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そんなに早く交換が必要?冬用タイヤ「残り溝1.6mm以下で交換」は遅いって本当?
公道を走るクルマが装着しているタイヤに必ず刻まれている溝。「タイヤの溝が無いのでタイヤ交換をオススメします!雨の日は気をつけてください!」とガソリンスタンドで声をかけられた人もいるのではないでしょうか?
このタイヤの溝は排水のために刻まれているのですが、冬季シーズンには欠かせないスタッドレスタイヤでは、さらに重要な役割を果たしています。
タイヤの溝の役割とは?
タイヤと路面の間の水を除去するため
まずは、代表的な理由と言える排水機能について解説しましょう。路面に水が張った状態では、タイヤと路面の間に水の膜ができてしまい、タイヤが浮いてしまうことがあります。
タイヤは走る、曲がる、止まるといったクルマから入力されるすべて力を路面に伝えていますので、水でタイヤが浮いてしまうとクルマのコントロールが効かなくなり、大変危険です。
これを防ぐためには、タイヤと路面の間の水を除去する必要があります。タイヤに溝があれば、そこから排水され、路面との間に水の膜ができにくくなるというわけです。
タイヤの駆動力・制動力を確保する
タイヤは、溝が刻まれている向きの垂直方向に力を伝えます。これは、溝の角でエッジを効かせ、溝が刻まれた垂直方向に力を伝えることができるからです。
縦方向に刻まれた溝はクルマが曲がる時に、横方向に刻まれた溝はクルマが進んだり(駆動力)止まったり(制動力)する時に力を伝えます。
乾いた路面はもちろん、雪道や悪路において、このメカニズムは大きな効果を発揮します。溝が刻まれていない部分が溝へ倒れこむことによって、溝の角でエッジを効かせ、溝が刻まれた垂直方向に力を伝えているのです。
タイヤの熱を放熱させる
タイヤは路面との摩擦や、走行による入力で内部材が変形することで熱が発生します。その発生した熱を放熱させる役割も溝が担っているのです。
タイヤ溝が少なくなると放熱性能も落ちてしまうので、タイヤに異常状態が起こりやすくなります。
- 執筆者プロフィール
- 西川 昇吾
- 1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在ではWEB・紙両方で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車種解説動画にも出演しMC業にも挑戦中。愛車はマツダ・ロードスター。定期的に愛...