車のフルラッピング、何のため？メリット・デメリットを専門店に聞いてみた

かつて車の色を変えるには再塗装が一般的でしたが、査定額が下がってしまうことがあるため、手を出しにくいカスタム手法でした。

しかし近年では「ラッピング」という手法が浸透し、元々の塗装を維持したままカラーチェンジができるようになり、気軽にボディカラーを変えて楽しむことができるようになっています。

ラッピングを施す場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか？

カーラッピングとは？

カーラッピングは専用のフィルムでボディを包み、車全体あるいは一部の色を変える手法です。純正にはない色味や質感、デザインで、”世界に1台”の自分好みの車を作り上げることができます。

ラッピングのメリット

再塗装によって色を変更する場合、耐久性は非常に高いですが、先述のとおり手放す際に査定額が減額されることがあります。つまり、資産価値が下落する可能性が高いということです。

ラッピングは貼ったフィルムを剥がせば元の色に戻せるので、「自由度の高さ」がメリットの1つです。『純正の色で気に入ったものがない』『オリジナルカラーにしたい』といったときに嬉しい選択肢となります。

『この部分だけ色や質感を変えたい』という場合も、ラッピングによってボディアクセントを入れることも可能です。

また、正しく使用すれば塗装の保護も期待できるため、資産価値を守るという手段にもなります。ラッピングによって元の状態が維持されていれば、売却時の値崩れを抑えることができるでしょう。車の価値を維持しながら、自分好みのカスタムを楽しむことができます。

ラッピングのデメリット

一般的にラッピングの耐用年数は約2〜3年と言われています。もちろん使用環境によって多少前後しますが、”期限付きのカスタム”という認識をしなければなりません。

長期間放置すると剥がすのが難しくなったり、剥がしたときに糊残りしてしまうことがあります。古い車種にラッピングを施すと、剥がす際に塗装も一緒に剥がれる可能性もあります。

また、塗装と比べて費用が高額になる場合も。特にスーパーカーをフルラッピングする場合、100万円以上かかることもあるようです。ただし、ラッピングは元の色に戻すことが可能なため、その点も考慮すべきでしょう。

施工業者によっても金額や耐久性などに差が出てくるようですので、ラッピングを検討する際は、慎重に業者選定を行ったほうが後悔せずに済むかもしれません。

気軽にカラーチェンジができる手段

「好きな色への変更」と「価値の維持」という両面を考えたときに、ラッピングという選択肢は有効でしょう。

ただし、気をつけるべき点もあります。カーラッピングについて、カーフィルムを取り扱う専門店は以下のように話しています。

「ラッピングの主な目的は”カラーチェンジ”を楽しむものであり、塗装の保護が本来の役割ではありません。もちろん物理的な汚れから守るということはできますが、飛び石などの傷から守ることは保証できません。

また、長年放置していると綺麗に剥がせなくなることもありますので注意してください。」

当然ながら、ラッピングで塗装面を多少保護できるとはいえ、それが本来の目的ではないため注意が必要とのこと。耐用年数も比較的短く、青空駐車をしている場合や天候に関わらず毎日走行している場合は、さらに劣化スピードは早まるようです。

しかしながら、フィルムの貼り替えによって、簡単に違う色を楽しむことができるのがラッピングの良さです。『いきなりフルラッピングするのは不安』という場合は、ドアミラーなどの小さな部分から始めてみるのもよいかもしれません。

メリット・デメリットはありますが、『車の色を変えたい』というときには、愛車の価値も考慮しながら、ラッピングという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

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