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走行距離や経年数よりも重要?“クルマの寿命”を決めるのにユーザーが見落としがちな2つのポイントとは
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「修理用パーツが入手できなくなる」という問題も
ただし、部品の供給には限りがあります。例えば、トヨタの場合はそのモデルの生産中止から約10年が経過すると部品の供給がストップします。汎用パーツで対策できるのであればいいのですが、車種専用の部品だった場合は手に入らなくなり、修理ができなくなるのです。
ただ、すべてのクルマがそうではなく、人気車種の場合はアフターパーツメーカーが供給していたり、場合によってはリビルトパーツが出ていたりします。また、自動車処分施設などでパーツを見つけられる可能性もあります。
しかし、一般的なクルマの場合は、10年を過ぎるとパーツの入手が難しくなってくると考えた方がいいでしょう。
さらに、昨今の自動車ユーザーにとっては部品供給ストップ=寿命とは言えなくなっていることも事実です。
経年車両の維持費の高さも負担が大きい
ボディに大きなダメージを受けている場合、ケースによってはFRP(繊維強化プラスチック)などで補修する必要がありますし、塗装費も含めるとかなり高額になります。あまりに損傷が激しい場合は、廃車を考慮した方がいいかもしれません。
自動車検査登録情報協会の調べによると、ここ数年の自動車(軽自動車以外)の平均使用年数は13年を超えています。つまり、ユーザーには税制面で厳しくなるところもあるのです。
自動車重量税は、新車登録から13年が経過すると税率がアップします。さらに18年目でも上がります。具体的に金額を見てみると、税率は下記のようになります。
- 新車〜12年目 4100円/0.5トン
- 13年目〜17年目 5700円/0.5トン
- 18年目以降 6300円/0.5トン
軽自動車も金額は異なりますが、同じように13年目と18年目と税率がアップします。ちなみにエコカーの認定を受けている車両については、この限りではありません。
維持費を安くしたなら新車に乗り替え続けたほうがお得?
もちろん、税金に加えて、部品交換などのメインテナンス費、さらにはエンジンの性能低下による燃費の悪化なども考慮する必要があります。
名車やよほど愛着がある車両でないという場合は、長く乗ることによるデメリットが増えていくというのが一般的。経済的なことだけを考えれば、3回目の車検、つまり新車から7年が経過したら、買い替えを考えた方が安く済むケースがあります。
ちなみに中古車市場では、マニアックなクルマでない限りは10年で動産価値が0円になってしまいます。リセールバリューのことを考えれば、3回目の車検はその先どうするかを検討するタイミングだと言えます。
クルマを長く乗り続けることはいいことですが、一方で環境のことを考えれば新しいクルマに乗っていた方がいいとも言えます。特にここ数年でクルマは電動化が進むことになり、現在は大きな転換期です。内燃機関のクルマが貴重になっていく一方ですが、できるだけ維持費を安くしたい人は新車や高年式の車両に乗り替えた方がトクかもしれません。
ちなみに筆者も自分の生まれた年と同じ年式の車両に乗った経験がありますが、こうしたモデルを大切に乗って、また違う人の手に委ねることもクルマ好きの使命のような気がします。
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- 執筆者プロフィール
- 山崎 友貴
- 1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...