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WLTCモードとは?JC08モードとの違い&2030年度新燃費基準はどうなる?

燃費基準値とは?

芝の上の車
©sestaeli/stock.adobe.com

燃費基準値とは、省エネルギー法に基いて国土交通省が自動車の燃費に設定した目標基準値です。車の種別(普通車/軽自動車など)、使用用途(乗用車/貨物車など)、車両重量によって細かく設定されています。

自動車税が減税される「グリーン化特例」、重量税が減税される「エコカー減税」のよる減税額は、燃費基準をどれくらい達成しているかで決まります。

現在までに設定された燃費基準は以下3つです。

  • 平成22年度燃費基準(2010年度)
  • 平成27年度燃費基準(2015年度)
  • 平成32年度燃費基準(2020年度、令和2年度)

燃費基準を達成した車は、目印として黄緑色のステッカーが1枚貼られます。

各燃費基準値比較|しだいに高い数値を求められるようになった

燃費基準はしだいに高い数値を求められるようになってきています。各燃費基準値の車両重量の分け方が異なるため厳密ではありませんが、以下に普通車における3つの燃費基準値を比較してみました。

平成22年度燃費基準703kg以上828kg未満18.8km/L
平成27年度燃費基準741kg以上856kg未満21.0km/L
平成32年度燃費基準741kg以上856kg未満24.5km/L

※上の燃費基準値はJC08モードに準じています

「平成32年度燃費基準」を達成していると節税できる

燃費基準は毎年ではなく、2010年度、2015年度、2020年度と間を空けて更新されています。2020年時点で新車を購入した場合、基準となるのは「平成32年度燃費基準(2020年度、令和2年度)」です。したがって自動車税や重量税の減税額は、平成32年度燃費基準をもとに決定されます。

前述の通り、燃費基準は毎年更新ではないため、2021年以降もしばらくは平成32年度(2020年度)のものが使用されます。ステッカーの表記も「平成32年度燃費基準」のまま変更ありません。

新車購入時の乗用車の重量税を例にすると、2019年5月1日~2021年4月30日に購入した新車(=新車登録を行う車)の場合、エコカー減税は以下のように適応されます。

  • 平成32年度燃費基準 +40%達成:免税
  • 平成32年度燃費基準 +20%達成:50%減税
  • 平成32年度燃費基準を達成:25%減税
  • 平成32年度燃費基準を達成していない:エコカー減税適応なし

このように、基準値を達成するだけでなく、大きく達成している車ほど税金が安くなります。また、新車以外にも現在所有している車の自動車税や重量税も「平成32年度燃費基準」を達成していると安くなります。

燃費基準値と燃費モードとの関わり

平成32年度(令和2年度)までの燃費基準値にはJC08モードの測定値が使用されています。しかし、2020年3月31日に発表された2030年度の新燃費基準(策定値)は、WLTCモードでの測定値を採用しています。

以下は、JC08モードで示した過去の燃費基準値とその実績値、それぞれの平均値をWLTCモードの数値に変換したものです。

  • 平成28年(2016年)実績値:19.2km/L
  • 平成32年(2020年)度燃費基準:17.6km/L

つまり、2020年度の燃費基準はすでに前倒しで達成されていたことになります。この結果をもとに、 2030年の新燃費基準はさらに厳しい数値が設定されました。以下は、2030年度の新燃費基準の例です。

  • 車両重量1,000kgの場合(コンパクトカーなど):27.3km/L
  • 車両重量1,400kgの場合(セダンなど):24.6km/L
  • 車両重量1,800kgの場合(ミニバンなど):21.1km/L
  • 平均:25.4km/L

WLTCモード燃費で過去の数値を見直した結果、新燃費基準は2020年度燃費基準からの改善率が44.3%と、高い目標が設定されたことがわかります。

【まとめ】WLTCモードにより車選びがしやすく!2030年に新基準が設定される予定

JC08モードに比べてWLTCモードは、日常的に車を使う3つのシーンを想定して燃費を計測しているため、車選びの際に自分がよく利用する場面に即した燃費を知ることができます。

数値はJC08モードよりも低く表示されますが、車の燃費性能が下がったわけでなく計測条件がより厳しく、現実の使用シーンに近づいたためです。

現在採用されているのは平成32年(2020年)度燃費基準ですが、すでに2030年度の新燃費基準(策定値)が発表されています。

新燃費基準は2020年度燃費基準からの改善率が44.3%と、とても大きく設定されているため、メーカーはさらなる燃費性能に優れた車の開発が求められます。

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執筆者プロフィール
MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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