買っても平気？【ヒト桁万円】の中古車…元ディーラーが明かすカラクリとは

整備なしで販売しているからこそ実現できる価格、というケースも

Tさんの話から、どうして格安車両が出てくるのかが分かりました。今回のポイントは、それらを買っても大丈夫だろうかというところです。

色々と聞いた話の中では、一桁万円の車はあくまで「スクラップするにはもったいない」「誰か欲しい人がいたら乗ってほしい」という類の車です。ただし「どのような車両状態なのかはあらかじめお店に確認した方がいい」ということも言われました。

私も自身のお店で一桁万円の中古車を何台か販売したことがあります。

車両の程度や状態云々もあるのですが、在庫としてそこに置いておくだけでも場所代という経費は掛かりますし、それがすぐに買い手がつくのか半年経っても売れないのかはわかりません。ユーズドカー情報メディアに掲載するのもコストは掛かります。つまり赤字なのです。

ただ、興味を持った人が来客し、他の車両を購入されることもあるので、やはり人目を惹きつけるインパクトとして在庫することが大きな要因でした。

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保証の問題もありました。壊れた車というわけではないのですが、整備などの手を付けずに販売しているからこそ実現できている販売価格でもあるため、もし保証を付けて欲しいと頼まれた際には、別途保証整備費用を頂戴することをお願いしていたものです。

ただしそうなってくると、支払総額は40～50万円にはなってしまうので、せっかく本体価格が抑えられてもお買い得感がなくなってしまいます。

ユーザーの気持ちとしてはお店で購入するのだからちゃんとした車だろうと考えていることが多いと思うのですが、お店の立場としては「あくまで格安車なのでノークレームノーリターンでお願いしたい」というのが本音だと思います。

先述しましたが、格安車、特に一桁万円の車は赤字が出てしまうことがほとんどです。「大丈夫！問題なし！」と太鼓判を押すのは、販売するお店ではなく、購入するユーザー側だという心構えは必要でしょう。あくまでも遊びグルマとして割り切って購入することをお薦めします。

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