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フラワーカンパニーズ×トヨタ ハイエース:Vol.2「青春の思い出の車たち」MOBY連載インタビュー

車は人生をともに過ごす仲間。“その車”にはどんな想いが詰まっているのだろう――。全国を機材車・ハイエースで移動しながらライブ活動を行う「“日本一のライブバンド” フラワーカンパニーズ」。現在の“愛車”の走行距離は400,000km超……実に地球約10周分にも及びます。今回は、そんな皆さんの若き日の車の思い出について語っていただきました!

【Profile】フラワーカンパニーズ名古屋が生んだ“日本一のライブバンド”フラワーカンパニーズ。通称フラカン。Vocal:鈴木圭介(左)、Bass:グレートマエカワ(右)、Guitar:竹安堅一、Drums:ミスター小西の4人組。1989年に地元の同級生によって結成され、95年メジャーデビュー。“自らライブを届けに行く事”をモットーに活動、大型フェスから小さなライブハウスまで......メンバー自ら機材車に乗り込みハンドルを握り、日本全国津々浦々でライブを展開。2017年に自主レーベル「チキン・スキン・レコード」を新たに立ち上げ、ニューアルバム『ROLL ON 48』をリリース。現在でもバンドの“愛車”ハイエースを操り、精力的にライブ活動を行っている。

フラワーカンパニーズ×MOBY連載インタビュー
前回のインタビューはこちら:
Vol.1「機材車とともに歩んだ28年」

Vol.2:青春の思い出の車たち

これまでたくさんの機材車を乗り換えてこられたそうですが、鈴木さんは個人的にはどんな愛車に乗られていましたか?

鈴木:僕は「(ライフ)ステップバン」に乗ってましたね。可愛いビンテージカーなんですけど、エンジンが360ccしかない……。ビンテージカーに興味がない人は買わないような車です。高いですしね、それなりに。僕も少々無理してローン組んで買ったんで、普通の「乗るだけでいい」っていう車だったら、軽でももっと安いのが……。

マエカワ:ドラムの小西が乗ってたレックスコンビとか(笑)。

鈴木:アルトとか、カローラツーとか……。

マエカワ:カローラツーは軽じゃねーわ(笑)。

鈴木:軽じゃねーか(笑)。とまあ、そっちにいくと思うんですよね。もう完全にステップバンは見てくれで買いましたね。

本当に可愛らしい外装ですよね。女性ウケが良さそうですが、色々な方とデートされていたんですか?

鈴木:デートしてましたね(笑)。でも色々じゃない、一人ですよ! 色んな人は乗せてませんよ!(笑)

現在の軽の「バン」や「ワゴン」は、軽の規格目一杯に設計して、あとは高さを出して……と、どうしても似たようなデザインばかりになってしまっています。そういった意味でステップバンは、軽バンの先駆者的な存在だったのかなと思うのですが。

鈴木:そうですね、あの形の先がけですよね。

マエカワ:でも4人では乗れない(笑)。一応後ろに席はあるんだけど、一回4人で乗ったら、坂登らなかったんですから。

鈴木:登らなかった! 坂を登らなくて、ものすごい大渋滞に(笑)。平地をフルで踏み込んでも50キロくらいが限界で。

マエカワ:エンジンが「ヴーーーン!!!」って。

ステップバンのEA型エンジンはバイクのエンジンが元ですもんね。

鈴木:あ、そうそうそう!

マエカワ:だってなー、台風っていうかなんていうか、大風のときがあったんだけど、駐めていたステップバンが勝手に動いちゃって(笑)。他の車はもちろん動かないですよ。鈴木の車だけ。

鈴木:僕がサイドブレーキするの忘れて……。路上駐車してたんですよ。そしたら勝手に動いちゃった。道の真ん中に、勝手にヨロヨロと。それで警察が来ちゃって。僕はその時スタジオで練習してたんだと思うんですけど、家にいなくて。で、うちのオヤジが駆り出されて、台風のなか車を戻しに警察の方と……。

マエカワ:お父さん、車の免許持ってないのに……(笑)。

鈴木:しかも鍵を掛けたままだったから、他の人も運転できない。それをオヤジが押して戻してくれたっていう話を、あとあと聞きましたね。

マエカワ:それぐらい軽いですからね。一回、鈴木の車が縦列駐車に失敗して、溝に落ちたことがありまして。俺んちに電話かかってきて「どうしよう?落ちちゃったよ」って(笑)。「じゃあとりあえず行くわ」って言って現場まで行って、2人で一回持ち上げようと思ったんだけど、さすがに持ち上がらなくて……JAFの人呼んだんだっけ?

鈴木:JAFの人呼んで、3人でトライしたら持ち上がった(笑)。JAFの人が「軽いなー。軽いですねこれ!」って(笑)。

マエカワ:それぐらいで持ち上がっちゃう車だから(笑)。小さすぎて機材も載らない。

ホンダ・ステップバンの参考画像。圭介さんが惚れたのもうなずける、可愛い車です。

故障はありましたか?

鈴木:エンジンが壊れましたね。

マエカワ:焼き付いたな!

鈴木:ビンテージカーなんで、ものすごいケアをしないとダメだったんですね。オイルが悪かったのか、減りも早かった。最終的にまったく動かなくなって、ありゃ?ってなったら、エンジンが焼けちゃってましたね。

マエカワ:乗ったのは1年半くらい? そんなに長くも無いよね。でもやっぱ、かっこいい。いまだに走ってたら見ちゃいますもんね。

鈴木:当時は東京であんまり見ること無かったですけど、珍しい車なので同じ車同士ですれ違うと、クラクションを「パーン」って。全然知らない人ですよ! 全然知らない人なのに、窓を開けて合図を送り合う、みたいな。「あれなんだろうこれ?」と思いましたけど、車種愛好家の中でそういう暗黙のルールがあるんでしょうね。

マエカワ:愛知県は車好きが多いからね。

鈴木:ステップバン同士がすれ違う確率も多かったですよねー。だから、うれしい。うれしいんですよ、街で見ると。「あー!君もー!」みたいな。

マエカワ:うんうんうんうん。

珍しい車同士がすれ違うと、相手のドライバーと目が合ったりしますよね。「おー、乗ってんな!」って。車好き同士の、小粋な感じですよね。

鈴木:良い文化ですよね!

マエカワ:そうですね、良いと思います。

そのほかにステップバンで、何かトラブルはありましたか?

鈴木:トラブルというか、エアコンが無い。

マエカワ:70年代の車はね。無いよね。

鈴木:うん。なので夏はもう窓を手動で全開に。冬のヒーターはあるんですけどね。

マエカワ:ヒーターはね、エンジンの熱さがあるから。

ステップバンだと、助手席のところに後付けのクーラーがありましたね。

マエカワ:そうそう! 昔ありましたよね。時代だね。

脱水症状は大丈夫でしたか?

鈴木:いや、当時は今みたいに暑くないんですよ。今だったら夏場にクーラーがない車なんて、死んじゃいますよね。

マエカワ:乗らないね。

鈴木:うん。今だったらもう乗らないと思うんですけど、当時はまだ窓全開で頑張れた。

マエカワ:走っとれば風が多少来るから、それだけで。

鈴木:我慢できるレベルでしたね。

エアコンも一家に一台、という時代でしたね。付けるか付けないか、家族会議があったりして。

鈴木:いやー、そうですそうです。うちなんて一台も無かったですよ。

マエカワ:無かった無かった。車も無かったんだよな、うちらはな。お父さん2人とも車乗ってなかったから。俺らは大学入った18歳で免許取ったけど。

鈴木:それで、家族で初の車を買ったんだよね。

免許を取ろうと思ったきっかけは?

マエカワ:まあ、あの頃はやっぱりみんなね、18歳になったら車の免許取るっていうのが常識だったから。

鈴木:特に名古屋は車社会なので。電車も地下鉄も、東京みたいに発達してなかったし。全然車に興味がなくても、とりあえず免許は取るっていうのが普通だった。

マエカワ:そうだね、普通だったね。

鈴木:逆に、持ってないと「免許無いんだ!」っていう感じですよ。当たり前のように、みんな取ってましたね。

マエカワさんも個人で何か乗られてたんですか?

マエカワ:僕は80年頃に出て大ヒットした、ホンダ「シティ」が最初でしたね。『マッドネス』っていう、イギリスのバンドがCMしてたやつ。

鈴木:「♪ ホンダ ホンダ ホンダ ホンダ」って、スカパラみたいな。

マエカワ:そうそうそう。すっごいヒットしたんですけど、俺が買ったのは10年後ぐらいだったんで88年とか89年とか。やっぱ値段が安いじゃないですか。形も可愛いから好きでしたね。

マエカワさんもやっぱり愛車はデート用でしたか?

マエカワ:デートにも使ったし、バンドのメンバーとかその周りの人間をよく乗せましたね。

鈴木:めっちゃくちゃ乗りましたね。一番実用車として乗った。

マエカワ:みんなで海行ったり、ハッチバックのところに機材を入れたり。

ホンダ・シティの参考画像。これに機材を載せて走っていたとは……驚きです!

機材を載せていたというと、フラワーカンパニーズとしての最初の機材車は、実はシティだったんですか?

マエカワ:バンド始めて1年くらいの時に「俺らも機材車ほしいよね?」って話になったんですよ。当時、俺はシティ、鈴木はステップバン、ギターの竹安は古いセリカXXと、各々自分の車に乗ってたんですが、機材車だと主に積むのはドラムセットだから、「機材車を買うならドラムの小西じゃないか?」って、みんなで小西に買わせるように押し付けたんだよね(笑)。そのとき小西はレックスコンビっていうスバルの軽に乗ってたんだけど、「ドラム積むんだから、バン買えよ!」って……(笑)。

鈴木:いま考えたら、ものすごい不条理な話(笑)。

マエカワ:で、買わせたのがマツダのボンゴ。それが最初の機材車。確か2列シートのバンタイプで色は白。

鈴木:僕らが一銭も払ってない、最初のフラカン号(笑)。

初代機材車・マツダのボンゴと。左からDrs. ミスター小西、Vo. 鈴木圭介、Gu. 竹安堅一、Bs. グレートマエカワ(敬称略。呼称は現在のもの。)

みなさん、さまざまな車に乗られてきたんですね。

マエカワ:竹安のセリカは、名古屋の水害で水没したな(笑)。電気系統全部やられちゃって。

鈴木:動かなくなりましたね。水が引いても泥みたいなのが残っちゃって、臭いがもう酷い。まだ名古屋にいた時の、秋だったかなあ。

マエカワ:それで俺のシティを竹安に譲って、俺がジェミニにしたんだよね。『街の遊撃手』になる前の型。

鈴木:しかも色があれだったんだよね。

マエカワ:墨黒……(笑)。つや消しの黒みたいな。「なんでこれ買ったんだ?」ってみんなに散々言われた(笑)。

ディーゼルエンジンのジェミニですか?

マエカワ:ディーゼルターボだったかな? ターボじゃなかったかもな? ディーゼルだと、燃費がいいから維持費が安いじゃないですか。といっても、状態が悪いから燃費も良くないんだけど……。おまけに大雨降るとアクセルのところに水が上がってくる。でもあの当時のいすゞは、ジェミニとピアッツァが良かったね!

鈴木:クーペ! 117クーペですよ!

マエカワ:それも! いすゞは最高なんです。それにしても、俺が一番買い換えてたね。やっぱり車好きでした。安くてバカバカしい車、っていうのがおもしろかった。だけど結局、俺も機材車に行き着いたもんね。最初のハイエースとの出会い。2台目フラカン号……。

初代ハイエースの登場ですね!

マエカワ:そうですね、機材車2台目でハイエースの登場ですよ。高校時代からの俺と竹安の友達がバイクのレースをやってたんですよ。三重県の鈴鹿サーキットに通ってて、レース用のバイクを積んでいたハイエースを譲ってもらいました。

鈴木:当時は8耐とか流行ってたもんね。で、ハイエースをもらったからボンゴは他のバンドマンに譲ったけど、問題が起きちゃったんだよね?

マエカワ:そうだ!

鈴木:ボンゴを譲ったバンドマンが事故起こして、それの請求がなぜか小西のところにきちゃって(笑)。

マエカワ:名義変更がうまくできてなかったんだ。

鈴木:小西が「おいなんだこれ!」って。

マエカワ:小西、怒っちゃって。これはいかんって。ま、もちろん事なきを得たんだけども。ふだん温厚な小西がむちゃくちゃ怒っとったなぁ。

鈴木:「ぜってーぶん殴る」とか言って(笑)。

マエカワ:怖かったもんね。


全員が48歳になる年を迎えた現在でも、1台のハイエースで全国をまわっている皆さん。若い頃のエピソードを伺っていると、今日まで強い結束を維持して活動されてきたこともうなずけました。たくさんの思い出を作りながら、バンドとしての実力を着実に身に着けてこられた20代……。そしてその傍らには、素敵なカーライフがあったようです。

次回9月19日(火)公開のスペシャルインタビュー第3弾では、第一期メジャー時代のお話や、その後のご自分たちでライブ活動をされるようになった頃の裏話などを伺います!

フラワーカンパニーズ ニューアルバム情報!

◎フラワーカンパニーズ ニューアルバム『ROLL ON 48』絶賛発売中!
あがいてももがいても更なる未来へ転がり続け、希望を繋ぎ続けるフラカンの世界観を余すことなく詰め込んだ最強のバンド・アルバム!話題の新曲「ハイエース」他全11曲収録。

*アルバム特設サイトはこちら
http://flowercompanyz.com/rollon48/

参考価格: ¥ 3,000
(2017年09月19日現在)

フラワーカンパニーズ公式サイトはこちら!フラワーカンパニーズ Official Site

取材:朽木一輝、田神洋子、宇野智
撮影:市川晶
文:朽木一輝、田神洋子

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