンパー:ナンバープレートが封印されている
リアバンパーはリテーナーでリアフェンダーに装着されています。フロントバンパーと比べると、ナンバープレートが封印されている点が大きな違いです。
何人も、国土交通大臣若しくは封印取付受託者が取付けをした封印又はこれらの者が封印の取付けをした自動車登録番号標は、これを取り外してはならない。ただし、整備のため特に必要があるときその他の国土交通省令で定めるやむを得ない事由に該当するときは、この限りでない。
道路運送車両法
リアの封印は道路運送車両法第11条5項で定められている義務になります。条文の通り、基本的には封印を外すことはできません。
まとめると、フロントバンパーを大破するような事故ではエンジンルーム内部の部品を壊す可能性が高く、反対にリアバンパーを大破して交換するような自体になるとナンバープレートの再封印をする手間が発生するということです。
どちらのバンパーを壊してもお金あるいは手間がかかるので、要注意です。
バンパーをぶつけた・壊した時の修理方法は?
交通事故を起こしたり、障害物に自動車をぶつけた際にバンパーが傷つく・破損するというのは定番の事案です。修理方法としては、新たに別のバンパーを入手して取り付ける、あるいは補修して使い続けるかのどちらかとなります。
新品・中古品を購入して交換する
新品のバンパーはディーラーや整備工場経由で、中古品のバンパーならヤフオクやメルカリといったオークションサイトや個人売買サイトで入手できます。どちらを選択するにせよ、何かしらの注意が必要です。
例えば新品バンパーはきれいですが高い費用がかかります。一般的なコンパクトカーでも8万円以上すると考えておきましょう。
取り付けを業者に依頼する場合、取付工賃がかかります。業者によって違いはありますが、業者の工賃表を見る限りでは工賃相場は3,000〜5,000円のようです。
中古品バンパーは価格帯の安いものが多いですが、同時に傷のついているものも多いです。きれいなバンパーを装着したいとなれば、新品を買うか、あるいは中古で入手して再塗装するのが良いです。
オークションや個人売買で購入すると本体価格だけでなくう送料もかかってきます。これが意外と費用がかかりますので、購入前に送料を事前に調べたうえで購入することが大切です。
各種補修材を揃えて自分で直す
再塗装する、あるいは傷がついた部分だけ補修するといった方法で傷を直すのであれば、今あるバンパーをそのまま使い続けることができます。自分でやるとなれば作業場所や道具が必要となりますが、色々と経験できる点が魅力です。
サラッと書きましたが、塗装技術は非常に奥の深いものです。一概に塗装といっても下地準備からカラー塗料・クリア塗料と三層構造で複雑で、揃える道具も意外と数あります。
塗装したくない部分に塗料がかからないようにマスキングしたり、気分が悪くならないように防毒マスクを装着するなど、気をつける点もあります。
それでも自分で完成させるのは達成感がありますし、知識・経験の習得にもつながりますのでやる価値は大いにあるものです。
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塗装の代わりとなるのがタッチペンを使った部分補修です。ちょっとした傷がついたバンパーに使える手法になります。その車両に定められている品番の色のタッチペンで傷を塗ることで、傷を隠せるのです。
業者に依頼する
自分でできる自信がない・作業場所や時間がないといった場合には信頼できる業者へ依頼するのが一番です。
業者に依頼した場合、部品代・取付工賃・塗装代の3つの費用がかかることになります。部品代・取付工賃は先に紹介した通りで、気になるのは塗装費用です。
15cm四方の擦り傷の補修で20,000円以上というものがありますから、バンパーの全塗装を同じくらいの価格で受けている業者もあるようです。それでもさらに高い費用がかかると考えるのが一般的です。
塗装が安くても脱着工賃が高いといったこともあるので、やはり事前に費用を見積もるのが無難です。
バンパーの外し方
バンパーの外し方は既に紹介した通り、リテーナーとバンパーをつなげている爪やボルトを外すこと、そしてボルトやファスナーを他のバンパー固定部から外すこと、これらがバンパーを外す大まかな流れです。
基本的にこの外し方で問題ありませんが、車種それぞれに独自の外し方があることも考えられます。
インターネット上でエンドユーザーが紹介されている車種ごとの整備記録をチェックする、あるいはその車種の整備マニュアルを実際に読んで確認しましょう。
【番外編】バンパーの歴史とお国柄
~1980年代:車を守るためのアイアンバンパー
この当時の自動車のバンパーの素材は鉄が主流でした。近年になってから、当時を振り返り鉄を意味する英語「iron」から「アイアンバンパー」と呼ぶことがあります。話は逸れますが「iron」は服のシワを伸ばす「アイロン」の語源でもありました。
1990年代:バンパーが自己修復する大型ウレタンパンパー “5マイルバンパー”
日本車では1990年前後あたりから、ウレタンを素材にしたバンパーが主流となっていきます。これは、低速でぶつかって凹んだとき、自己修復して元の形に戻る性質があります。
もともとは1974年モデルにアメ車が源。このモデルイヤーから「5マイルバンパー」と呼ばれる、時速5マイル(約8km/h)以下でぶつかったときに自己修復するフロントバンパー、リアバンパーを装着することを北米の安全基準で定めたものが装着されるようになりました。
この背景には、バンパー破損件数があまりに多く困った自動車保険会社を救済するための策がありました。
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2000年代:より高度な衝突安全性能、人の保護が義務付けられる
2000年代のバンパーは、衝突安全性能、衝突時の人の保護が高い次元で求められるようになります。さらに、環境性能では燃費も高い次元で定められ、バンパーの形状による空気抵抗も考慮する必要が出てきました。
「昔のクルマのデザインはよかったなぁ」と回顧する背景には、バンパーに求められる性能が高くなり、昔のデザインが今では作れなくなったというものがあります。
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バンパーに対する考え方は国によって変わる
ちょっとお話は逸れますが、日本では当たり前のようにバンパーは傷をつけないように、ぶつからないように車を運転します。しかし、海外では「バンパーはぶつけるためのもの」という考え方をもった国、地域がたくさんあります。
パリ市内の路上縦列駐車は「え?これ、どうやって出るの?」という程、車間距離を詰めて駐めています。パリには日本のような車庫証明という制度がなく、自分のクルマは路上に停めるのが普通です。
そして「バンパーはぶつけるためにある」がパリジェンヌの考え方。縦列駐車は車間距離はギリギリに詰めて駐め、出るときは前か後ろのクルマをバンパーでぎゅうぎゅう押しどけながらスペースを作るのがお作法です。
そのためフランスでは、他人のクルマのバンパーをぶつけて変形させても物損事故にはならず、修理代の請求も一切されないクルマ文化となっているのです。(編集部記)
日本ではバンパーが傷つかない丁寧な運転を!
バンパーは車の顔であると同時に後ろ姿でもあります。バンパーは傷がつくものという価値観の国・地域があるのも事実ですが、それでもやっぱりきれいにしておきたいところです。
まずは傷つけないように丁寧に運転して、それでも傷つけてしまったらその時の予算に合わせて再現の修理方法を選びましょう。
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