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キャデラック XT6 試乗レポート|アメ車SUVのイメージを変えるクルマ

撮影・文:MOBY編集部 宇野 智

続けてご覧いただいている読者の方々には繰り返しになりますが、XT6の試乗を行ったのは新型コロナウィルス感染拡大の直前。社内検討の結果、記事公開を見合わせ、このタイミングでの公開となりました。

キャデラック XT6 ナイトクルーズ エディション 
海に沈む夕日を背景に撮影。遠景に富士山。
画像右手に見える山陰は富士山。

あまりクルマに詳しくない方々が「キャデラック」と訊くと『高級で派手なクルマ』と思われることが多いようです。確かに間違いではありませんが、それは某男性人気ダンスグループの御用達の車となっていたり、米国のラッパーが乗っているイメージだったりするところによるかと思います。(それは後述する“エスカレード”が与える印象からでしょう)

まずは、XT6のデザインからご覧ください。

最小限度の派手さ。冠婚葬祭使えるオールマイティーな上品さ。

キャデラック XT6 ナイトクルーズ エディション
フロントとボディサイド。湖を背景に撮影。
キャデラック XT6 ナイトクルーズ エディション
リアとボディサイド。湖を背景に撮影。

いかがですか?“最小限度の派手さ。冠婚葬祭使えるオールマイティーな上品さ”があると思いませんか?

↓こちらが、キャデラック エスカレード。2019年2月のモデルチェンジ前のモデルです。お目にかかったことのある方は、大きなボディと押し出しの強さを感じられたかと。

キャデラック エスカレード 2019年モデル
フロント
2019年2月に開催されたメディア向け「JAIA輸入車試乗会」にて撮影。
キャデラック エスカレード 2019年モデル
リアとボディサイド
当日は雨。狭い場所では撮影に苦労するボディサイズ。十分な距離を取って撮影したいがあいにく……
2020年にフルモデルチェンジした新型キャデラック エスカレード
2020年2月に米国で発表された新型エスカレード。日本導入は追って発表されるとのこと。現行モデルより派手さは抑えられたものの、伝統とも言える押し出しの強さはそのまま。(画像はGMジャパン)

キャデラック エスカレード(フルモデルチェンジ前)のボディサイズは全長5,195mm、全幅2,065mm、全高1,910mm。車体が大きいアメ車の中でも最大級のボディサイズとなりますから、日本の道路事情ではなおさらの大きさ。さらに、大きいグリルはメッキ仕上げで押し出しも十分。

それに比べて、XT6は控えめ。ひと目で高級車とわかる風格あるデザインですが、オラオラ感は控えめ。まぁ、エスカレードは別格の扱いとするのがよろしいかとは思いますが。

XT6のボディサイズは、全長5,060mm、全幅1,960mm、全高1,775mm。エスカレードよりはひと回り小さいですが、堂々たる大きさです。

どんな風景にも、どんなシーンにも合いそうなXT6

自然の中で撮影しても、夜の街で撮影しても、きちんと様になったXT6。冠婚葬祭、オールマイティーにこなすXT6。

まぁ、アメリカ映画でちょくちょく見かけるお葬式のシーンでは、エスカレードの車列が登場しがちなのですが……文化の違いということで。

キャデラック XT6 ナイトクルーズ エディション
未明の都心で撮影

個人的にXT6の撮影シーンにぴったりと合うと思ったのが、未明の都心。

キャデラック XT6 ナイトクルーズ エディション
未明の都心で撮影

おおらかな乗り味。卓越した静粛性。

車重は余裕の2トン超え、カタログスペックでは2,110kgとなっています。

「クルマは軽いほうが良い」のは間違いではありませんが、重厚で落ち着いた乗り心地は重たいクルマでしかなし得ません。船に例えるなら、小さなボートと大型クルーザー。ゆったりとした乗り心地を感じるのは、大きく重たい乗り物です。大型観光バスと軽自動車。極論な例えではありますが、慣性の法則やら自然界の力の法則で言えば、重たいクルマは乗り味がゆったりとおおらかになるものです

ATは9速と多段化。100km/h巡航でのエンジン回転数は1,500rpm程度になり、車内に入るノイズは最小限度。車室内の静粛性は卓越しています。この点はキャデラックの伝統の持ち味。

キャデラック XT6 ナイトクルーズ エディション
リアサスペンション

かといって、XT6はゆらゆら揺れるようなクルマではありません。きちんと締めるところは締められている印象です。無駄な揺れ、過剰にソフトな乗り心地の印象はありませんでした。

XT6は電子制御サスペンションが採用されていて、スポーツモードが設定できますが、そこまでスポーツ感はなく、コンフォート(快適性)重視したセッティングでした。

効率のよいV6 3.6Lエンジン、9速AT、安心のAWD。

エンジンはセダンのCT6にも搭載される、V型6気筒3.6Lエンジンで最高出力は314ps、最大トルクは368N・m。ちょっと昔までのアメ車の排気量はだいたい5Lを超えてしまうもの。最近のアメ車はかなり高効率、エコになってきました。

アメ車は大排気量V8でなきゃ、という方も多いでしょうが、今どきのキャデラックにはそれは不要なのでしょう。

重たい車重でも、走行性能は十分なエンジンでした。

キャデラック XT6 ナイトクルーズ エディション
エンジンルーム

駆動方式はAWD(四輪駆動)がベースですが、2WD走行モードが選択できます。日本の道路なら、基本2WD走行、積雪など滑りやすい路面で4WDの選択で十分でしょう。試乗した時期は雪がありませんでしたが、大型SUVで四輪駆動は頼もしいものです。

地球環境に優しくなったキャデラック

このクラスのクルマを買う方で燃費を気にする方は多くはないでしょうが、筆者の試乗時の燃費は、都心部の渋滞と信号が多い走行で5〜6km/L、一般的な市街地走行で6〜7km/L、信号の少ない郊外および渋滞にはまった高速道路で7〜9km/L、高速道路で10〜12km/Lといったところでした。図体の大きいSUVにしては優秀。

付いてない機能を探す方が大変な室内。そして広い。

インテリアについては次のページで画像中心でお伝えしますが、ハイライトをここでお伝えします。

ナイトクルーズ

キャデラック XT6 ナイトクルーズ エディション
ナイトクルーズ画面

試乗車は「ナイトクルーズ エディション」。夜間走行時、暗視スコープのような機能がついていました。上の画像では見辛いですが、前方にいる人を検知して警告表示しています。

運転中にこのメータークラスターに注視し続けるわけにはいきませんが、安心感はしっかりと感じます。何より、“暗視スコープ”のミリタリー感が、かつて少年のオジサンの心をくすぐります。

※ナイトクルーズは限定30台の「ナイトクルーズ エディション」に装備。

ほぼほぼ電動。

キャデラック XT6 ナイトクルーズ エディション
シート電動格納操作ボタン

2列目、3列シートの格納も電動。キャデラックのおもてなしが随所に感じられます。

3列目シートは少し窮屈だが全体的に広い

キャデラック XT6 ナイトクルーズ エディション
3列目シート

大きいボディですので室内空間の広さはあって然るべきではありますが、キャデラック XT6 は3列目シートもきちんと考えて設計しています。

身長180cmの筆者が3列目シートに座ると少し窮屈ではありますが、1〜2時間くらいのドライブだったら問題ないような印象。座面の高さは十分とはいえませんが、3列目にしては大きいシートのおかげでなんとかなっています。小柄な方なら十分でしょう。

2列目シートの快適さは文句なし。

ライバルと比較するとお得感あり

左上から時計回りに、レクサス LX、メルセデス・ベンツ GLE、アウディ Q8、BMW X5。
左上から時計回りに、レクサス LX、メルセデス・ベンツ GLE、アウディ Q8、BMW X5。

キャデラック XT6 と同じくらいの大きさでライバルとなるフルサイズ高級SUVは上の画像の4モデルとなるでしょう。

価格を比較してみました。参考に全長もつけてみました。

モデル名税込価格全長
XT6870〜910万円5,060mm
LX1,135万円5,080mm
GLE940〜1,153万円4,930mm
X5938〜1,361万円4,935mm
Q81,010〜1,122万円4,995mm

今回試乗したXT6は、限定30台の「ナイトクルーズ エディション」で車両価格は910万円。標準グレードは「プラチナム」のみのモノグレード構成、価格は870万円となっています。

GMの戦略的な価格設定が垣間見れます。フルサイズ高級SUVのマーケットにXT6は堂々と参入してきています。XT6はマーケットに媚びず、しっかりとキャデラックの個性を主張している感じがします。

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この記事の執筆者
MOBY編集部 宇野 智

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