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モノコックボディとは?メリット・デメリットやラダーフレームとの違い

モノコックボディとは?

モノコックボディ
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モノコックボディとは車の骨組にあたるパーツのことを指します。骨組みといっても、棒状のパーツを組み合わせているわけではなく、鉄板を車の形に加工し、大まかな形状を形作っています。

モノコックボディ一つでフレームとボディ両方の役割を持つため、軽く丈夫な車を作ることができるのです。

モノコックボディは作るのが難しく、昔の車には採用されていませんでした。普及し始めたのは1950年代からです。車の製造技術の進化と、モノコックボディの大きなメリットが注目されたため、現在の車に多く採用されています。

モノコックの意味は「ひとつの殻」

モノコックとはフランス語とギリシャ語を組み合わせた言葉となっています。「mono(モノ)」という言葉はギリシャ語で「ひとつ、もしくは1」という意味を持ち、「coque(コック)」はフランス語で「殻」という意味を持ちます。

つまりモノコックの意味は「ひとつの殻」という意味であると解釈できます。

直訳なので、本当に「ひとつの殻」という意味を持たせて名称を決めたかどうかは分かりませんが、モノコックボディを見てみると、殻のように周りを形作り、部品点数もひとつで完結していることから「ひとつの殻」という意味はあたっているかもしれません。

モノコックボディ(構造)のメリットとデメリット

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メリット

軽い、パーツが少ない

モノコックボディはアルミでできていることが多く、鉄に比べとても軽いという特徴があります。さらにフレーム形状と違い、棒状の素材がない点も軽量化できる大きな要因だといえるでしょう。

そして車を製造するうえで大まかなボディが出来上がっているため、合計の部品点数を大きく減らすことができます。

剛性が高い

「アルミ製で軽量なら剛性は低いのでは?」と疑問に思う方もいることでしょう。モノコックボディだから剛性が極端に低いということはなく、このボディ形状でも強度を保てるよう剛性面でもしっかりと設計されています。

イメージしづらい方もいると思うので、段ボールを想像してみてください。段ボールの素材は紙ですよね。紙単体ならとても強度が低く、中に物を入れて運ぶことすらできません。しかし形を工夫することで、単体では強度の低い紙でも高い強度を実現しているのです。

モノコックボディでも同じことが言えます。まっすぐなだけのアルミ板であれば、車の骨組みにはならないでしょう。しかし、折り曲げたり蛇腹状にすることで、強度を大きく上げることに成功しています。

そのため、モノコックボディを採用している車は、高い剛性を保ったまま軽量化することができているのです。

デメリット

腐食などによる強度の低下が著しく、修理も大変

モノコックボディは錆などの腐食に弱いというデメリットがあります。もともとの素材の強度が低いので当然、一部の強度が極端に下がってしまうと全体の強度も下がります。

フレーム形状の場合、溶接などで比較的簡単に補強することが可能ですが、モノコックボディは形状の複雑さから修理が大掛かりになりがちです。

一部を破損してしまうと、隣接する他の箇所のボディ修理も行なわなければなりません。

製造コストがかかる

軽量で剛性が高い反面、フレームよりも複雑な形状を採用していることから、製造コストがかかってしまうのです。製造コストがかかるということは、車体価格に大きく影響します。

事故の際は車を潰して人を守れるような設計

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あるメーカーで車を製造している方から聞いた話を、余談としてお伝えします。

現在の車は安全面の観点から、事故を起こした際、できるだけぶつかった人へのダメージを減らすように作られています。つまり車を潰すことを念頭に作られているということです。

難しい話になりますが、もし車と人がぶつかった際、簡単に車を潰すことで人を守るという目的もあるようです。

フレーム形状はモノコックボディよりも強度は高いです。しかし潰れないほど頑丈な強度を持つため、人とぶつかってしまった際、人へのダメージが大きくなります。

しかしモノコックボディであれば、よくぶつかる面をすぐにつぶせる形状にすることで、ぶつかった相手を守るような作りにすることができます。

このように形状の応用が利く点もモノコックボディの大きなメリットだといえます。

モノコックボディとラダーフレームの違いは?

トヨタ ランドクルーザー200

先ほどからフレーム形状などとお伝えしていますが、そもそも車の骨組みは「フレームボディ」「フレームレスボディ」の2種類に分けることができます。

モノコックボディはフレームを採用していないボディ形状ということで、フレームレスボディに該当します。

逆に、ランドクルーザーなどに使用されているラダーフレームはフレームボディです。 昔の車はフレームボディが基本でした。しかし技術の進化などによって、フレームレスボディのモノコックが普及していきました。

ラダーフレームの方が強度が高い

ラダーフレーム

ラダーフレームとモノコックボディの違いはフレームの有無です。フレームを採用しているラダーフレームの方が強度が高く、オフロード車に多く採用されています。ランドクルーザーは、ラダーフレームを採用している車の代表格ともいえるでしょう。

ランドクルーザーはオフロードを走ることをベースに作られたSUVであり、未だにラダーフレームを採用しています。衝撃性や荷重性が高いので、もし岩などにぶつけても簡単につぶれることはありません。

モノコックボディは軽くて燃費がいい

モノコックボディ モノコック構造

モノコックボディは、現在主流で走っている車のほとんどに採用されています。軽さは燃費の良さに大きく影響しています。

先ほどお伝えした通り、通常の運転では問題ないほどの剛性を持っているため、街乗りなどでは気にする必要はないでしょう。

しかし舗装されていないような過酷な道をたくさん走りたいのであれば、ラダーフレームを採用している車をオススメします。

モノコックボディを採用している車種は?

モノコックボディを採用している車は数えきれないほどたくさんあります。現在の人気車種である「ヤリス」や「フィット」も当然モノコックボディを採用しています。

日本初のモノコック構造車 富士重工業 スバル360

日本で初めて量産車としてモノコック構造を採用したのは、1958年に発売された富士重工業の「スバル360」です。

丸っこくて可愛らしい見た目は、フォルクスワーゲン・タイプ1(ビートル)の影響を強く受けており、愛称である「てんとう虫」もビートルに倣って付けられています。

戦後を代表する大衆車のスバル360は、「新・三種の神器」および「3C」の一つとして、社会の教科書には必ずと言っていいほど掲載されているので、車に詳しくない人でもどこかで見たことがあるはずです。

日本の戦後史を語る上で非常に重要な存在であり、2016年の7月25日には、日本機械学会によって「機械遺産」にも認定されました。

柔らかい曲線を描くスバル360のモノコックボディには、戦後の復興期を生き抜いた技術者たちの熱い想いが込められているのです。

商用車にも採用されているモノコックボディ

商用車の代表ともいえる「ハイエース」もモノコックボディです。ハイエースは商用車で初めてモノコックボディを採用した歴史ある車です。

荷物を多く積む可能性の高い商用車では、一般家庭に使用される車よりも高い剛性が求められます。ハイエースには、フレーム形状が一般的だった時代のなかで、最も早くモノコックボディを採用したという歴史がある車なのです。

バスにも採用されているモノコックボディ

現在のバスの骨組みは、モノコックボディとスケルトンボディのいずれかが採用されています。

大型車は乗用車に比べ、各パーツが大きく車両重量も重くなるためよりボディの剛性が求められる車です。つまり、バスなどの大型車にも採用されているモノコックボディの剛性はとても信用性が高く、今後さらに進化していくと予想できるのではないでしょうか。

対するスケルトンボディは、フレームで作られた形状です。乗用車のフレーム形状とはまた違い、鳥かごのような形だと例えられることが多いです。

鳥かごは細い竹や木を縦や横に並べ、組み立てることで形作っていますが、スケルトンボディも同じようにバスの形を銅管で骨組みし、壁や窓を貼り付けています。

そのため、窓やドアを大きく設計でき、解放感のあるバスを作ることができます。

フレーム形状を採用している車は少なくなった

スズキ ジムニー
スズキ ジムニー

フレーム形状を採用している車は少なく、現在の新車でフレーム形状を採用しているのであればメーカーも大きく宣伝することでしょう。

フレームを採用している車はオフロードを走るなど、一般の車よりも高い剛性を持たせるという目的があります。どのように車を使用するかによってボディ形状を選んでみてはどうでしょうか。

モノコックボディの修理はどうやるの?

モノコックボディの修理は基本的には板金で行います。なかにはボディ専門で修理する業者もいますが、基本的には板金にお願いすることが多いでしょう。

ボディの修理はとても複雑で専門の知識や工具がなければできません。そのため、整備工場などでは修理を外部の業者に委託する場合がほとんどです。

モノコックボディはフレーム形状と違い、潰れた部分を切って貼り付けるという簡単な修理ではなく、へこんだ部分を引っ張り出しさらに違和感がないように形を作り直さなければなりません。そして剛性が低ければさらにアルミ板などを継ぎ足し、剛性を上げます。

このような複雑で技術力のいる修理となるため、ボディ修理にはある程度まとまった費用が必要になるのです。

モノコックボディを改造したら、構造変更手続きが必要かも

モノコックボディを改造する人はほとんどいませんが、なかには剛性を上げたいからとフレームを継ぎ足したり、乗用車に荷台を作ったりする方も稀にいます。そのような改造は可能ですが、改造後に構造変更手続きが必要になる場合もあることを覚えておきましょう。

構造変更手続きはどのような改造をしたかによって違います。

車両重量が大幅に増えるような改造の場合、登録されている車両重量と異なってしまいます。また、重量の上限を超えると、登録と同時にナンバーも変えなければなりません。

シートを外して改造した場合は乗車定員が変わるので、同様に構造変更手続きが必要となってきます。

また、ボディを切り取った場合、当然、剛性が下がるので注意しましょう。

乗用車に合った強度と安全性のモノコックボディ

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モノコックボディとは単体で車の形状を形作ることができるボディ形状です。ラダーフレームとの違いは、フレームの有無と強度であり、フレームを採用しているラダーフレームの方が強度は高くなります。

しかしモノコックボディのメリットは、パーツの少なさと軽量化できるという点です。

現在の車は、いかに燃費がよいかという点を重視して作られています。そう考えるとラダーフレームよりもモノコックボディの方が燃費性能を高めることができることは、現在、主流になっている大きな理由のひとつではないでしょうか。

バスなどにも採用されているモノコックボディですが、その応用性は高く、スペースが欲しい場所を広く取り、形状を変えることで一部分だけ強度を高く保つこともできます。

車の研究は日々続いています。そして車の進化に伴って、モノコックボディも今後さらに進化していくのではないでしょうか。

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