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「“ぜんぶ雪のせい”では済まされない」間一髪で助かった、雪道での思いがけないヒヤリハット
死角から突然現れたスリップ自転車
積雪の際には車の事故だけではなく、歩行者の転倒事故なども頻発します。車両と歩行者の通行帯が曖昧になりやすい住宅街などではとくに、周囲の動きに注意を向ける必要がありそうです。
「あまり雪が降らない地域に住んでいますが、数年前にかなり雪が積もり、しばらく残っていたことがありました。雪が降った翌日、あらかた道路の除雪は済んでいるようだったので、通勤のため車に乗り出発したんです。もちろん、スタッドレスは履いていました。
住宅街を抜けている最中、信号のない交差点にさしかかり、こちらが優先側ではありましたが少し速度を落としたんです。すると、一時停止側の道路を映すカーブミラーに自転車に乗った高校生が映ったので、一応少し様子を見ようと徐行して。
その瞬間、自転車がツルンと滑り、高校生がこちらの道路に飛び出すような形で転んできたんです。普通に進んでいたら、かなりの確率でぶつかっていたと思います。高校生に怪我はなかったようで、そのまま慌てて自転車に跨がり去って行きました。本当に、雪道は想定外のことが起きるなと実感しました」(50代男性)
雪道を運転する際は、自分の車のスリップ対策はもちろんですが、近くにいる交通主体から十分に距離を取り、想定外の動きに対応できるよう意識しておきたいところです。もちろん運転を控えられるのであれば、そうするに越したことはないでしょう。
雪国での初運転でまさかのホワイトアウト
普段雪の降らない場所で暮らしている人にとって、「豪雪地での運転」はまったく未知のものでしょう。しかし、どうしても運転しなければいけない状況が、人生のなかでやってこないともかぎりません。
「実家が秋田なのですが、豪雪地帯なので冬にはあまり帰らないようにしていました。しかし、法要で1月に行くことになり、現地でレンタカーを借りたんです。
ですが法要を終えたあと、ホテルへの帰り道で猛吹雪に遭い、視界が真っ白になりました。はじめて経験するホワイトアウトにパニックになり、これは進めたもんじゃないとウインカーを点灯させ、その場に停止したんです。
しかしその直後、後ろから『ガンッ』という音とともに身体に大きな衝撃が走りました。追突されてしまったんです。しばらく放心状態のようになり、しかしすぐに『相手の状態を確認しなければ』とドアを開けたのですが……。
外に出た途端、猛吹雪で数秒のうちに服が真っ白になり、『これは早く済ませないと命に関わる』と思いゾッとしましたね。
その場で警察に連絡しましたが、吹雪で場所を伝えることが難しく、しかたがないので署まで来るようにいわれました。雪の様子を見ながらどうにか向かい、結局解放されたのは3時間後。生きてきて一番疲れた日だったかもしれません」(50代男性)
ホワイトアウトは吹雪により視界が真っ白になる現象であり、わずか数十センチ先の状況すらわからなくなることもあります。慌てて急ブレーキを踏みたくなるところですが、後続車による追突のリスクもあるため、なるべく緩やかに減速することが望ましいでしょう。
またそのような状況では、周囲からの視認性を高めるため、ヘッドライトやウインカー、フォグランプ(装備されている場合)を点灯させたうえで、できるかぎり道路の端に停車させることが推奨されます。
このように、雪道は車の挙動のほか、周囲の交通主体の動きにも影響を及ぼし、さらにはドライバーの視界を著しく制限することもあります。帰省や旅行で「普段と違うエリア」を通行する場合はとくに、天気予報や凍結情報を事前に確認し、「万が一」を想定しながら計画を立てたいところです。
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- 執筆者プロフィール
- 鹿間羊市
- 1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...