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いま流行りのカー用品「オーロラフィルム」!ディーラーでの入庫拒否って本当?
近年、車のガラスに貼り付けるアイテムとして、角度によって様々な色に見える「オーロラフィルム」(ゴーストフィルム)」が流行しつつあります。
見た目のドレスアップだけでなく、貼り付けることで直射日光によって車内の温度が上昇したり、運転中に視界が遮られたりするのを予防する特徴があるようです。
しかし、オーロラフィルムを貼り付けると、交通事故に繋がったり車検に通らなくなったりする可能性が高まるとの話もあります。
外から車内が見にくくなる?事故に繋がる可能性は?
オーロラフィルムに関して、SNSを含めたインターネットをチェックしてみると次の口コミが挙げられています。
「フロントガラスにオーロラフィルムを貼り付けた状態では、ドライバーの顔が見えなくて、横断歩道で歩行者に気が付いているのかわからない」
「バイクに乗っている時、運転手がこちらを認識しているか判断しにくい」
オーロラフィルムを貼り付けている車は、歩行者や対向車線を走る車・バイクから車内が見えなくなり、ドライバーの仕草や表情がわからないとの指摘がありました。
車内が見えない結果、横断歩道を渡るなど相手の動きを観察できなくなるため、接触事故が起こりやすくなるのでは?との声もあるようです。
車内からは周囲の視界が良好でも、車の外からは車内が確認しづらいのであれば、オーロラフィルムを使うのはリスクが大きくなるでしょう。
現状の保安基準でオーロラフィルムは使用可能?
現状、国土交通省が設けている保安基準では、オーロラフィルムを使う際、”一定の基準”をクリアしていれば使用可能となっています。
保安基準第195条・5の六では「運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分にあっては可視光線透過率が70%以上であることが確保できるもの」と定められています。
つまり、オーロラフィルムを貼り付けた状態で可視光線透過率の基準をクリアできれば、車検に合格するため道路交通法などの違反とはなりません。
全国各地にある自動車検査登録事務所や軽自動車検査協会車検場では「ティントメーター」(可視光線透過率測定器)と呼ばれる器具を使って検査を行っています。
オーロラフィルムを取り扱っているメーカーや施工業者のインターネットサイトをチェックしてみると「作業後の可視光線透過率は70%以上が期待できる」、あるいは簡易計測器で実測した数値を表示して「多くの自動車検査登録事務所や軽自動車検査協会の車検でクリアした実績あり」などと記載されています。
しかし、「民間車検工場やディーラーでの車検整備はそれぞれユーザーの判断に任せる」との旨も付け加えられていることから、明確に一定の基準をクリアできるとは書かれていないといえます。
つまり、メーカーや施工業者は、ユーザーに対してオーロラフィルムの販売はするが、使う際の”保証”はできないと意思表示をしていると見るべきでしょう。
- 執筆者プロフィール
- 長谷川 優人
- 1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。