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【BMW イセッタ】欧州の路地うらを縦横無尽の可愛い2.5人乗り

イセッタがデビューした頃のBMWの状況とは

BMW イセッタ 300 ジャパン・クラシック・オートモービル2019
コロッとした卵型で可愛いBMW イセッタ。

BMWの誕生は1916年。ドイツ・バイエルンに航空機のエンジンメーカーとして設立されたのがはじまりです。時代はヨーロッパ中を巻き込んだ第一次世界大戦の真っただ中。BMWは航空機の軍需生産を背景として躍進をとげます。しかし、ドイツの大戦敗北により航空機の製造は禁止となり、他に活路を見出すべく1923年には初の2輪車「R32」を、1928年には初の自動車「BMW 3/15PS(通称DIXY)」をライセンス生産します。

30年代にはBMW303・326・328を生産しレースでも勝利を得ますが、1940年に入ると再び第二次世界大戦が勃発。またもや生産中止の波にさらされます。1950年代にはいりBMWは自動車製造を再開しますが、戦前路線であった大型モデルを生産するも販売は振るわず、経営は危機的状況となっていました。

そんななか、戦禍の傷跡が大きく残るヨーロッパにおいて、手軽で安価な誰でも手に入れやすい通称バブルカー(1~2人乗りの超小型車)がヒットとなります。BMWもそこに活路を見出すべく経営販売路線の舵を大きくきることとなります。そして登場したのが「イセッタ」です。まさにイセッタは当時のBMWの危機を救ったモデルと言えるでしょう。

イセッタは実はBMWのオリジナルではない!?

BMW イセッタ 300 ジャパン・クラシック・オートモービル2019
フロント正面から乗降りする斬新さ!
BMW イセッタ 300 ジャパン・クラシック・オートモービル2019
サイドウィンドウはスライド式に開閉する。

BMWの危機をかろうじて救ったイセッタでしたが、実はこのモデルはBMWのオリジナルモデルではなく、もともとはイタリアのカーメーカー・イソが生産したものです。イソはイセッタをドイツ、フランス、ベルギー、スペイン、ブラジルなどのカーメーカーにライセンス生産を許可。ドイツでのライセンス生産はBMWが行うこととなったのです。(*ライセンス生産とは、他社製品を契約料を支払いその仕様に沿って製品を生産・販売すること)

イセッタは1955年に販売を開始。BMWの2輪車R-25のエンジンを搭載し、「BMW イセッタ 250」としてデビュー。おりしも、ヨーロッパでは戦禍の影響もあり安価で手軽な超小型車通称バブルカーが大人気となっており、大人2人と子供1人が乗車可能なイセッタはヒットとなります。

その後、1955年12月には排気量をアップした「イセッタ 300」とし、1957年には4人乗りとなった「イセッタ 600」へとバージョンアップ。この頃には完全にBMW仕様となったイセッタを逆にBMWのライセンス生産のかたちでイギリスにも導入。このモデルは税率軽減のため3輪となっています。BMW イセッタの販売台数は約16万台となり、1959年に販売終了となりました。

BMW イセッタ 300 ジャパン・クラシック・オートモービル2019
イセッタ3輪タイプはイギリス向けに生産されたモデルだ。

小さなイソを意味する「イセッタ」。大人2人と子供1人の乗車が可能で、ヨーロッパの路地裏をその小さな愛くるしいボディで縦横無尽に走る姿が目に浮かぶようです。

イセッタのドアはフロント正面開き!その特徴とスペック

BMW イセッタ 300 ジャパン・クラシック・オートモービル2019
ドア開閉時にはハンドル・計器類もドアにくっついてくる!
BMW イセッタ 300 ジャパン・クラシック・オートモービル2019
狭い路地裏でも縦横無尽に走っていけそうなイセッタ。

BMW イセッタの仕様でまず驚くのはボディサイズの小ささ。全長は2,285mmで、ほぼ同時期で小さいとされるローバー・ミニの全長は3,075mmとなり、イセッタがどれほど小さいかがわかります。ボディの形状は、まるっとした卵型にドアは車体前面を開閉し、開けた際にはハンドル・計器類がドアにくっつく形となる点が非常にユニークです。

エンジンは、発売当初のイセッタ 250がR25用オートバイエンジンをベースとする「256cc 単気筒OHVエンジン」、300が排気量をアップし「298cc 単気筒OHVエンジン」、600がR67用オートバイエンジンをベースとする「582cc 水平対向2気筒エンジン(通称フラットツイン)」が搭載されました。

ボディのバリエーションには通常の4輪クーペのほか4輪カブリオレ、イギリス向けとなる3輪クーペなどがラインナップ。4輪クーペでは初期モデルをサイドウィンドウが三角窓のみの開閉となる「スタンダード」、後期モデルをウィンドウがスライド式開閉となる「エクスポート」として区別しています。

イセッタ唯一無二の存在で価格は高め

BMW イセッタ 300 ジャパン・クラシック・オートモービル2019
このサイズで大人2人に子供1人乗車を可能にするところがGood!
BMW イセッタ 300 ジャパン・クラシック・オートモービル2019
ジャパン・クラシック・オートモービル2019で走行するBMW イセッタ。

他に替わるモデルがない唯一無二のBMW イセッタ。ルックスも小さくて可愛く、どの時代でも手に入れたいと感じる根強い人気をもつモデルのため、相場価格は300万から500万円ほどとなるでしょう。250は300に比べ相対的に価格は低くなる傾向にあるようです。(*2019年5月時点)

BMW イセッタのスペック表

下記のスペック表はBMW イセッタ 300の前期型スタンダードのものとしています。

エンジン単気筒OHV
最高出力13PS/-
最大トルク
ボディサイズ全長:2,285mm
全幅:1,380mm
全高:1,340mm
ホイールベース:1,500mm
車両重量
トランスミッション4速MT
駆動方式MR
乗車定員3人(大人2人・子供1人)
新車時車両価格

撮影:宇野 智(MOBY)ジャパン・クラシック・オートモービル2019にて。

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