更新
砂浜の駐車場や海水浴場で車がスタック…プロのやり方「もみ出し」で脱出!
いよいよ夏も本番となり、海水浴シーズンが近づいてきました。海水浴で思い出すのが、砂浜の駐車場でのスタック。駐車場といっても、砂浜に駐めるスペースを作っただけですから、こういう場所は、まさにスタックの危険地帯なのです。
砂浜のスタック、自力で脱出するには?
僕もかつて、FF車で不用意に砂浜に入って大スタックした経験があります。まだ脱出方法など知らない頃でしたから、タイヤの周りの砂を掘ったり、タイヤの下に布を入れたり、水を撒いたりと、まったく無駄なことをしまくったものです。
結果的には、地元の漁師さんのJeepに付いていたウインチで救助してもらいました。しかし、こうした幸運は海辺ではざらにあることではありません。やはりセルフレスキューが基本です。
砂浜のスタックは、2WD、4WDに関わらず起きうること。特に4WDは走破力の高さがかえって仇となり、スタックの状況を悪くしがち。
かつての経験から言えることですが、砂浜でスタックをしたら、まずは足掻くのをやめることが先決です。あせって脱出しようとすればするほど、蟻地獄にハマってしまいます。
まずはあわてずアクセルから足を離そう
砂でスタックしてしまったら、すぐにアクセルペダルから足を離しましょう。空転させてタイヤが砂に埋まってしまうと、その後が厄介です。とりあえず止まって、クルマから降りて状況の確認をします。クルマがどういう状態にあるか見てみましょう。
タイヤがほとんど埋まっていないようなら、しめたもの。まずは、来た走行ラインをなぞるように戻りましょう。
この時、アクセルはほんの少しだけ踏み、エンジンの回転数を上げないようにするのがポイント。スタックが軽微な場合は、これで脱出できます。
前後に動いて「もみ出し」するのがコツ
タイヤが少し砂を掘っており、かろうじて1,2cmほどタイヤが動く場合。この状況は一見すると完全スタックのように思えますが、「もみ出し」というテクニックを使うと、2WDでも脱出できる可能性が高いのです。
まず、トランスミッションをDか1速に入れて、少しだけアクセルを踏みます。タイヤが少しだけ転がり、空転し出したら、すかさず今度はRレンジか後退にトランスミッションをシフトします。
そして、またアクセルを少しだけ踏んで、タイヤが転がるところまで動かし、空転したら再びDレンジか1速にシフト。この前後の動きを繰り返します。
何度か繰り返していると、クルマは振り子のように動く範囲が大きくなり、その内に前か後ろに脱出できるようになります。
昨年、房総半島の砂浜でスタックしている2WDのアルファードに出会いましたが、この方法を伝授したところ、見事に脱出に成功していました。
- 執筆者プロフィール
- 山崎 友貴
- 1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...