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「バンパー交換だけでもそんなに?」先進装備の裏にある“便利さの代償”…板金のプロが教える「修理が高額になりやすいキズ」

ルーフ交換、ダメージは修理代以外にも

©︎琢也 栂/stock.adobe.com

上に挙げた雹のほかにも、大きな雪の塊がボディに落ちてきたケースなどでは、思いもよらないほど修理費用が高額になることがあるようです。

「一見して『これはマズイな』と思うのは、ルーフに大きなダメージが生じてしまっている車ですね。数としては多くないですが、大雪でカーポートが壊れて車の上にのしかかってしまうとか。

とくに厄介なのが、損傷が大きくてルーフをまるごと交換しなければならないケースです。車のボディは基本的にパネルごとにフレームに接合されており、ボンネットやバンパー、ドアやフェンダーなんかはボルトで固定されているわけですが、ルーフの場合には溶接作業が必要になってしまいます。

防水処理も必要になりますから、修理費用としても高額になりやすく、50万円を超えてしまうこともザラです。

しかも、ルーフ交換は修復歴に該当しますので、修理代そのものを保険でカバーしたとしても、将来の下取りにかなり影響が出てしまい、どうしてもお客様の負担が出てきてしまいますね」(板金工場スタッフ・勤務歴8年)

車のフレーム(骨格)部分にあたる箇所を修理・交換してしまうと、その車は「修復歴あり」という扱いになり、一般に「事故車」といわれる状態になってしまいます。修復歴のある車は中古車市場での需要が低いことから、下取り価格も大きく低下する傾向にあります。

上のお話にあるように、車両保険で修理代はカバーできても、「修復歴がついたことによる下取りの下落分」については基本的に補償対象とはされない傾向にあり、将来の乗り替え時にオーナーにとって負担となることがあるようです。

なるべく避けたい板金修理ですが、雹や大雪をはじめ、対策が難しいケースも少なくありません。安全運転はもちろんですが、駐車中の環境にも注意しつつ、車両保険による「万が一の備え」をしておくことで、被害を最小限に抑えられると考えられます。

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執筆者プロフィール
鹿間羊市
鹿間羊市
1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...

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