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克服のカギは『車に酔うと思い込まない』?車酔いのメカニズムから効果的な対策まで検証
目次
車酔いはなぜ起きる?子供が酔いやすいのはなぜ?
ゴールデンウィークに車でおでかけした際、子供や同乗者が車に酔ってしまった…ということはありませんでしたか?
長距離ドライブをしたり、普段とは違う道を走ったりするときは、車に酔いやすい人はどうしても心配になるもの。市販されている酔い止め薬を乗車のたびに飲んでいるという人も多いのではないでしょうか。
そもそも、車酔いはどのようなメカニズムで起こってしまうのでしょう。調布市で開業している医師A氏に伺いました。
「車以外にも船や電車など、予想できない揺れ、動き、振動が発生すると、三半規管からの情報(平衡感覚など)と目や体から受ける情報が脳内で混乱する『感覚混乱』という状態に陥ることで、自律神経が乱れて吐き気やめまい、頭痛などの車酔いが発生してしまうことがあります。
また、ニオイで酔うという話もよく聞きます。車内に食べ物のニオイが残っていたり、強めの香水が漂っていたりすると、気分が悪くなることがあります。
さらに、急加速や急停車、急ハンドルなど、ドライバーの運転操作の乱れによって、同乗者が不快感を感じたり、ストレスを感じたりすると、酔いやすくなると考えられています。
また、車酔いは大人よりも子供の方が発症しやすいといわれています。目からの情報と実際の体の揺れにズレが生じていることを子供は理解しにくいからではないでしょうか。
そのため、大人になればズレを理解できるようになり、車酔いする人は減少します。ただし、大人になっても車酔いを克服できない人も少なくありません。」
「克服には“思い込み”が大事」ちゃんと理由がある
説明の通り、酔いという症状は、自律神経の乱れによって起こると言われています。
一般的に車酔いを防ぐために事前に行っておくと効果的な対策としては、「体を締め付けすぎない衣服を着る」「空腹を避ける」「十分な睡眠をとる」「酔うと思い込まない」などがありますが、中でも「酔うと思い込まない」ことが最も重要だと前述の医師は話します。
「自律神経は、呼吸運動や消化活動、排泄プロセスなど、日常生活に深く関わっている、生命維持に欠かせない機能の調節を行っています。
この自律神経は、自分でコントロールできません。そのため、乗車中に酔ってしまうのではと考えれば考えるほど、呼吸が荒くなり自律神経の乱れにつながります。
このとき、運動不足だったり、睡眠不足だったりすると、より自律神経が乱れやすくなり、車酔いを発症しやすくなります。」
車に乗るときは、「自分は車酔いを起こさないと思い込む」あるいは「車酔いのことを忘れるくらい他のことを考えたり、会話をしたりする」といったことが重要のようです。
また、車内でスマホを長時間見たり、ゲームをしたり、読書をしたりすると、長時間下を向くことになるので、こうした行為も車酔いの原因になるので避けた方がいいでしょう。
- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...