2023年03月05日更新

アンダーステアとオーバーステアとは？FF車の多い市販車はどっちが主流？

アンダーステアとオーバーステアとは？
アンダーステアとは？
オーバーステアとは？
市販車はアンダーステア寄りのセッティングになっている
FFはアンダーステアが「デフォルト」
アンダーステアやオーバーステアを補うシステムも搭載されている
アンダーステアとオーバーステアにとらわれず安全運転を

市販車はアンダーステア寄りのセッティングになっている

一般で販売されている市販車のほとんどは、コーナーでアンダーステアが出るように設計がされているのが特徴です。サーキット走行を楽しむ方はタイヤの空気圧を調整したり、サスペンションを好みのパーツへ変えたりしてアンダーステアが現れにくくなるようにしています。

アンダーステア寄りのセッティングとしている理由として、初心者でも運転しやすくすることが挙げられます。

オーバーステア寄りのセッティングとすると、少ないハンドルの操作量でコーナーを難なく通過できるでしょう。しかし、運転に慣れていない初心者は適切なハンドルの操作量が判断できないため、急ハンドルに近い状態となる可能性も考えられます。

一方、アンダーステア寄りのセッティングであれば、一定のハンドルの操作量にて許容範囲の速度を超えると車体はコーナーで外側へ膨らみます。しかし、曲がり切れないと判断すれば、ブレーキやアクセル操作で速度を下げてコーナーを通過すれば問題ない話です。

自動車メーカーは、初心者でも運転が難しくなくなると判断して、セッティングをあえてアンダーステア寄りにしていると考えられるでしょう。

FFはアンダーステアが「デフォルト」

FFレイアウトを採用している車は車体の構造上、アンダーステアがデフォルトです。

FFは、車体前方にエンジンが搭載されているのに加えて前輪駆動を採用しています。トランスミッションやデフなどのパーツも同様に車体前方に装着されているため、重心が前がかりとなっている点が特徴です。

パーツを車体前方にまとめた結果、車内空間の広さは確保できる反面、アンダーステアが出やすい弱点があります。

しかし、普段の一般道を走らせる程度であれば、アンダーステアによる不都合は感じ取りにくいでしょう。コーナーの多い山坂道などをドライブする機会があれば、車のセッティングを変更するのも一つの手段です。

タイヤの空気圧を調整する、あるいは車高を高めにセッティングするようおすすめします。コーナーをハンドルやアクセル、ブレーキの修正操作が少なくなり、安定して車を走らせられるでしょう。

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アンダーステアやオーバーステアを補うシステムも搭載されている

近年販売されている車種には、アンダーステアやオーバーステアを補うシステムが搭載されています。例えば、三菱自動車の「アウトランダーPHEV」に搭載されている4WDシステム「S-AWC」が代表例です。

S-AWCは「Super All Wheel Control」の略であり、車体前後に搭載されたモーターを使用する4WDシステムをベースに作られています。AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)と呼ばれる、コーナーを走行した際に外側の車輪にかかるトルクを増やしてグリップ力を高める機能を備えたシステムです。

4つの車輪にかかる駆動力をバランスよく配分し、加えてABS（アンチロック・ブレーキ・システム）をはじめとした機能との連携を高めています。

アンダーステアとオーバーステアを補うシステムにより、メカニズムの進化でコーナーを安全に走れる仕組みが成り立ちつつあるでしょう。