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ガソリンスタンド界で密かに行われる「混ぜ物」…一斉調査もある不正軽油とは?
不正軽油という言葉を知っていますか?一般消費者には耳なじみのない存在ですが、不正軽油は大気汚染や脱税など、様々な問題を引き起こす元凶となっています。今回は、不正軽油とは何なのか、一斉摘発が行われるほど広がってしまった背景等を考えていきます。
不正軽油とは何?自分の身近で売られてる?
不正軽油とは、軽油に他の油を混ぜて製造されたものなどを指す言葉です。
軽油はディーゼルエンジンに使用される燃料です。レギュラーガソリンと同様に、元は「原油」から作られています。ガソリン、軽油、灯油などは、原油を蒸留抽出する過程で、蒸発する温度域が違い、別々に精製されています。
ガソリンは30℃から180℃と低い温度から蒸発する燃料、軽油は240℃から350℃という高温で蒸発する燃料です。
製造過程が異なるガソリンと軽油ですが、販売される際に課される税金も大きく違います。
ガソリンは1Lあたり53.8円のガソリン税と2.8円の石油税が課せられます。これに対し、軽油は32.1円の軽油取引税と2.8円の石油税が課せられているのです。(ちなみに灯油は石油税2.8円だけが課されています)
この税金は、私たち消費者がガソリンや軽油を購入する際に支払っており、販売者が地方公共団体に納めています。
このとき、販売している軽油に灯油や重油などを混ぜて販売することによって、本来納めるべき軽油引取税を不正に免れている悪質な業者もいます。全国各地で検査・調査が行われ、東京都では不正軽油に関するホットラインを解説し、首都圏から不正軽油を無くそうと積極的に動いています。
- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...