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「バンパー交換だけでもそんなに?」先進装備の裏にある“便利さの代償”…板金のプロが教える「修理が高額になりやすいキズ」

大切な愛車は、できるかぎり「キズ1つない状態」でキープしておきたいものです。それだけに、ボディをぶつけたり擦ったりした際のショックは大きく、しばらく落ち込んでしまうものでしょう。

精神的なダメージに加えて、家計にとって大きな負担となるのが「板金塗装の費用」です。ぶつけた箇所によっては、思わぬ出費を強いられるケースも少なくありません。

今回は板金塗装に従事するプロの方々に、「高額になりがちなボディの箇所」について話を聞きました。

「ちょっとぶつけただけ」でも数十万円に?

©xiaoliangge/stock.adobe.com

板金修理の費用は、ボディのダメージだけではなく、「損傷箇所の付近にどんな部品があるか」によっても左右されます。周辺部品の交換が必要となれば、それだけ費用も加算されるため、パッと見の印象に対して見積りが高額になることも。

こうした部品代は、やはり時代が進むにつれて高くなっているようです。30年以上にわたって板金工場を経営するオーナーに「修理代が意外と高くなる箇所」について聞くと、次のように答えてくれました。

「まずはミニバンの電動スライドドアですかね。ボディが長いので左側を巻き込んじゃう人が多くて、機構が複雑なので修理代も高くなりがちなんですよ。

交換が必要な場合、普通のドアが10万円だとしたら、電動スライドドアは20万円ほどかかるイメージですかね。多くの場合、リアフェンダーにもダメージがありますから、実際にはもっと高額になるケースもあります。

でももう、電動スライドドアに限らず、最近の車はどこをぶつけても高くなっちゃいますね。やっぱり先進安全装備などの技術が向上するにつれて、部品も複雑になっていますから。たとえばバンパーを擦るだけでもコーナーセンサーの交換が必要になるとか。

フロント部分はとくに高額になりがちで、エンブレム裏など設置されているミリ波レーダーを交換する場合には部品代だけで5万円~10万円ほどかかりますし、ヘッドライトも片側だけで10万円近くなるケースがあります。

フロントバンパーを交換する場合には、バンパーだけで10万円くらいかかりますし、事故の衝撃や交換作業でレーダーの調整作業が必要になると、2万円~3万円ほど加算されることになります。

そうして細かい部品代や作業料が重なっていくうちに、パッと見はそこまでダメージがないのに修理代は30万円くらいになってしまう、というケースもありますよ。正直、『昔なら10万円しないのになぁ』と思ってしまうこともありますね」(板金工場経営者・勤務歴36年)

車のオーナーとしても、「ちょっとぶつけただけ」のキズやヘコミで数十万円の見積りを出されては、相当のショックを受けてしまうでしょう。

とはいえ前走車を自動で追従するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)や障害物の接近を知らせるクリアランスソナーなど、現在では不可欠となっている装備も多く、修理代の高さは「便利さの代償」として受け入れるほかないのかもしれません。

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執筆者プロフィール
鹿間羊市
鹿間羊市
1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...

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