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HIDバルブ、なぜ減った?ヘッドライト交換方法とメリット・デメリット

HIDバルブとは、ヘッドライトに使われるライトの一種。ハロゲンやLEDよりも明るい特徴があります。

一昔前は、ハロゲンより数倍明るいHIDバルブが数多く使われていたこともありますが、LEDが普及し始めHIDバルブは年々数を減らしています。

HIDバルブとはどんなライトなのか、ハロゲンやLEDとの違い、バルブの交換方法などについてご紹介していきます。

HIDバルブとは?

一体型HIDバラスト
©shima-risu/stock.adobe.com

HIDバルブとは、車のヘッドライトに使われているライトです。「ディスチャージライト」や「キセノンライト」と呼ばれたりもします。

車のヘッドライトには、HIDバルブのほかに、ハロゲンやLEDなども使用されていますが、HIDバルブはハロゲンの次に発明されたライトです。

ハロゲンに比べ省電力にもかかわらず、とても明るいので、一時期は多くの車がHIDを採用していました。しかし、LEDが使われるようになり、HIDバルブの採用は少なくなりました。

今では、新車時に取り付けられているヘッドライトはLEDが当たり前になっています。

HIDバルブの発光の仕組み

HIDは不燃ガスを詰めたガラス管の中で電気を放電させ、光を発生させています。そのため、ハロゲンやLEDとは発光方法が違うのです。

この放電をアーク放電と呼びます。アーク放電とは、狭い管に電流が集中したとき発生する現象です。

放電といえば、雷を思い浮かべるのではないでしょうか。種類は違いますが雷も放電の一種です。そのため、HIDバルブのなかで雷が発生している、とイメージすれば分かりやすいかと思います。

HIDではわざとアーク放電をさせ、光を作り出していると覚えておきましょう。

バルブのほかに「バラスト」が必要

HIDにはバラストと呼ばれる装置がバルブとセットでついてきます。後付けのものと見た目は変わりますが、純正のHIDバルブも、バラストが設置されています。

バラストとは電圧と電気の種類を変更する装置。12Vを約2万Vに昇圧するほか、電圧を一定数に保つ役割や、直流電圧を交流電圧に変換させる機能も持ち合わせています。

これらは、HIDバルブを点灯させるために必須の役割であり、ハロゲンやLEDには必要ありません。これにより、HIDバルブでは大きな電圧が必要であり、車本体の電流とは種類の違った電流を使っていることがわかるでしょう。

HIDとハロゲン・LEDの見分け方

ライトの種類光の色点灯タイミング光の強さ
ハロゲン薄いオレンジすぐ点灯最も弱い
LED白(純白)すぐ点灯強いがHIDよりも少し弱め
HID最も明るくなるまでにラグがある最も強い

まず光の色ですが、以下の違いがあります。

  • ハロゲン→薄いオレンジ色
  • HID→白
  • LED→白(純白)

点灯タイミングに関しては、HIDだけ最大光量までのラグがでてしまい、ライトをつけた瞬間は暗いなと感じてしまうことも。

そして、ヘッドライトとして最も大切な光の強さは「ハロゲン<LED<HID」の順番になります。

詳しくはハロゲンとLEDの記事で解説しているので、そちらを読んでみてください。

明るさや光の色だけではHIDとLEDの区別は難しい

先ほど、HIDとLEDの違いに触れましたが、正直、光の色や明るさだけではHIDとLEDの区別は難しいです。確かにLEDよりHIDの方が光量が多く、数値的には明るいのですが、ぱっと見ただけで違いは分からないでしょう。

また、光にはケルビンという概念が存在しており、別名「色温度」と呼ばれたりもします。HIDはケルビン数をあげれば青に近い光を発します。

しかし、車検基準では平成18年から「ヘッドライトの色は白」という決まりがあります。そのため、HIDもLEDも白いヘッドライトしかありません。

以上のことから、明るさや光の色だけではHIDなのかLEDなのかを見分けるのは難しいのです。しかし、それ以外の特徴、例えばHIDの最大光量までの時間や、照らす範囲なども観察すれば違いはわかるでしょう。

もし、ヘッドライトをHIDにしようかLEDにしようか迷っているのであれば、色や明るさだけではなく、その他の特徴なども踏まえて選ぶことをオススメします。

HIDバルブのメリット

メリット
©tamayura39/stock.adobe.com

HIDバルブのメリットは、やはり明るさでしょう。しかし先ほど説明したように、明るさに関してはLEDでも十分明るいです。

ただ、LEDの場合、照らしている箇所は十分すぎるくらい明るいのですが、照らした範囲以外はどうしても暗くなってしまいます。

それに対し、HIDは光が分散するので、歩行者など車道から外れた障害物を確認しやすく安心です。

HIDバルブのデメリット

デメリット
©yumeyume/stock.adobe.com

HIDバルブのデメリットは、取り付けが複雑だという点です。これは、ハロゲンからHIDに変えるときのデメリットなので、もとからHIDの車であれば関係ありません。

HIDのバルブが切れ、新しいHIDバルブに交換するのであればとても簡単です。しかし、ハロゲンからHIDに変更するならバラストなどの追加部品が発生します。

その点、LEDであればバルブの部分だけ交換すればいいので楽です。

明るくなるまでが遅いという特徴も

HIDのもう一つの特徴が、明るくなるまでにラグがあるという点です。LEDやハロゲンであれば、スイッチを押せばすぐに最大光量を発します。

それに対し、HIDはスイッチを押しても、すぐには明るくならずじわーっと周囲を照らします。この特徴はトンネルで使いづらさを感じることが多いです。

短いトンネルであれば、HIDが一番明るくなる前にトンネルを出てしまい、ライトをつけても意味がないと感じてしまいます。

HIDバルブの交換方法

電球
©wellphoto/stock.adobe.com

HIDバルブの交換方法をご紹介します。(ハロゲンからHIDに交換する方法ではなく、単純にHIDのバルブ切れによるバルブ交換方法となります)

交換の作業手順

1.ヘッドライトへアクセスできるよう、邪魔なパーツを外す

車種によっては、ウォッシャータンクが邪魔だったり、エアダクトが邪魔だったりします。無理やり作業すると、ヘッドライトも周りの装置も壊してしまう可能性があるので、作業できるスペースを確保しましょう。

2.防水ふたを回しながら外す

防水ふたは、回しながら外すことができます。水が入らないようゴムが付いていたりして、少し力がいる場合もありますが、反時計回りに回せば外れます。

3.コネクターを回しながら外す

4.HIDバルブを固定しているピンを外す

はじめてバルブ交換する場合、ピンがなかなか外せず苦労すると思います。基本的に、両サイドからバルブを固定し、下側のフックに引っ掛けるようになっています。

もし分かりづらければ、小さな鏡とライトを用意し、よく見ながら作業しましょう。また、コネクターを外さずに作業してしまうという失敗もあるので、その点も注意が必要です。

5.HIDバルブを取り外す

バルブは特に固定されていないのですぐに外せます。

6.新品のHIDバルブに交換し、5分ほど空焚きを行う

新品のバルブをヘッドライトの外でコネクターに差し、空焚き(光らせておく)をさせておきましょう。バルブについた油分を取り除くためと、きちんと光るかどうかのチェックを兼ねています。

このとき、新品のバルブのガラス部分をできるだけ触らないように注意しましょう。手でベタベタ触ると、油がバルブに付着してしまいます。

7.新品のHIDバルブをヘッドライトに取り付ける

空焚きが終わったら、新しいバルブをコネクターから外し単体でヘッドライトに取り付けます。そして、ピンを戻し固定します。

8.外した手順と逆の手順で元に戻す

その他の作業は、外した手順と逆の手順で戻しておけばOKです。最後に、もう一度きちんと点灯するかのチェックをしておきましょう。

HIDバルブ交換自体は、ハロゲンやLEDとほとんど変わりません。もし、HID以外の交換をする際も、同じような手順で大丈夫です。

HIDバルブ以外を使っていたなら配線キットの取り付けが必要

HIDのバルブを交換するのではなく、ハロゲンからHIDに変更したい場合、すこし複雑な作業となります。まず、ハロゲンで使っているコネクターに、そのままHIDのバルブを取り付けることはできません。

HIDの専用キットには、HIDバルブで使うための配線やバラストが付随されているはずです。その配線をまず取り付けていきます。

基本的に、HIDの電気はバッテリーから直接取ることが多いです。ハロゲンで使っていたコネクターを利用したものもありますが、点灯不良を起こしたりしてしまうこともあるので、できればバッテリーから直接電気をもらう形にしましょう。

そして、バラストとイグナイタが別途であるものはイグナイタも接続します。ハロゲンで使っていたコネクターにも配線を接続します。

ハロゲンのコネクターは片方だけしか使わないので、使わない方のコネクターはショートしないようにしっかりと固定し、絶縁しておきましょう。

なぜハロゲンのコネクターを使うのかというと、ヘッドライトのオンオフ信号をもらうためです。あとは、HIDキットの説明書どおりに配線を取り付けていけばOKです。

バラストはブラブラしないようにしっかりと固定します。また、配線も増えるので、ベルトにあたらないか、ボンネットを閉めたとき干渉しないかなど考えて配線を固定していきます。

リレーレスタイプであれば、バッテリーに配線を接続しなくてもOK

上記で説明した方法は、リレーありのHIDです。リレーレスタイプであれば、バッテリーに配線を接続しなくても構いません。

配線の取り回しはリレーレスの方が簡単ですが、点灯が不安定になりやすかったりととデメリットもあります。それらの点を踏まえて、リレーありにするのか、リレーレスにするのかを選びましょう。

いずれにせよリレーレスでもリレーありでも、ハロゲンからHIDに変更する場合、配線も多くLEDに比べ少し難易度があがります。もし自分でするのは不安だなと思うのであれば、カーショップなどでお願いすることをオススメします。

ヘッドライトをHID化したら光軸調整もしておくべき

ヘッドライトをHID化したときは、同時に光軸調整も行なってもらいましょう。光軸調整とは、バルブを適正な向きに調整する作業です。

この作業はヘッドライトテスターと呼ばれる専門の機械が必要になってくるので、自分ではできません。

指定整備工場であれば、機械を置いています。HIDに交換するのは自分でも、光軸は検査員や整備士に調整してもらいましょう。

光軸が大幅にずれていると、本来照らさなければならない場所を照らせず夜、走行するとき危険です。加えて、光軸がずれていることで、対向車や前方の運転手がまぶしく感じることもあります。

車検にも通らなくなってしまうので、ヘッドライトをいじった後はしっかりと光軸調整まで行いましょう。

執筆者プロフィール
山北吏(つかさ)
山北吏(つかさ)
1989年生まれ。現役整備士(整備士3級)webライター。webライター歴は1年半。愛車はインプレッサ(GH8)。車に乗るなら絶対MT!実家が田舎だったこともあり山道は得意!整備士として働き始め3年目。前職は輸入業...
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