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通常の自動車はタイヤに溝があるけど…新品で溝がないタイヤって何に使う?
タイヤの“溝”の役割って何?
冬季シーズンも終わり、スタッドレスタイヤからサマータイヤへ履き替えを行う人が出始める時期です。その際、サマータイヤの溝が残っているかは必ず確認しなければなりません。このタイヤの“溝”は、車を走らせるにあたり重要な役割を果たしています。
乗用車に装着されるタイヤには溝があるタイヤが使われています。また、溝の深さが1.6mm未満になると車検に合格できません。
しかし、1秒未満の世界でタイムを争うレースでは溝がないタイヤが使われています。このような溝がないタイヤは「スリックタイヤ」と呼ばれるタイヤです。
スリックタイヤは、サーキット専用タイヤとしてタイヤメーカーから販売されていたり、レーシングチームに提供されていたりしています。
溝がない「スリックタイヤ」はレース用
溝がないスリックタイヤは、舗装されたドライ路面で使われるレース用です。
スリックタイヤの特徴は、タイヤの表面に熱が加わり表面が溶けることで、最大限のグリップ力を発生させられることです。
分かりやすく言い換えるのであれば、タイヤの表面がガムテープの粘着部分のようになり、高いグリップ力を生んでいるということになります。そのため、早いスピードでコーナーを曲がることができたり、優れたブレーキ性能を発揮したりできるのです。
しかし、スリックタイヤは見てわかるとおり、排水する溝がないため、ウェット路面や雨が降り始めると、路面とタイヤの間に水膜ができるハイドロプレーニング現象が発生します。
そのため、レース中に雨が降りはじめると、ピットに入り、溝があるウェットタイヤに交換となります。
- 執筆者プロフィール
- 齊藤優太
- 1991年生まれ。自動車販売、教習所での勤務、タクシードライバーの経験を経てライターとなる。現在は自動車ライター/インストラクター(安全運転講師)などを中心にクルマに関する情報を発信している。愛車はア...