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「EVの利益を他国に渡すな」アメリカ、EVの税優遇を国産車に絞る…日産車など対象外に
北米生産のEV購入で最大約100万円の税額控除
アメリカ政府は、2023年1月1日以降に使用を開始したバッテリーEVや燃料電池車を対象にした、最大で7,500ドル(日本円:約107万円)の税額控除が受けられる制度「クリーンビークルクレジット」に新たな要件を追加し、現地時間2023年4月18日から適用しました。
2023年4月18日以降に使用を開始したバッテリーEVや燃料電池車については、重要な鉱物とバッテリー部品に関する要件のいずれか、もしくは両方を満たす場合に限って、税額控除を受けることが可能となります。
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税額控除の対象となる車両の要件は?
アメリカ政府が発表した、税額控除の対象となる2023年4月18日以降に使用を開始したバッテリーEVや燃料電池車の要件は、以下のように定められています。
・Have a battery capacity of at least 7 kilowatt hours(バッテリー容量が7kWh以上)
・Have a gross vehicle weight rating of less than 14,000 pounds – 車両総重量が14,000ポンド(約6トン)未満の車両であること
・Be made by a qualified manufacturer. – 資格のあるメーカー製の車両であること
・FCVs do not need to be made by a qualified manufacturer to be eligible. See Rev. Proc. 2022-42 for more detailed guidance. – FCV(燃料電池車)は、資格のあるメーカー製でなくても対象となる
・Undergo final assembly in North America – 北米で最終組立された車両であること
・Meet critical mineral and battery component requirements (as of April 18, 2023). – 重要な鉱物やバッテリー部品の要件を満たすこと
このうち、重要な鉱物の要件は、バッテリーに使用される重要鉱物が米国または米国の自由貿易協定締結国で抽出または加工されたもの、または北米でリサイクルされたものを含める割合が定められており、バッテリー部品の要件は、車両に搭載されるバッテリーのうち北米で製造または組み立てられたバッテリーが占める割合が定められています。
おおまかにまとめると、2023年4月18日以降は米国で生産されるバッテリーの使用比率が高い車両が税額控除の対象となります。
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対象車のリストに含まれる車両はすべてアメリカ国内メーカーのモデル
アメリカ政府が公開している「クリーンビークルクレジット」による税額控除の対象車のリストに含まれているモデルには、2023年4月17日までに使用を開始した場合では、アメリカ国内のメーカーであるキャデラック、シボレー、クライスラー、フォード、ジープ、リンカーン、テスラのほか、日本の日産や、欧州のアウディ、BMW、フォルクスワーゲン、ボルボ、韓国のジェネシスが確認できます。
しかし、2023年4月18日以降に使用を開始した場合は、リストから選択できるメーカーはキャデラック、シボレー、クライスラー、フォード、ジープ、リンカーン、テスラのみ。
国外のメーカーは、新たに適用された重要な鉱物やバッテリー部品の要件を満たせなかったものとみられ、今後各メーカーが米国で優遇される車両を製造するためには、米国での生産やバッテリー調達を活発化させる必要があります。
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- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...