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ついにフェラーリもSUVを発売!これがSUVブーム終焉の前触れか?
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2022年9月、ついにフェラーリからもSUVが登場
フェラーリがついに、SUVモデル「プロサングエ」の発表を行いました(同社はSUVと位置づけていませんが…)。
昨今、ランボルギーニやロールスロイスのSUV市場への参入が相次ぐ中で、フェラーリだけはなかなか参入に踏み切りませんでした。それだけに今回の新モデルの発表は、まさに“満を持して”といった感があります。
しかし、サーキットを走れるスポーツカーにこだわり続けてきたフェラーリがSUVを出したことにより、SUVが急速にその輝きを失うのではないかという心配も感じてしまうのです。
SUV人気はライフスタイルの変貌により下支えされたもの
今から10年ほど前、急激にSUV市場が拡大していく中で、「SUVの急成長はかつての四駆ブームのように一時的で、今後は需要が減っていくだろう」と見ていた自動車関係者が少なくありませんでした。
しかし、見通しの良さや快適性、実用性に繋がるスペースユーティリティ、そして乗降しやすいシートの高さなど、使いやすさが身上のSUVが人気カテゴリーになることは自明の理でした。
果たして、今日の市場動向は周知の通りですが、SUVを今のポジションに持ち上げたファクターのひとつはユーザーのライフスタイルの変貌です。
かつて、ドライブに行くといえば目的地は観光地や景勝地に限られ、そこに行くことが“目的”でした。しかし現在のレジャーを考えれば、ただドライブに行くだけというユーザーは少なくなり、目的地で別なアクティビティを経験するというのが余暇のスタンダードな過ごし方になっています。
SUVはアメリカで生まれ、スタートはシングルキャブのピックアップトラックにキャノピー(シェル)を付けたカスタムでした。仲間とアウトドアスポーツに出かけたい若者が、人も荷物も載せたいと考えたことから生まれたのです。
ワゴン形状のクロカン4WDは高価だったため、安価なピックアップトラックの荷台をカスタムしたわけです。
その後、キャノピーと本来のボディの境目を消したSUVが一般的になり、さらに運動性能や燃費に優れたモノコックボディの「ライトクロカン」と融合することで、今日のスタイルのSUVが一般的となりました。
それも当初は、ユーザーからクロカン4WDの派生型と受け止められていましたが、価値観を一変させたモデルがあります。
- 執筆者プロフィール
- 山崎 友貴
- 1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...