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「6か月または5,000kmじゃ遅い?」軽ターボ車の最適なオイル交換はいつ?街乗りだけの人は要注意
目次
維持費もパワーも魅力的!軽ターボ車は当たり前の存在に
日本が誇るクルマのカテゴリーと言えば、「軽自動車」です。昨今の軽自動車はますます性能が向上しており、高速道路においても普通車と同じように走れるくらいにまで進化しました。また装備も充実し、税金やランニングコストの安さを考えると、もはや軽自動車で十分というユーザーも多いのではないでしょうか。
特に、交通インフラが十分ではなく、クルマは一人一台がスタンダードな地域では、軽自動車はなくてはならない存在です。道が極めて狭い都市部でも、軽自動車は最強のシティコミューターとなります。
そんな軽自動車において、ターボ付きエンジンは当たり前になりました。かつてはパワーアップを主目的として採用されていた「ターボチャージャー」ですが、最近は小排気量のパワー不足をリカバリーしてドライブフィールを改善するだけでなく、燃費性能も両立させる、いわゆる“ダウンサイジングターボ”の考え方が主流になってきました。そして、軽自動車においても同様の考え方がとられるようになっています。
軽ターボ車において「エンジンオイル」は重要な役割を担う
実際に運転してみると、街でも高速道路でもストレスがないターボ車。でも、NAと比較すると注意が必要な部分があります。それはメンテナンス。もっとも頻繁に行うメンテと言えば、やはりオイル交換です。各メーカーのターボ車のオイル交換時期を見てみると、6か月 or 5,000km以内と推奨していることが多いようです。
短いと感じる人もいるかもしれませんが、NA車に比べるとターボ車は実は苛酷な状態で稼動しているのです。まず改めてエンジンオイルの基本的な役割について振り返ってみましょう。
エンジンオイルは『冷却』『密閉』『潤滑』『防錆』という役割を担っています。特にエンジンにとって冷却と潤滑は重要であり、ターボ車ではさらに大切になります。
ターボは、エンジンからの排気エネルギーを利用してタービンを回し、さらにその反対にあるコンプレッサーによってエンジンに強制的に空気を送り込む装置です。タービンとコンプレッサーの羽根は1本の軸で繋がっていますが、1分間に10〜20万回という高速回転のせいで軸受けが焼き付いてしまわないよう、この軸はエンジンオイルによって浮いています。
さらに稼動中のターボは約200℃という高温になるため、冷却が必要です。この冷却と潤滑を担っているのもエンジンオイル。エンジンオイルは化学合成油でも120℃ほどで分解が始まり、劣化が進みます。つまり、ターボ車はそれだけNA車よりもエンジンオイルの劣化が早いということなのです。
軽ターボ車の最適なオイル交換時期はいつ?
前述の通り、メーカー推奨のオイル交換サイクルは6か月 or 5,000kmですが、できれば季節ごと or 3,000kmが理想的と言えます。
特に街乗りが多いターボ車は、頻繁に替えることをオススメします。街中では中低速でのストップ&ゴーが多いために十分な冷却が得られず、それだけエンジンオイルに負担がかかるからです。
愛車をいいコンディションで長く乗りたいのであれば、できるだけ短いスパンでこまめにオイル交換をすることが大切です。
「できれば季節ごと…」というのは、春夏秋冬によってクルマへの負担が変わるからです。例えば、初夏は梅雨がありますが、雨が多いとエンジン内部の水分含有量が増えて、エンジンオイルは劣化しやすくなります。また高温になるため、やはりオイルにダメージがあります。
冬も同様です。極低温になるとオイル分子に影響が出てしまい、劣化したオイルを使い続けていると、シリンダーやピストンに十分な油膜を作ることができません。そのままエンジンを始動させてしまうと、各部が傷つくダメージを負うことになります。
ちなみに入れるオイルの粘度ですが、春秋は推奨粘度で、夏は若干硬め、冬は反対に若干柔らかいオイルを入れると、エンジン保護効果が高くなると思います。
オイルエレメントやエアクリーナーのチェックもしておこう
使うオイルは、できれば高性能な全合成油がベストですが、部分合成油でも交換時期が短ければさほど問題ありません。ですが、エンジンを高回転まで回す傾向にあるという場合は、やはり全合成油を使った方がメカトラブルのリスクが少なくなります。
エンジンオイルを交換する場合は、オイル交換2回につき1回、オイルエレメントも交換しておきましょう。エンジンオイルが清浄した汚れを除去し、オイルの寿命を少しでも伸ばしてくれます。何より、シリンダー内のスラッジを減らすことで、エンジンのコンディションを維持してくれます。
オイル交換をしたら、ついでにエアクリーナーの清掃をしておきましょう。ターボ車の場合は、より多くの空気を吸入する傾向があり、エアクリーナーが汚れは燃焼効率の低下に繋がります。機械は正直ですので、こまめなメンテナンスをすれば、いつも好調なコンディションを保ってくれるはずです。
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- 執筆者プロフィール
- 山崎 友貴
- 1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...