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戦車の値段は?個人所有や中古の戦車の購入方法を調べてみた!
戦車の個人輸入・購入もできるが注意が必要
戦車本体の値段に関しては、中古の戦車ならば問題はありません。問題なのは、輸入・購入方法と法律関係です。
通常、戦車は武器扱いとなるので、そのままの状態で日本国内に輸入することはできません。国内に持ち込むには砲身など武器になる部分を切断して、スクラップとして輸入する必要があります。
その後溶接などをして元に戻しますがその際、武器として使用できないように砲身の中を埋めるといった作業も必要になるでしょう。
また、もともと武器だったものを輸入するとなると、法律関係でも煩雑な手続きが必要となり、多大な時間を要することになります。
輸入戦車は公道を走れるの?
結論からいうと、日本国内で個人所有の戦車を公道で走らせることは、ほぼ不可能です。
通常、自動車を公道で走らせるには、道路運送車両法に定められた保安基準に適合している必要がありますが、輸入戦車を走らせるとなるとまず車検に通らないでしょう。
仮に公道が走れるように大規模な改造を施したとしても、それはもはや元の戦車とは大きく異なるものとなってしまい、戦車を購入した目的から大きく外れてしまいます。
保安基準(Safety Regulations)
車の構造および装置が備えるべき保安上、または公害防止のための技術上最低限度の基準を定めた国土交通省令。正式には道路運送車両の保安基準といい、車の技術的な要件の基本となる法令。
道路運送車両法では、公道を運行する車はその構造、装置などがこの省令で定める保安基準に適合するものでなければならないと規定されており、また車の検査や点検、整備においてもそれらの審査は保安基準に照らして実施するよう定められている。
保安基準には自動車以外に原動機付き自転車および軽車両に関する保安上の技術基準をも定めている。
自衛隊の戦車は特例
自衛隊が保有する戦車を含む車両のほとんどは、自衛隊法に基づいて道路運送車両法の適用除外となっているので、防衛省独自の保安基準で公道を走ることができます。
ただし、自衛隊車両の運転には「MOS(Military Occupational Speciality)」という特殊な資格が必要となり、戦車を運転する場合にはMOSに加えて「大型特殊自動車免許」も必要です。
また、公道を走れるといってもどこでも走っていいというわけではなく、道路の舗装を傷つけないためにキャタピラにゴムのカバーを装着して低速で走行する必要があり、道路管理者の通行許可を取る必要があるなど、さまざまな制約も存在しているのです。
戦車はお金に余裕があったら、趣味のコレクションで
中田商店所有 M41軽戦車 ウォーカーブルドッグ
アメ横に店を構える有名ミリタリーショップ「中田商店」の社長が個人所有する戦車ですが、この戦車も公道を走らせることが目的ではなく、展示用として輸入されました。
このように、輸入された戦車のほとんどは走ることができない観賞用の展示物となっていますが、走ることができないということは、輸送費用もその分多くかかることになり、メンテナンスなどの諸費用を加えると、戦車本体の値段を超えてしまうという問題もあります。
個人で戦車を所有するには、戦車に対する愛が必要
個人で戦車を所有したいと考えている人はお金に加えて、面倒な法律関係をクリアする根気と戦車を保管する場所、そして何より戦車に対する愛が必要になるのです。
そこまでの戦車愛がない人は、個人所有は諦めた方がいいでしょう。プラモデルなら、実物ほど場所やお金も必要とせず、さまざまな種類の戦車を楽しむことができます。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...