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初心者にも簡単!オフロードに強い「ホンモノ」のSUVを見分ける方法があった
SUVのオフロード性能を見分けるポイント
凹凸地形を進んだ時に車体の一部をぶつけることなく走れるか
最低地上高が200㎜以上あると悪路でも安心
まずチェックしたいのが『最低地上高』です。最低地上高とは地面から車体の一番低い所までの数値のこと。大抵の場合は、駆動系のミッションかディファンレンシャルギアの高さであることが多くなっています。
この数値が低いと、路面に落ちている大きな石や、飛び出している岩などに車体の一部をぶつける恐れが多く、最悪、大きなダメージを受けることになります。
オフロード性能には4WDという駆動方式は欠かせませんが、実は同じ車種の2WDと4WDを比べた時に、4WDの方が最低地上高が低いということが多々あるのです。
それは後輪を駆動させるために駆動系を配した時、リアデフが出っ張ってしまうため。ですので、最低地上高のチェックは購入時に必ずしておきたいものです。
ちなみに、指定地上高の目安としては、200㎜以上あると高い悪路走破性を持っていると言えます。
タイヤがなるべく車体の隅近くに配置されているか
次にチェックしたいのが、車体のオーバーハングです。前後のタイヤよりもそれぞれ前後方向に飛び出している車体の長さを指します。
オフロード性能を車体形状から考える時に、「3アングル」という数値があります。
1:デパーチャーアングル、2:ランプブレイクオーバーアングル、3:デパーチャーアングルのことを言いますが、この数値は、車両が凹凸地形を進んだ時に車体の一部をぶつけることなく走れるかという目安になります。
そして、オーバーハングが短いほど、この3アングルも有利になるというわけです。
凹凸地形(モーグル)を走った時に、オーバーハングが短いとバンパーなどをぶつける恐れが低くなります。例えばジムニーやJeepなどオフロードSUVを見ると、タイヤを車体の隅に限りなく近づけて設計されていることが分かります。
空転しても対応できる4WD性能を持っているか
オフロードに向いているのはパートタイム4WD
駆動系、つまり4WDシステムも悪路走破性の中では、大きなポイントになります。4WDには「フルタイム4WD」と「パートタイム4WD」がありますが、オフロードに向いているのはパートタイム4WDです。
理由は4つのタイヤの内、対角線上となる前後2輪が空転しない限りは、前後に進むことができるからです。
一方、SUVに多いフルタイム4WDはセンターデフを持つ特質上、1輪でも空転すると他の3輪は止まってしまうという弱点があります。そこで各メーカーは、その弱点を解消するために電子デバイスを採用しています。
いわゆる「電子制御式4WD(アクティブトルクスプリット式4WDとも)」というものです。これは、走行状態に合わせて、センターデフの差動をコントロールするだけでなく、エンジンの出力、ブレーキの利き具合などを自動で制御します。
昨今はブレーキLSDトラクションコントロールというデバイスも一般化しており、空転したタイヤにブレーキをかけて、タイヤのトラクション(前に進む働き)を復活させるというシステムです。
電子制御式4WDの場合は「テレインセクレクト」が付いているかどうかを確認しよう
自分が買おうとしているモデルに、こういったシステムが付いているかどうかは、カタログを見ても分からない場合があります。そこで最も簡単な判別方法は、「テレインセクレクト」が付いているかどうかを確認しましょう。
テレインセレクトの呼称は各メーカーで異なりますが、RAV4であれば『マルチテレインセレクト』、フォレスターは「X-MODE」、アウトランダーPHEVでは『S-AWC』といった具合です。
これは、雪道、ダート、ロック、砂といった路面状況に合わせてモードを設定しておくと、これに合ったトラクション性能や出力特性、ブレーキング性能をコントロールしてくれるというもの。
非常に優れたシステムで、初めてオフロードで運転するという人でもエキスパートなみのドライビングが可能で、純正のオンロード向けタイヤでも泥や砂、岩湯をグイグイ走ることができるのです。
日本で走れるオフロードはごく僅かですが、欧米では郊外に行けば珍しくありません。こうしたシーンを安全に走るためには、日本では使用機会が少ないテレインセレクトも重要な性能になってくるのです。
ただ日本でも、深い雪道や泥道などで威力を発揮してくれる場合があるため、ほとんど使わなくても、付いていれば心強いことは間違いありません。
今回はSUVが潜在性能として持っている悪路走破性を見分けるポイントをお伝えしてきましたが、クルマが進化しても必須なのがドライバーのオフロードドライブの知識です。
深雪でさえも、時として大きな危険が潜んでいますから、舗装路以外のドライブをする時は予習してから出かけたいものです。
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- 執筆者プロフィール
- 山崎 友貴
- 1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...