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買っても平気?【ヒト桁万円】の中古車…元ディーラーが明かすカラクリとは
一桁万円車…どうしてこんなに安い?
中古車販売店の店先やユーズドカー情報メディアなどで、一桁万円という格安車を見かけることがあります。
もし「そんなに安い車なんてどこにあるの?」と言う方がいらっしゃいましたら、一度ユーズドカー情報サイトで車両本体価格を低い方からソートしてみてください。一桁万円で販売されている車両は全国を見ると結構な数が存在しており、中には数千円というびっくりどっきり価格の個体も見つけることができます。
果たして、それらの格安価格が掲示されている車は買っても大丈夫なのでしょうか?
以前中古車販売店を営んでいた私は、そのからくりと言いますか内部事情的なことも知っているのですが、念のために第三者の話も聞いておこうと考え、元中古車販売店及び中古車輸出業者に勤務されていたTさんに一桁万円で流通している車の購入に関して訊ねてみました。
ユーザーから直接仕入れた車は格安で販売できる
「10万円以下の値付けがされているユーズドカーはほぼ間違いなく、下取りや買取り、処分などとしてユーザーから直接仕入れた物だと思います。
それというのも、中古車業界での流通は業者オークション間での取引が中心となっており、そこでは出品をする場合にも落札をした場合にも、利用料として数万円単位の手数料がかかります。
さらにオークション会場へ車両を持ち込む際には陸送代も掛かります。これらの必要経費を考えると、もし業者オークションにおいて数万円で落札した車両であってもそこまでの安値で掲示することは少ないと思います。
一目で怪しい『ASK』『応談』の中古車価格…それには知られていない理由があった
国内での流通意外に海外へ輸出するケースも考えてみましょう。日本の良質な中古車は世界で求められています。ただそれにしても、どんな車両でも良いわけではなく、人気車、不人気車があります。
それに輸出される車も、業者オークションで取引されていることを考えると、輸出需要が低く値がつかない車両は出品されません。さらに付け加えますと、自動車は最後スクラップにされるのですが、処分するのにも費用が掛かります。
そのような事情を踏まえると、10万円以下の自動車というのは、ユーザーから直接仕入れたもので、まだまだ乗ることができるコンディションで、業者オークションに回しても売れる可能性が低くコストも掛かってしまう車両であるケースが多いのです」
- 執筆者プロフィール
- 小松 男
- 幼少時からクルマ、バイクをはじめ乗り物全般の運転を好み、社会人になり中古車業を営むも上手くいかず業界から離脱。その後は出版社に勤め、幅広く雑誌媒体を手掛ける。こだわりがないというこだわりを掲げる昭...