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「停止線で停まっても見えないから…」は危険かも?一時停止が“進路妨害”になってしまう、その理由

「停止線で停まっても見えないから…」は危険かも

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保険代理店を営む筆者が以前、相談を受けた交差点で起きた事故にまつわる話を紹介します。

Aさんは、狭い路地から県道へ左折して出るため車を走らせていました。交差点に差し掛かる手前にあった停止線で停まりましたが、左右の建物で視界が悪く、目視と設置してあったカーブミラーで何度も確認をした後、少し前に出たのです。県道に車は走ってはいなかったのですが、カーブミラーでは確認できなかった自転車が、交差点を直進してきていました。

自転車に乗っていた人は車に気が付くのが遅れ、Aさんの車の運転席側面へ衝突。結果、自転車の人は怪我を負い、Aさんの車も運転席側のドアを損傷しました。

この事故に対して、保険会社は「歩道を車でふさいでいたので自転車への進路妨害となります。0:10でAさんの過失です。」と裁定を下します。

Aさんは、「自分は一時停止で停まって確認をしてから前に出た。前に出るときも低速で細心の注意を払っていた。自転車に気付いた後にはクラクションを鳴らし、自分の存在を自転車側に合図した。だからこそ、自転車にも非があるのではないか。」と主張しています。しかし、結果としてはドライブレコーダーの映像から、Aさんの思い込み運転による事故と認定されたのです。

この時、一時停止で停まったことに間違いはありませんが、その停車位置は、明らかに自転車の進路を妨害する位置でした。結果として、左折しようと前方に出てしまったことが事故に繋がったと判断されています。

このケースでは、一時停止を行った位置が、停止線より奥(交差点側)であったことが、Aさんの過失を大きくする理由になっています。停止線の位置の意味を十分に理解していれば、Aさんの運転が変わっていたかもしれません。

一時停止した後も交差点への進入は慎重に行おう

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一時停止を行う上で最も重要なことは、なぜ交差点等の手前で一時停止としなければならないかを考えることです。一時停止は完全に停車し、交差点の歩行者や他の車に進行の優先権があり、歩行者や他の車が通過するまで待つことが、一時停止側のドライバーには求められているのです。

「一時停止をしたから次は自分が進んでも悪くない」「一時停止をしたにもかかわらず進行できなかったから進路妨害は仕方ない」などといった気持ちではなく、手前から進入するまで周囲の交通状況を注意深く確認する必要あります。

停止線が引かれた位置で止まっても、交差点内は見えないからギリギリまで行って止まればいいというのは、運転者のエゴであり、危険極まりない行為です。停止線が手前に引かれている意味を十分に熟知し、正しく交差点に進入することが、ドライバーに求められる運転スキルとなります。

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執筆者プロフィール
河野みゆき
河野みゆき
1975年生まれ。経理事務の仕事を経て、23歳で家業の自動車整備販売業を継ぐ。主な業務は自動車販売、車検業務、自動車保険の取り扱いなど。自動車に関する知識を女性目線で発信したいと思い、ライターとしても活...

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