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高級サスペンションの代名詞オーリンズは何がすごいのか?価格や購入方法と特徴も

オーリンズとはどんな会社?

©Shutterstock.com/ Alang Zabidi

スウェーデン発祥の高級サスペンションメーカー

オーリンズは、1976年にスウェーデンにてケント・オーリン氏が創業したサスペンションメーカーです。二輪向けサスペンション(モトクロス向けサスペンション)の製作から事業をはじめました。

その後、1990年に四輪向けサスペンションの販売にも着手。現在、日本車向けサスペンションラインナップも充実しています。

オーリンズ社はその本社をスウェーデンの首都・ストックホルムに構え、世界的に有名なサーキットのニュルブルクリンクの近くにはディストリビューションセンターやテクニカルセンターを構えています。

あのニュルブルクリンクの近くにテクニカルセンターを構えているあたり、モータースポーツへの腰の入れようは本格的です。

モータースポーツにおける実績多数

二輪はもちろんのこと、四輪モータースポーツのヒエラルキーのトップに該当するF1やWRCをはじめ、世界各国のトップカテゴリーのモータースポーツシーンでオーリンズのサスペンションが活躍しています。

究極の早さを求める世界で使われている事実からも、オーリンズの凄さがうかがえます。

オーリンズの良いところ

ブランド力に裏付けされた高い性能

「高いブランド力=高コスト=高性能」を名実ともに自ら証明しているのが、オーリンズのサスペンションの良いところ・凄いところと言えるでしょう。

経験上、オーリンズの四輪向け車高調をスプリングと合わせて購入すると30万円以上の費用がかかりますが、適切にセッティング(車高・アライメント・減衰力の調整)して車を走らせれば、そのしなやかさ・粘り強さに驚かずにはいられません。

オーバーホールサービスを提供している

オーリンズ製サスペンションは全て、オーバーホールサービス(有料)の対象となっています。

つまり、長く使っているうちに構成部品が消耗して本来の性能を発揮できなくなったり、クラッシュや交通事故で破損しても、メンテナンス(余程ひどければ真分部品へ交換)することで使い続けることができるのです。

購入時・オーバーホール時には、使用用途や好みの仕様などを伝えると、それに合わせてサスペンションが組み上げられます。

これは、モータースポーツへの積極的な参加を通じて入手した莫大なデータがあるからこそ成せる技です。こういうところにも、オーリンズが高級品と言われる所以を垣間見ることができます。

【おさらい】サスペンションの役割とはたらき

©I Viewfinder /stock.adobe.com

サスペンションには独立懸架式と車軸懸架式があります。構造的に違いはあるとしても、基本的にはバネ(コイルスプリングや板バネ)とショックアブソーバーの2つで大きく構成されています。

まず、バネが路面の凹凸を拾って縮むことで衝撃を吸収します。そして縮んだゴムはそこから伸びる動きをするので、そのバネの動きをショックアブソーバーで抑えて車体を安定させるという理論です。

昨今の自動車に採用されているコイルスプリングは螺旋状に巻かれた金属バネとなっています。

つまり、①路面から伝わる衝撃(入力)を吸収すること、②その吸収したエネルギーによって起こされるバネの反動を抑えること、③ボディとタイヤを繋ぐ架け橋になること、これらを果たすことがサスペンションの役割です。

オーリンズのサスペンションの価格と購入方法

価格は30万円から

オーリンズのサスペンションキットの価格は先ほども少し触れたように30万円〜が相場です。

取り付けや調整などを業者に依頼した場合にはこの価格に工賃が追加されますので、それを考慮すると40万円〜になると予測されます。車種によって費用が大きく異なる場合もありますので、これも要見積もりです。

専門ショップ経由で購入する

オーリンズの四輪向けサスペンションを購入するには、オーリンズのサスペンションを専門に取り扱うファクトリーショップへ依頼するところから始まります。

実際にはそういったところへ直接依頼するよりも、自動車整備工場やチューニングショップ経由で依頼することが多いです(そこで車両への取り付けをすることがほとんどのため)。


初心者はここまで理解すればOK。次の見出しからは少し上級者向けのマニアックな解説です。

オーリンズの代表的なサスペンションと特徴

画像はイメージです
©evening_tao/stock.adobe.com

PCV(パラレル・コンプレッション・バルブ)

構成部品の1つであるショックアブソーバー内部にメインバルブとサブバルブが設けられたサスペンションです。従来品と比べて、減衰力特性をより滑らかにすることを可能としています。

ダイヤル式ショックアブソーバー減衰力20段調整機能も採用されているので、走行シーンに合わせて細かなセッティングができるのも魅力です。

DFV(デュアル・フロー・バルブ)

低・中速度域から高速度域に至るまで絶妙な減衰力特性を発揮する技術がDFV(デュアル・フロー・バルブ)です。ショックアブソーバー内部に、メインバルブとDFVという異なる2種類のバルブ、そして減衰力20段調整オリフィスが採用されています。

DFVタイプのサスペンションではショックアブソーバーの減衰力調整を縮み側・伸び側それぞれ独立して行うことができます。PCVタイプとの違いは、ここに大きくあります。PCV以上に繊細な減衰力セッティングをできる点は、大きな魅力と言えるでしょう。

オーリンズの競合メーカー一覧

ビルシュタイン

ドイツのサスペンションメーカーになります。青色のサスペンションカラーが目印の1つです。モータースポーツシーンでも頻繁に見かけるサスペンションメーカーの1つです。

国産車の純正サスペンションへの採用実績が多いサスペンションメーカーの1つです。グレードによりますが、例えばマツダ ロードスターやRX-8、スバル レガシィなどが採用車として挙げられます

TEIN(テイン)

純正形状のショックアブソーバーから競技車両向けサスペンション、さらには特注製作品と幅広くサスペンションを製造・販売する日本のサスペンションメーカーです。こういったサスペンションそのものだけでなく、走行シーンに合わせて車内から減衰力調整をできるEDFC ACTIVE PROのようなアイテムも揃えています。

国内メーカーというだけあって国産車向けのサスペンションラインナップが充実しているのが特長です。国内外の様々なラリー選手権を通じて培われたラリー専用ショックアブソーバーや、N-ONE OWNER’S CUP認定部品となっている専用のサーキットスペック車高調も展開しています。

KYB(ケーワイビー)

創業100年以上の歴史を誇るKYB株式会社が展開するサスペンションブランドです。同社は四輪・二輪向けのショックアブソーバーやサスペンションシステムを販売するだけでなく、車のCVT用ポンプや油圧パワーステアリングといった油圧機器、その他には産業用油圧機器(ポンプや各種ダンパーなど)なども幅広く製造・販売しています。

KYBと書いてケーワイビーと読みますが、昔から知っている人からはカヤバと呼ばれることが多いです。この呼び名は、創業者である萱場資郎(かやばしろう)の苗字に由来します。

KYBのサスペンション・ラインナップは、街乗り向けサスペンションからストリート仕様、そしてモータースポーツでの走行を念頭に本格車高調キットまで幅広く展開されています。

街乗りでも味わいたいサスペンションの魅力

©Дмитрий Ульяненко/stock.adobe.com

モータースポーツだけでなく、街乗りでも優れた乗り心地・走行性能を発揮するオーリンズのサスペンションは、運転にこだわる人やより良い快適性を求める人にぜひともおすすめしたいパーツの1つです。

初期投資で高い費用はかかりますが、オーバーホールすることで性能を元に戻しながら使い続けられるのも魅力的。人生で一度、体感してみましょう。

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サスペンションにはどんな種類がある?

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執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。

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