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雨の日の運転は好きですか?梅雨時期にペーパードライバー教習が増える理由
梅雨の時期になると、全国的に雨の多い日が続きます。雨天時の運転で危険な思いをしたり、嫌な思いをしたりしたドライバーも多いのではないでしょうか。雨天時には交通事故の件数が4倍以上になるというデータもあります。
雨天時の運転が嫌な理由は「視界が悪くなるから」が最多
カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」などを運営しているナイルは、雨天時の運転が「嫌だ」と回答したのは88.7%、「嫌ではない」と回答したのは11.1%というアンケート調査の結果を公表しています。
このアンケート調査は、雨天時に運転をしたことがある男女1,654人を対象に、2020年5月20日から6月2日に行われました。
雨天時の運転が「嫌だ」と回答した人の中で、最も多かった理由は「視界が悪くなるから」と答えた人が66%、次に多かった理由は「路面が滑りやすいから」が12%となり、「車が汚れたり自分が濡れるから」が7%と続きます。
この結果からも分かるように、7割近くの人が視界の悪さを理由に挙げています。
具体的には、「視界が悪い分、飛び出し等に対する瞬間的な動作が心配になる」や「高速道路では大型車が巻き上げる水煙で前方視界が塞がれることがある」、「他の車や歩行者が見えない」といった理由が多く寄せられていたと言います。
この点について、フリーランスでペーパードライバー教習を行っている教官に話を聞きました。
雨天時の運転に慣れておくことが重要
「梅雨に差し掛かると、雨の日の運転に備えて練習したいという依頼が非常に多くなります。
具体的な理由を聞くと、やはり”視界が悪くなり、子供や自転車の飛び出しに気づくのが遅れてしまうのではないか?” “晴天時の運転よりも滑りやすくなってしまうのではないか?”といった不安の声が多い印象です。」
さらに「雨天時の車の運転でヒヤッとした経験を教えてください。」という質問で、最も多かった回答は、「雨や路面の反射、対向車のしぶき、油膜などで視界が悪くなる」 という理由が54%となり、半数を超えています。
やはり視界が悪くなることを不安に思っているドライバーが多くいることがわかります。
では具体的に、どのような点に気をつければいいのか、前述の教官は次のように話します。
「最も重要なことは、雨の日の運転に慣れておくということです。特にペーパードライバーに限って、雨の日の運転は避けて晴れた日しか運転してこなかったという人がたくさんいます。
小雨だとどれくらい視界が悪くなるのか、どしゃ降りだとどれくらい見えなくなるのか、全く見当がつかないために、雨天時の運転に恐怖を感じてしまうのです。
日頃から、短時間、短距離でいいので雨天時の運転に挑戦してみたほうがよいでしょう。
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小雨では、ワイパーを作動させればある程度の視界は確保できますが、どしゃ降りだとワイパーを一番速く作動させても前方の車の位置や標識・標示すら見にくくなります。
どのくらいの雨量であれば、不安なく運転できるのか自分の技量を把握するためにも、雨天時の運転に慣れておくようにしてください、と依頼者にはアドバイスしています。」
筆者がかつて勤務していた教習所では、雨の日の運転の試験(検定)は受けたくないという教習生がいました。実際、検定当日に急に雨が降ると検定をキャンセルするという教習生が毎回数人はいました。
しかし、運転に慣れていないときこそ、雨の日の運転はいい練習になると考えた方がいいでしょう。多くの教習所教官も雨天時の運転に慣れたほうが、習熟度が早く高まると証言しています。
不安なときは雨が弱くなるのを待つことが大切
筆者自身、4月末に東北地方へ出かけた際、ゲリラ豪雨に見舞われました。
午後1時過ぎであるにも関わらず、夕方かと思うほど周囲は暗く、ワイパーを一番速く作動させてヘッドライトを点灯させても数メートル先の状況すら把握できない状態でした。幹線道路であったため、筆者の右側を大型トラックが通過すると、そのたびに水しぶきが上がり、ほとんど視界を確保できない状況でした。
そのため、ドライブインに立ち寄り1時間ほど雨が弱くなるのを待って運転を再開しました。
このとき、数キロ先では乗用車がトラックに追突する玉突き事故が発生していました。運転には慣れていると思っていましたが、ほんの数メートル先が見えないことでこんなに恐怖を感じるのかと、考えが改められた出来事でした。
このように、運転に慣れている人であっても、少しでも視界が悪いと感じたら、無理して運転せずに雨が弱まるのを待つことも重要です。出発時は快晴でも、こうした予期せぬ出来事を想定し、時間に余裕を持って外出することも大切です。
日頃から、タイヤの溝や空気圧のチェックを行い、滑りにくい対策を実施してください。さらに、ワイパーの作動状況やゴムの劣化具合を確認し、フロントガラスのコーティング処理などで雨天時の視界を確保できるようにしておきましょう。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...