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やっておきたい排水性能チェック!こんな夏タイヤはすぐに買い換えないと危険!
タイヤは、車と路面を繋ぐ唯一の部品です。各タイヤがハガキ約1枚分の面積で、車を支え、走る・曲がる・止まるという基本動作を行っています。
滑りやすい雨の路面でも安全に走行するために、今履いているタイヤの排水性能を確認しておきましょう。
濡れた路面でも滑りにくいタイヤとは?
雨の日には、平らで靴底に溝の少ないローファー(ビジネス革靴)は滑りやすく、曲面で凹凸が多く溝が深いランニングシューズやスニーカーは比較的滑りにくく歩きやすいでしょう。
同様のことが、車のタイヤでも言えます。タイヤの溝(トレッドパターン)には、グリップ力の向上、ロードノイズの低減など様々な役割がありますが、その役割の一つに雨対策の「排水」が挙げられます。
タイヤは、多く溝が残っている方が排水性能は高く、濡れた路面の上で滑りにくくなるのです。
タイヤの残り溝が少ないと排水性能が落ちます。排水性能が落ちると、地面とタイヤの間に水の膜ができてしまい、グリップ力が低下してスリップが起きやすくなります。
排水性能の低下は、旋回性能やブレーキ性能の低下につながります。安全な走行には、タイヤの残り溝が大きく関わっていることを認識しておきましょう。
タイヤの残り溝が基準以下の場合、公道走行してはいけない
残り溝の深さが1.6㎜を下回るタイヤでは、道路運送車両法の保安基準を下回るタイヤになるので、公道を走行することはできません。そのため、タイヤには1.6mmの残り溝を知らせるスリップサインがついています。
残り溝が1.6㎜以下のタイヤで走行を続けることは、車の安全な走行を妨げるうえ、整備不良(制動装置等)に該当し、違反点数2点、普通車で反則金9,000円が課されます。
また、法規上では残り溝1.6㎜まで使えるものの、新品状態から溝が減るにしたがって、性能は落ちていきます。溝は新品状態で約8㎜ありますが、半分の4㎜以下になると、性能が急激に落ちていくので注意が必要です。
タイヤのスリップサインの見方と確認方法!溝がないと罰金も【冬・春前にチェック】
購入から5年経っているタイヤには注意
製造から長い年月が経っているタイヤにも注意が必要です。タイヤには、天然ゴムや合成ゴムが使われており、ゴムは長期間空気や日光にさらされると酸化や硬化が進んでいきます。
硬くなったタイヤは、溝がしっかり残っている状態でも排水性能が落ちています。またひび割れを引き起こしやすくなり、走行中に破損する危険性も高くなるのです。
タイヤを購入してから5年以上が経過している場合には、タイヤの硬化が進んでいる可能性があります。タイヤ側面の製造年と週を確認し、古いものは溝が残っていても交換するようにしましょう。
スタッドレスタイヤを履いている場合はさらに注意が必要
スタッドレスタイヤ(冬用タイヤ)の溝は、夏タイヤよりも深くなっています。溝が十分にあるからと、夏場でもスタッドレスタイヤで走行する車を目にすることもしばしばです。スタッドレスタイヤは雨にも強いのでしょうか。
スタッドレスタイヤに刻まれているタイヤの溝は、積雪路を走るためのものです。走行しながら雪を排出する機能は高いのですが、排水性は夏タイヤに比べて劣ります。
さらに、柔らかいゴムを使用しているスタッドレスタイヤは、夏タイヤよりも吸水性に富んでいます。雨の路面では水分を多く含んでしまい、路面とタイヤの間の水膜を作りやすくなってしまうのです。
したがって、スタッドレスタイヤは、雨量が多くなると夏タイヤよりもハイドロプレーニング現象(車が水の膜の上を滑ってしまう現象)が起こりやすくなります。
スタッドレスタイヤで雪のない道路を走行中、雨が降ってきてしまった場合は、十分気をつける必要があります。早めのブレーキングや、1割から2割のスピードダウンを心がけてください。また、通年スタッドレスタイヤを使用することは絶対に止めましょう。
タイヤの「溝」と「硬さ」は、雨対策の重要なポイントです。雨が多い地域やシーズンは、必ずタイヤのチェックを行いましょう。不安な場合はカーディーラーやタイヤショップなどのプロの目に判断を任せるのも大切です。
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- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...