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最近あまり見かけない「HIDバルブ」なぜ減った?あえてHIDを選ぶメリットはある?
あえてHIDバルブを選ぶ人も…どうして?
その一方で、あえてHIDバルブを選ぶ人もいます。筆者の知人でHIDバルブのヘッドライトの交換に行くというので、同行させてもらいました。
HIDバルブを選択する理由として知人は「光が白すぎず自然な見え方になる」と話していました。
正直、HIDバルブとLEDを比較してみましたが、見た目の印象だけではどちらがLEDなのかわかりませんでした。しかし、2種類の光を同時に並べて比べてみると、LEDのほうがわずかに白く光っているように感じました。
もちろん製品ごとの種類によって色味は変わってくると思いますが、「車を購入してからずっと使ってきたヘッドライトの方が安心感がある」という知人の意見には納得しました。
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HIDバルブのデメリットも理解しておこう
そんなこだわりをもって愛用している人もいるHIDバルブですが、デメリットはないのでしょうか。
前出の担当者は次のように話します。
「HIDバルブのメリットは、なんといっても光量の多さ、視界の確保のしやすさではないでしょうか。かなり広範囲にわたって前方を照らし出すことが可能なので、夜間の道路上の障害物はもちろん、歩道や側道の人や物の動きもしっかりと確認できるはずです。
ある企業では、明るさという安全性を考慮して、所有している10数台の社用車はすべてHIDバルブのヘッドライトにしていると聞いたことがあります。
一方のデメリットですが、LEDよりも故障のリスクがあるということでしょうか。HIDバルブはバーナーと呼ばれる球の寿命(球切れ)があります。それに比べてLEDは球切れがありません。もちろん製品としての寿命はありますが、HIDバルブに比べれば格段に長い耐久性があります。
さらに、LEDは点灯してすぐに明るくなるのに対して、HIDバルブは明るくなるまでに1~2秒ほど時間がかかる点も認識しておく必要があります。
そのほか、HIDバルブは取付時の部品の数がLEDよりも多く、交換時の工数が増え手間がかかります。」
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ヘッドライトの交換は専門店に依頼しよう
車種によっては、もともと取り付けられていたヘッドライトからまったくことなるタイプのヘッドライトに変えようとすると、部品点数の違いや構造の違いから、かなり手間がかかる可能性があります。
また、筆者はかつて、自分でヘッドライトを交換した際、ヘッドライトの光軸がずれていて車検(ユーザー車検)に通らなかったことがあります。ヘッドライトの調整は個人ではなかなかできないこともあり注意が必要です。
ヘッドライトに不満があり交換したいときだけでなく、点灯に不具合があって交換したいときなども含めて、もともと車についていたヘッドライトと同じ種類のライトに交換することがおすすめです。
さらに、個人ではなく自動車販売店やディーラー、メーカーなどに相談することで、手間や費用が抑えられるはずです。
もしヘッドライトの交換を考えている人は、そういった点も踏まえて検討してみてはいかがでしょうか。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...