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「なぜ日本には罰則がないの?」障害者用駐車スペース問題の解決策はあるのか
障害者等用駐車区画の不適切利用があとを絶たない
2006年にバリアフリー新法が施行され、”国際シンボルマーク”である「車いすマーク」が描かれた、障害者等用駐車区画の設置が進められてきました。
しかし、その裏側で問題視されてきたのが、障害者等用駐車区画の利用マナーです。『店舗の目の前で便利だから』『他のスペースが空いていないから』などの理由をつけ、その駐車スペースを必要としていない人たちが利用することで、本当に必要としている人が利用できないという「不適切な利用」が横行しており、各自治体へ多くの苦情が寄せられています。
各自治体は「利用マナーの周知」や「看板の設置」、「三角コーンの設置」など、障害者等用駐車区画の適正利用に向けてさまざまな取り組みを行っていますが、それでも不正利用があとを絶たないのが現状です。
実は「車いす」の人以外でも利用できる
障害者等用駐車区画には「車いすマーク」が描かれていますが、実は”車いす利用者専用”の駐車スペースではありません。
身体障害や知的障害などを持つ方、高齢者、妊産婦、傷病者など、幅広い方が利用可能です。
障害者等用駐車区画は、移動等円滑化基準によって駐車スペースに「幅350cm以上」、後部通路に「幅120cm以上」を設けることが定められており、通路との間に段差を設けないなど、移動が困難になる要素を排除する配慮がなされています。
しかし、障害者等用駐車区画においては、「車いす使用者」と「高齢者・妊産婦等」の競合が発生し、より広い幅を必要とする「車いす使用者」が利用できないといった事態に発展することも。
そのため、車いす使用者のためのスペースと併せて、広い幅を必要としない高齢者や妊産婦のために、一般区画を優先区画として確保する”ダブルスペース”の採用も進んでいます。
- 執筆者プロフィール
- 成田 佑真
- 1993年生まれ。普段は医療機器販売を行っているが、暇があれば自動車関連記事を読み漁る。現在の愛車はA4。子どもの頃からマークⅡに憧れ、社会人になりマークXを購入。週末は必ず手洗い洗車を行い、ドライブに出...