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エンジンの“オーバークール”、ハイブリッド車に乗っている人は要注意!冬場の燃費悪化の原因とは
冬に症状が出やすいオーバークールとは?
このごろ車の暖房が効きにくいし、エンジンパワーも落ちた気がする……。
こうした症状にお悩みなら「オーバークール」を疑ったほうがよいかもしれません。オーバークールとは、エンジンの冷え過ぎによって車に不調が起きている状態のことで、その症状は気温が下がる冬場に顕著に現れます。
具体的な症状は、上記のとおり暖房の動作不良やエンジンパワーダウンなどで、暖気中のようにエンジン回転数の高い状態が続く、燃費が悪くなるといった不調も生じます。
また、オーバークールの状態を放置すると、エンジン寿命が縮む場合もあるので要注意。最悪の場合はエンジンが焼き付いてしまうため軽視は禁物です。
オーバークールの原因は?
オーバークールの主な原因に「サーモスタット(画像の部品)」の故障があげられます。サーモスタットはエンジン冷却水の水温管理に用いる部品で、冷却水をラジエーター(冷却装置)に循環させるか否かを、エンジン温度に応じて制御するものです。
サーモスタットが経年劣化や破損などで開いたままになると、冷却水が常にラジエーターを循環するようになります。すると、冷却水の水温が適正値(80〜100℃程度)まで上がらなくなり、いくら走っても暖気モードのエンジン制御が解除されない状態に。
その結果、高めの回転数による燃費低下、濃過ぎるガソリン(混合気)によるパワーダウン、熱源である冷却水が温まらないことによる暖房不調、といったオーバークールの諸症状が起こります。
オーバークールでエンジンが壊れる!?
オーバークール状態の車に乗り続けると、エンジンに深刻なダメージを与えることになりかねません。というのも、エンジンには適正温度があり、温まったときに正常な作動をするように設計されているからです。
たとえば、エンジンの主要パーツであるピストンやシリンダーは、稼働による熱膨張によってクリアランス(パーツ同士の隙間)が最適化される設計になっています。
オーバークールはこのクリアランス最適化を妨げ、ひいてはエンジンパーツの劣化を早める原因となります。熱膨張が不完全なままの長時間稼働による、ピストン・シリンダーの偏摩耗を招いてしまうのです。
また、適正温度に温まっていないシリンダー内では、油膜切れが起こりやすくなります。油膜切れでピストンが焼き付いてしまった場合、修理費用は相当な金額となるでしょう。
- 執筆者プロフィール
- 加藤 貴之
- 1977年生まれのフリーライター。10年以上務めた運送業からライターに転向。以後8年以上にわたり、自動車関連記事やIT記事などの執筆を手がける。20代でスポーツカーに夢中になり、近年は最新のハイブリッド車に興...