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「停止線で停まっても見えないから…」は危険かも?一時停止が“進路妨害”になってしまう、その理由
手前すぎる停止線、実は位置に明確な規定はない?
交通ルールを守る上で重要な役割を果たす一時停止の停止線。運転していると、停止線はかなり手前に設置されているように感じます。これには、どのような理由が隠されているのでしょうか。
運転中「こんな手前で一時停止していたらいつまで経っても通過できない」と、イライラしてしまうこともあるはずです。しかしながら、停止線がかなり手前にある理由を認識することで事故を減らすことに繋がります。
一般的な交差点で、一時停止を示す線は交差点より2〜3m手前に引かれており、これにはルールがあるのか、交通法規を確認します。
道路交通法では、「一時停止の定義が第四十三条」に定められていますが、停止線の位置について明確な規定は示されていません。
実際に停止線の位置を決めるのは、所轄の警察署と道路管理者です。両者は道路状況を把握した上で、停止線の位置を協議し、決定しています。
一時停止線が交差点よりかなり手前にあるのはなぜ?
では、一時停止を示す線が交差点より2m〜3m手前に引いてあるのはなぜなのでしょう。この決め手の1つに車のボディタイプが関わっています。
昨今では、車のオーバーハング(前輪より手前に出たボディ部分)が非常に短いクルマが増えていますが、3BOXセダンが主流だった一昔前には、前輪より1m以上前にエンジンルームがある形状の車も多くありました。
こういったケースでは、停止線を交差点の進入口ギリギリに引くと、車の前方が交差点内にはみ出してしまう可能性があります。そのため、交差点や横断歩道に進入する歩行者や他の車が安全に通行できるスペースを確保できるよう、余裕を持った形で一時停止の停止線が引かれ、事故予防をしているのです。
- 執筆者プロフィール
- 河野みゆき
- 1975年生まれ。経理事務の仕事を経て、23歳で家業の自動車整備販売業を継ぐ。主な業務は自動車販売、車検業務、自動車保険の取り扱いなど。自動車に関する知識を女性目線で発信したいと思い、ライターとしても活...