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克服のカギは『車に酔うと思い込まない』?車酔いのメカニズムから効果的な対策まで検証
目次
「車の進行方向を見る」「ガムを噛む」「ツボを押す」…などの車酔い対策は効果ある?
酔い止め薬以外の方法で、効果的な車酔い対策はあるのでしょうか?車酔い対策としてよく聞かれる3つについて、医師A氏に伺いました。
進行方向を見ていれば車酔いは起きにくい?
「車の進行方向を見ていれば酔いにくい」ということはよく聞かれますが、これについてA氏はこう話してくれました。
「車酔いは脳のはたらきが大きく影響しています。そもそも人間は自力で高速移動することはできません。そのため、体に強力な加速度が加わると危険を回避するために、体に震えや吐き気などの危険回避反応が現れるとされています。
こうしたことからも、自律神経の乱れからくる車酔いは、危険回避反応の一種とも言えるわけです。
自律神経を乱さないためには、目から入ってくる情報と、体から受ける情報のズレに慣れることが、最も効果的な車酔い対策です。
具体的には、「進行方向の景色を見るように心がける」「車内や近くの道路ではなく遠くの景色を見る」「揺れの激しい道路を避けてもらう」といった対策をとることで、車酔いしにくくなるかもしれません。」
車酔いは、脳内での情報や感覚が混乱していることで生じている症状です。脳内を混乱させないためにも、車の進行方向に合わせて視線を向けることは、対策として間違ってはいないようです。
甘いものは車酔い防止に効果がある?
前述の医師A氏に、車酔い防止に効果がある食べ物があるのか聞いてみました。
「血糖値を上げることで脳が活性化されるため、甘いものは酔いに効果が期待できるといわれています。例えば、チョコや飴、ガムなどはいいのかもしれません。
また、唾液の分泌は酔いを防ぐといわれているので、酸味の強いタブレットなども効果があるかもしれません。
ただし、口に甘いものや酸味のあるものが入ることで、より気分を害する場合もあります。食べ物に関しては個人差があるので、気分がのらないときは無理には食べないほうがいいと思います。」
筆者は、バス移動で酔ってしまった際、家族が持っていたサイダーを飲んだところ吐き気が治まった経験があり、それ以来、電車やバスで長時間移動する際には、必ず炭酸水を携帯するようにしています。
車酔いを和らげるツボとは?
車酔いやめまいが起きたときは、手首のツボを刺激すると改善できるという話を聞いたことがあります。
医師に車酔いに効くツボがあるのか聞いてみました。
「ツボに関しては専門家ではないので、確証を持って答えられません。ただ、手首の付け根付近を刺激すると平衡感覚を整えてくれる効果があると聞いたことがあります。
実際の効果も含めて確証は持てませんが、ツボの刺激は手軽に実践できるので試してみることをおすすめします」
後に調べてみると、酔いに効くとされるツボがいくつかあることがわかりました。手首付近には「内関」や「外関」と呼ばれるツボ(写真参照)があり、自律神経を整えたり、疲労回復に効果があるとのこと。
また、耳たぶの裏側のくぼみには内耳の平衡感覚を正常に保てるツボがあるようです。こうしたツボの刺激は、特別な道具がなくても車内ですぐに試せるので、車酔いしてしまったときは試す価値があると思います。
車酔い対策は効果があるのか、実際に検証してみた!
平日の昼間に、車酔いを防止するための対策を行い、酔いやすいライター仲間のうちのひとりに、後席に乗車してもらいました。
協力してもらったライターは、ほぼ運転しないいわゆるペーパードライバー。移動はもっぱら公共交通機関が主で、車に乗るときは必ず酔い止め薬が欠かせないとのこと。多少の不安を抱えつつも、東京都心を出発し多摩方面までの往復約1時間のドライブに付き添ってもらいました。
走り出して10分ほど経過したところ、車酔いのテスト走行という意識が強かったためか、いつもより早めに酔い始めてしまいました。そこで、手持ちのチョコを食べつつ、ツボ(内関)を刺激。20分ほど経過し、話に夢中になったあたりから、体調が回復。車酔いが再発することなくテスト走行は終了しました。
本人曰く「チョコやツボの刺激が効果があったか証明はできませんが、酔い止め薬を飲まずに1時間以上車に乗れたことは事実です。少なくともここ最近はなかったことです」とのこと。
このテスト走行以降、何度か車に乗る機会があったものの、酔い止め薬を飲まなくても車酔いはかなり少なくなったと聞きました。
完全に酔わなくなったわけではないようですが、薬を飲まなくても車に乗れることが何よりうれしいと話していました。聞けば、いつも車に乗るときは「酔ってしまうのではないか」と常に考えていたといいます。
車酔い対策についてまとめると、事前の対策として「体を締め付けすぎない衣服」「空腹を避け軽食をとっておく」「前日に十分な睡眠をとる」「酔うと思い込まない」を徹底しましょう。
事前の対策と、乗車中のちょっとした心がけを、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...