更新
「安全は高齢者だけの責任ではない?」道交法改正で高齢ドライバーが語った内容とは
2022年5月に道路交通法が改正!主な内容は3つ
昨今ニュースで取り上げられる高齢者の自動車事故。これを受け、2022年5月に道路交通法が改正されました。改正された内容は、75歳以上の免許更新手続について「運転技能検査の新設」「高齢者講習の一元化」「認知機能検査の検査方法の変更」の3つです。
1)運転技能検査の新設
対象者のうち、普通自動車対応免許の人が一定の違反行為をした場合、免許更新時などに運転技能検査の受検が義務付けられ、運転技能検査に合格しない場合は運転免許の更新はできません。ただ、原付・二輪・小型特殊・大型特殊だけの運転免許保持者及び運転技能検査に合格した人は実車指導なしの1時間講習となります。
2)高齢者講習の一元化
認知機能検査の検査結果についても、3区分から「認知症のおそれがある」「認知症のおそれがない」の2区分に変更され、今まで認知機能検査の検査結果に基づき、2つに分かれていた高齢者講習が、2時間の講習に一元化されます。
3)認知機能検査の検査方法の変更
検査方法は、3項目から時計描画が廃止され、「手がかり再生・時間の見当識」の2項目に変更。
また、改正が行われたことで、現状では新法と旧法が混在しています。運転免許の有効期限が、施行日である5月13日から起算して6ケ月を経過した11月13日よりも前なら旧法が、基準日以降であれば新法が適用されることになるのです。
法改正に伴う問題も……実際はがきが来た高齢者も困惑の声
主に高齢者に関する法整備が行われた新法ですが、内容はもちろん、自分が旧法と新法、どちらの対象であるかもわかりにくいと言わざるを得ません。実際の高齢ドライバーはスムーズに順応できているのでしょうか?
有効期限が基準日以降、つまり新法適用である対象者のYさんに話を聞いてみました。
「いきなりはがきが届き、そこで道路交通法改正のことを初めて知りました。でも、変更点と言われてもいまいちピンとこないのが正直なところ。
実際行ってみましたが、運転の実技も簡単なもので、あれで何かわかるのかとも思いますね。
結局、心の準備ができないし、正直こういう講習があることに関してはもっと啓蒙活動をしてもらわないと困りますね。」
現在は新法と旧法が混在する形で適用されている道路交通法。実際の当事者は自分にどちらの法律が適用される判断した上で、正しい免許更新手続きを踏まねばなりません。
- 執筆者プロフィール
- 小高皐月
- 1979年生まれ。会社員を経て、知人の縁で編集プロダクションに就職。子育ての経験を活かして様々な記事を担当していたが、取材をきっかけにドルオタ化。クルマを走らせながら一人でカラオケするのが大好きで、歴...