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「ニュートラルに入れて燃料節約!」は効果なし?むしろ危険だし逆効果!やらないで

高速道路や下り坂でNレンジに入れて惰性で走行するとどうなる?

©hallucion_7/stock.adobe.com

停車状態を保持するときはDレンジを選択したままでもNやPレンジを選択しても、事故防止の観点からは大きな問題はありませんが、走行中にNレンジを選択することは事故のリスクが上がることにつながります。

走行中にNレンジを選択することは、アクセルを踏まなくても惰性で十分に走行できるとき、よりエンジンブレーキの抵抗なく車が進めるようになればアクセルを踏まなくても進める距離が増え、ガソリンの節約になるだろうと考えるドライバーが行うことです。

確かに、Nレンジを選択することでエンジンからタイヤへの力の伝達は遮断されるため、エンジンブレーキによる減速がかからなくなり、また反対にタイヤからエンジンへも回転が伝わらないのでエンジンの回転数はニュートラルに入れた途端にアイドリング状態となります。

しかし、実際にはエンジンがアイドリング状態にあるときはアイドリングの回転数を保つために燃料を噴射しており、アクセルペダルから足を離してエンジンブレーキがかかっているときは燃料噴射がカットされているため、エンジンの回転数を低くすることが燃料の節約になることにはなりません。

それどころか、エンジンブレーキによる制動力が一切なくなってしまうためフットブレーキでの制動力頼りになりベーパーロック現象やフェード現象を招いたり、タイヤにかかる駆動力がなくなり車の挙動が乱れやすくなりスリップや横転するリスクが高まるなど、重大な事故の原因を生んでしまうおそれがあります。

得ようとしたメリットは実は存在せず、その裏にある重大なリスクを含むデメリットが大きすぎると言えるでしょう。

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マニュアル車でも走行中にニュートラルに入れたりクラッチを切りっぱなしにするのは危険

ここまで、オートマチック車でNレンジに入れる必要はほとんどないということを説明してきましたが、マニュアル車ではどうでしょうか?マニュアル車はオートマ車と違い、Nレンジがありませんが、1速や2速、リバースといった各ポジションのいずれにも入っていない状態は「ニュートラル」となり、その意味はオートマ車と同じです。

マニュアル車の場合、ニュートラルの使用頻度はオートマ車のNレンジよりもはるかに多く、停車中はほとんどのドライバーがニュートラルを使用。「エンジンからタイヤへ動力が伝わるのを遮断する」という目的では、クラッチペダルを踏むこともその手段のひとつとなりますが、信号待ち等でしばらく停車する際にクラッチペダルを踏み続けるドライバーはそう多くありません。

オートマ車では走行中にニュートラルへ入れることはメリットがありませんでした。しかし、マニュアル車の場合はニュートラルの使用頻度が高いことから、メリットがあるように思えるかもしれません。

しかし、あくまでもエンジンからトランスミッションへ力を伝える手段が異なるだけで、車の動き方は同じ。マニュアル車であっても、走行中にニュートラルに入れたりクラッチを切ったりなどしてタイヤへの動力の伝達を遮断すればタイヤは自由に回転するようになり、直進方向へ安定させるための駆動力もエンジンブレーキによる制動力も失ってしまい、危険な状態です。

以上のことから、オートマ車であってもマニュアル車であっても、走行中にNレンジまたはニュートラルを積極的に使うことは、多くの場合で事故リスクを上げるなどのデメリットしかない行為となります。

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